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2018年02月16日

34 《雪洗YOU禅物語’18》 人魚姫の日記 <片寄せる波>5  〜香苗・成長篇〜



小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼
ゆきあらいゆうぜんものがたり
月夜に♪


  (7年目)5月12日

若旦那が帰ってきて、みんなに京都の土産を配っていた。
「生八橋っていってもね、色んな銘柄があるみたいでさ、
一番うまい所をきいて買ってきたんだ。
なかなかそこに住んでいる人じゃないとわからないよね」
なんかもしかして、圭兄ちゃんとやっぱり会ってきたんだろうか、って思った。

中居たちには匂い袋をくれた。懐かしい。
香りのしなくなった匂い袋に、ママの香水をたっぷりつけて、
圭兄ちゃんのシャツに香りを移したことを、思い出した。

若旦那に声を掛けられないように、そっと帰ったつもりだったのに、
若旦那は途中で待っていて私を呼び止めた。
「女将に聞いたよ。もうこういうことはしないけど、
雪洗の話はしておかないと。旅館でするのもなんだし」
と言って、圭兄ちゃんと会ったことを話してくれた。

若旦那が話す圭兄ちゃんの様子は、
京都で活き活きと過ごしているんだろうな、って感じでよかった。
伝言なんか頼まなければよかった。
でも、圭兄ちゃんの様子が聞けて、嬉しかった。
元気だって知っていたけど、元気なのはよかった。

「元気だと伝えてって。
なんで君たち二人とも、お互いの様子はきくくせに
自分のことは、元気だ、一言だけなわけ」
なんて若旦那に言われた。

若旦那にどうしてこんなことをしたのかきいてみたら、
「好奇心。僕がなんで振られるのか、
相手を見て納得したかった。
会ってみて正解だったよ。
彼のことは気に入った。
器用そうに見えるけど、そうじゃないね。
でも、人が黙って付いていきたくなるような魅力があるよ。
さすが雪洗の後継者だけある。
(メンツ)では僕も負けてないけどね」
と言って若旦那は笑った。

「若旦那にはもっと素敵な人が現われます。
私なんかじゃもったいないです」
と言うと、
「雪洗圭一が一番素敵って思っているのに、よく言うよ」
「そんなんじゃないです、圭兄ちゃんは…」
と言いかけて私は多分赤くなった。

「もう少しみたいよ、彼が京都から帰って来るの。待ってるわけ?」
「これってやっぱり待ってるのかな」
「そうとしか見えないけど」
「そうするしかないから。
圭兄ちゃんに言ってないですよね」
「君が彼に一筋だということ?
僕の誘惑にもなびかなかったって?
悔しくて、言えなかったよ」
 ほっとしていると
「なんで安心した顔するの。言った方がよかったかな」
「私が待ってるなんて、圭兄ちゃんが知ったら負担になるから。
ありがとうございます」
と言って若旦那とは別れた。

私は待ってていいのかな?今更、待つしかできないのに。
待つという言葉を聞くと、
「待っているんだよ」と言われた約束を思い出してしまう。
いつまで?
とにかく、私から待つのをやめることはできないよね。

圭兄ちゃんのことを本当はもっと聞きたかった。

「そんなんじゃないです。圭兄ちゃんは…」って、
なんて言おうとしたんだろう、私。
素敵とか素敵じゃないとか、考えたことなかった。
気がついたら、好きになってて、どんな人だからとか、関係なかった。

若旦那のおかげでちょっとわかったこと。
素敵な人は、きっと圭兄ちゃんのほかにいくらでもいるっていうこと。
78

引き続き、↓次の回もご覧ください。






想うこと・・・


イケメン若旦那との
縁談話をやり過ごし
確実に
大人の階段を上っている感じの香苗です★


  (7年目)12月3日

お祖父ちゃんが、亡くなりました。
金曜日がお通夜で、土曜日にお葬式。
お祖父ちゃんは、絶対怒らない優しい人で、いつもにこにこ笑っていてくれた。
それだけで、安心だったのに。

お母さんは介護で大変だったと思うけど、
最期までおうちで過ごせたからお祖父ちゃんは幸せだったかな?
やっぱり、悲しくてたくさん泣いてしまった。

でも、泣いているうちに、
お祖父ちゃんのことで泣いてたはずだったのに、
お祖母ちゃんが亡くなった時のこととか思い出して、
なんで泣いているかわからなくなった。

さみしくて、悲しくて、せつないのは、
きっといつも普段からそうで、
お祖父ちゃんのことで、たくさん泣けてありがたかったかも。
普段は泣けないもんね。

お祖母ちゃんが亡くなった時は、
小さくて何もわからなかった。
動かなくなったお祖母ちゃんに触れて、
とても不思議だった。
みんなが泣いているのに、なんだか悲しいこともわからなくて、
お葬式が終わって、家に帰って、
ああ、お祖母ちゃんはいないんだなあ、って。

雪洗屋で、きれいな着物を見ていたら、
お祖母ちゃんと来た時のことが思い出して、
泣いちゃったんだ、あの時。

後は圭兄ちゃんのこととつながっているから、
思い出すのがちょっとつらい。
とても、温かくて、きらきらしている思い出なのに。

なんで、覚えているんだろう。
あんな小さな頃のことなのに。
一生懸命私を元気づけようとしてくれた
圭兄ちゃんの優しさだけは、
忘れたくても忘れることができない。

お兄ちゃんが話してくれた、
ひとつひとつの言葉はもちろん覚えてないけど、
あの時に言われたことで今でも覚えている言葉もある。
泣きたい時には我慢しなくてもいい、ということ。
それから、泣かす子がいたら、僕に言うんだよ、って。

圭兄ちゃんは、約束をいっぱい忘れてしまっているみたいだけど、
私も、お兄ちゃんとの約束をあまり守れていない。

泣きたくても、泣かずにきたし、
泣かされるようなことがあったとしても、
なんでも自分で我慢できるし、
我慢しないほうがいいことは、
自分でぶつかって、解決する。
たとえば、環ちゃんのことだったら、黙っていない。
だって、圭兄ちゃんは側にいないんだし。

想い・・・

79


我慢するほどに
大人になり
大人になるほど
更に辛くなるようにも見えますね。
「雪洗友禅物語」の登場人物と
あらすじは ↓ から
「雪洗友禅物語」登場人物

雪洗 家系図1
作品講評*あらすじ*「雪洗友禅物語」



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プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
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2018年02月15日

33 《雪洗YOU禅物語’18》 人魚姫の日記 <片寄せる波>4  〜香苗・成長篇〜



小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼
ゆきあらいゆうぜんものがたり
草地のハルシオン♪〜


あの藤野貴志の登場です。
さて、香苗とはどんな絡みが
あったのでしょうか…★


  (7年目)4月20日

藤乃で働くようになって、
日舞の日以外は行くようになったから、とても忙しい。

一通り仕事は覚えたけど、
お客様へのおもてなしは、
人相手だから、簡単じゃない。
いいお客さんもいるけれど、中には嫌な人も。

女将さんはとても素敵な人。
私が今まで知っている人の中で、
環ちゃんたちのお母さんはもちろん素敵だけれど、
それと並ぶくらい素敵な人かな。

もちろん、おばあちゃんは別格。
おばあちゃんにかなう人は誰もいないよね。
今でもきれいだし。

仲居さんの間では、若旦那の噂ばかり。
年配の人にも若い人にも人気がある。

この若旦那がなぜなのか私に話し掛けてくるので、困ってしまう。
仲居さんたちの目も怖いし…。
コンサートにも映画にも誘われて、この間は歌舞伎にも…。
行きたくないわけじゃないけれど、
こういうのは断るしかないでしょう。



  5月6日

女将さんから最近、
なんとなく意味深なオーラを感じてたんだけど、
今日は、息子さんの若旦那を、どう思うかって聞かれて、
困ってしまった。

『どうして、私を???』

とまどっていたら、
「考えておいてね」と、言って行ってしまった。
困るんだけどー。

 

  5月7日(翌日)

今度こそ、ちょっと本当に困ったことになったかも。
今日は若旦那が京都に行くと言って話し掛けてきた。
「京都の旅館を研究しに行くんだよ。
何かお土産にほしいものはない?」

京都と聞いて、やっぱり圭兄ちゃんを思い出してしまった。
「京都ですか…」と言うと
「ねえ、何がいい?日舞に必要なものとか」
「京都には知り合いがいるんです」
「へえ」
「私のお兄ちゃんの友達なんだけど、
毎年髪飾りを送ってくれてるんです」
「君の大切な人?」
「…ご想像にお任せします」 

なんとなく、若旦那の気を逸らしたいと思って、
少し思わせ振りのことを言ってしまった。
そういう人がいると思えば、
ちょっと退いてくれるかなって思ったんだけど、
もっと根掘り葉掘りきいてきて。

そして若旦那はとうとう思い掛けないことを言った。
「それは、雪洗屋の息子じゃない?
京都にいるときいたよ。
よし、僕が会ってくるよ、何か彼に伝えることはない?」

ほんと困ってしまった。
若旦那は私が言えば言うほど、
圭兄ちゃんと会うことを決めたようだった。

「ねえ、なんて伝える?」て、また聞くので
「…何も。元気にしているかわかればいいです」と言っておいた。

圭兄ちゃんの名前が出た以上、今度は関係を否定しておかなければと、
また必死で弁明したけど、それもよかったかどうか。

若旦那は一体何を考えているのか。
はっきり私の気持ちを言って、断った方がいいと思う。
明日、女将さんに話すつもり。
その前におばあちゃんに会っておかなければ。短大の前に朝寄って話そう。
75

京都篇、6章の場面につながるわけですね。
さて、若旦那こと藤野は
本当に何を考えているのでしょうか。
引き続き、↓次の回もご覧ください。






この想い


若旦那、藤野は
普通なら揺れるような
よい男のようですが、
なんとか断るつもりの香苗です★


  5月8日(翌日)

 おばあちゃんに会って話した。
「あんたは、どうしようと思っているんだね」
「はっきり断った方がいいと思うの。
仕事もやりづらいし。
今は一生懸命仲居の仕事をやりたいだけで。
若女将の座なんてねらってもいないのに、色々噂されるし」
「藤乃の若旦那は女将に似て、いい男前だろう。
私もいい話だと思うがね」
「おばあちゃん!」って叫んでしまった。

なんでそんなことを言うんだろう。
今思うとからかわれていただけのような気がする。
まじめに相談しているのに・・・。

女将さんにはやはり思い切って話すことにした。

私が口を開く前に女将さんが言った。
「この間の話、考えてくれた?
あなたはまだ学生さんだけど、
卒業してからもここに残ってくれたらいいなと思っているの。
若女将のための訓練だと思って。
あなたならできるわ。
そうしたら、私はあなたに
藤乃を自由に仕切ってもらいたいって思っているの」

女将さんが色々言ってくれる言葉は、
夢のように有り難い言葉なんだろうけど、はっきり断った。

だって、私は藤乃の女将になりたくて、来たんじゃない。
おばあちゃんに言われて、
私の身に付けるものがあると思ったから。
ただそれだけ。

女将さんは色んなことを言って、
私に考え直すように勧めたけど、
こればっかりは、どうしようもない。

「藤乃はとっても素敵な旅館だし、
若旦那もとても素敵な人です。
もっと、ふさわしい人がいるはずです。
私には無理なんです。ごめんなさい。
どう言われても、考えることができません」

必死でお断りしていたら、女将さんが言った。

「もしかしたら、決まったお相手がいるの?
約束した人とか」

こういうこともきかれると覚悟しておけばよかったのに、
私は予期していなくて、
どう答えたらいいかわからなかった。

約束って、人に言えるものは何もない。
圭兄ちゃんとの約束は、約束だって人が認めてくれるとは思えなかった。
どちらにしても、このことは誰にも踏み込まれたくない。
何も言えなくて黙っていたら、涙が出てきてしまった。

「好きな人がいるのね」と女将さんは言って、
それ以上は何もきいてこなかった。
この話はなかったことにして、
今まで通り仲居として頑張ってほしいと言われた。
心からほっとした。
77

なんとか、女将からの誘いは
クリヤできたようです。
さて、何を考えているのかつかめない藤野は
京都に行きましたが
果たしてあきらめてくれたのでしょうか。。。
「雪洗友禅物語」の登場人物と
あらすじは ↓ から
「雪洗友禅物語」登場人物

雪洗 家系図1
作品講評*あらすじ*「雪洗友禅物語」



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2018年02月14日

32 《雪洗YOU禅物語’18》 人魚姫の日記 <片寄せる波>3  〜香苗・成長篇〜



小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼
ゆきあらいゆうぜんものがたり
秋を惜しむ・・・


圭一の祖母から
行儀見習いを受けるようになり、
ちょっと背筋が伸びたように見える
香苗です。
彼女の思いは…★


  (4年目)5月6日

 おばあちゃんが好きな和歌。

  住ノ江(すみのえ)の岸に寄る波よるさえや
夢の通ひ路(かよいじ)ひとめよくらん


波ってまるで私みたいだ。
寄せても寄せてもまた寄せてしまう思い。
波って、両思いになれない。
片側ばかりに寄せるから。

夢の通い路≠チて何かな、
っておばあちゃんにきくと、
「そういうのがあるのかもね。
会いたい人に夢で会える道さ」

 おばあちゃんは、亡くなった人に会いたいと思うと、
この歌を思い出すんだって。
夢でしか会えないから。 
一昨日の夢には、
圭兄ちゃんが出て来てくれたけど…。



  6月7日

優平兄ちゃんは、秋に結婚することになった。
披露宴には圭兄ちゃんも呼ぶって。
ひさしぶりに、圭兄ちゃんに会える。
何年も会っていない。



  10月4日

結婚式が終わった。
優平兄ちゃんたちは、
とても幸せそうだった。
圭兄ちゃんは来れないとは聞いていたけど、
祝電が来ていた。
もうすぐ、菊舞だけど、
圭兄ちゃんは忙しくてまた来られないだろうか。
 


  10月12日

菊舞の会だった。
圭兄ちゃんから、届いた
かんざしと髪飾りをつけて、今年も踊った。
圭兄ちゃんは来なかったけれど。

なぜか会えない。
会えないのではなくて、
圭兄ちゃんの方で、
わざと会わないのかもしれないと思えるくらい。

もう会いたい、と言えない。
言い過ぎて心がつまってしまったから。

心では何度も圭兄ちゃんと呼ぶ。
会いたいと言う。
心の中ではいつも言っている。

なんだか、亡くなったお祖母ちゃんを呼ぶ時に似ている。
会えないのは、生きてても死んでても同じに寂しくてつらい。

お兄ちゃんと会わないのが
当たり前のようになっても、
お兄ちゃんを探している。

雪洗のお家でも、お店でも、
環ちゃんとおしゃべりする時も。
一番思い出すのは、お兄ちゃんが
よく家に遊びに来た頃のこと。
今は遼くんが使っている部屋で、勉強していた時のこと。
一緒に食事やおやつを食べたこと。
あんなに子供だった時のことなのに、
その会話まで思い出してしまう。

そして、時々堤防に行って、
圭兄ちゃんが優しくしてくれたことを、
言葉のかけらを拾い集めるようにしてしまう。

雪洗屋のショーウインドーを見つめると、
いつも素敵な着物があるのは変わらないけど、
その奥から圭兄ちゃんが笑い掛けてくれることは、
あり得ないってわかっている。

会いに来てくれなければ、
かなはやっぱり待つしかない。
もう一人で会いに行くこともできる。
新幹線にも乗れる。それくらいのお金もなんとかなる。
でも、やっぱり会えないんだと思う。
今は会う時じゃないんだ、と思うしかない。
私はまだ身につけるものが、たくさんあるから。
74

圭一が京都に行ってから4年目も
波は片側に寄せるばかりで
過ぎていきます。
引き続き、↓次の回もご覧ください。






何となく・・♪


京都にいる圭一を
ひたすら待ち
少女から大人の女性に
成長しようとしている香苗です★


  (4年目)10月20日

かなはオシになる。人魚姫のように。

もう、圭兄ちゃんと会いたくても、会いたいと言わない。

もしかして、圭兄ちゃんが
誰か別の人をお嫁さんに連れてきたら(!)、
泡になって消えてしまおう。
もしもそうできるなら。




  《6年目》
  3月28日

木蓮の花が今年も咲いた。 

春はいろんな花があるけれど、
この花が咲くと、なんだか懐かしい気持ちになる。
家から雪洗屋までの間に、
白木蓮の咲く洋風の家と、
紫の木蓮の咲く場所もある。
白木蓮は、とても気品があるし、
紫の木蓮は紫の花びらの裏側の白がとても鮮やかで、
着物の配色を見るようだ。
 



  《七年目》  
  1月13日

綾香のお姉さんが結婚するときいた。
本当のことらしい。
圭兄ちゃんとは、どう考えても結びつかなかったけど、
そう、って感じで、やっぱ心のどこかでホッとした。

ここ数年、環ちゃんの家には
毎日のように行っていることが多くて、
時々聞く圭兄ちゃんのうわさも、
穏やかに聞けるようになった。
圭兄熱が冷めたのかって、遼君に言われるくらい。


  2月2日

環ちゃんのおばあちゃんの紹介で、
藤乃という旅館のバイトをすることにした。
今日は面接に行ってきた。

とっても古いけど、古いというのも、いい意味で。
素敵な伝統のある旅館で、働けるのが楽しみ。

着物を着れるし、もちろん仲居用の化繊の着物だけど。
ずっと着て過ごせるのは、私にとっては、嬉しいこと。
日舞以外は洋服に慣れた生活をしてきたから。
立ち居振る舞いのきれいな女性になりたい。

生け花も、我が家では飾る場所がないけど、お部屋ごとに置くんだって。

おばあちゃんに教えてもらったことを、
実践できるのが嬉しい。
75

これが、圭一が
会うのを避けていた
香苗の思春期でした。
明日は若旦那こと藤野貴志の登場です。
「雪洗友禅物語」の登場人物と
あらすじは ↓ から
「雪洗友禅物語」登場人物

雪洗 家系図1
作品講評*あらすじ*「雪洗友禅物語」



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