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2017年08月18日

2 《時の追いかけっこ》 再会 ・ 胸に住む少女  [THE PAST POST] 



[THE PAST POST]  
▼△時の追いかけっこ△▼

2011.11.30 汐留 イタリア公園 枯葉


少年と少女の出会い、
十年日記、
そして時は流れ…★



Leaves - コピー.jpg再 会



 どうして、あの日、ああまで十年日記にこだわって、お互いに買うことになったのか分からないが、私は、その日記をつけることを楽しみにするようになった。
 十年日記を書いていると、時間の流れの不思議を感じることがある。毎年、同じ季節が来て、同じものを見たとしても、別人になったように全然違った見方をしたり、感心ごとが移り変わっていく自分を確認していく。
 分からないうちに私も変わっていっている。
 また、昨年と同じものを見つけて、それだけでちょっとした感動が起こったりもする。
 それは、まるでタイムマシンで一年前、二年前の自分に会うような感覚だった。
 そうやって、十年が流れるように過ぎていったが、七年目に起こったアメイジングな出来事を契機に、その十年日記は存在価値を発揮することになるのだった。

 十年前の出逢いから数年間は、図書館や、習い事に行く途中のかすみを見かけることがあったのだが、いつ頃からか、見かけなくなっていた。
 そうして、ずっと音信不通だったかすみと再会したのは、私が教育実習で行った母校の高校だった。
 彼女はブラスバンド部に入っていたが、私はそこのOBだった。
 やはりおかっぱではあるが、やや長めに揃えられた髪、また賢そうに輝く瞳は以前と変わらないはずだったが、五、六年の時間は、驚くべき、いたずらな魔法のような作用をすることがある。
 小学生の少女が、溌剌とした女子高生になって目の前に現われたのだ、正直、その時から、彼女が自分の胸にずっと住んでいたのだと、私は気づいていたのだと思う。
 部活のメンバーたちが一人ひとり自己紹介をした時、かすみはその瞳をくりくりさせて、にっこり笑い、「高2の高山かすみです」と言った。
 その瞳も、その声も、笑顔も、名前も、私が一度も忘れることがなかったばかりか、ずっと探していたものだったと気づいて、どこか舞い上がってしまった。
「十年日記、今も書いている?」と、正直訊ねてみたかった。
 だというのに私は、気がつけばまた知らない振りをしていた。あまりに再会が嬉し過ぎて、そんな自分の思いが恥ずかしくて隠したかった。まるで初めて会うように、かすみに接してしまった。
 後悔したが後の祭りだった。私はずっと、そのことを言いそびれたままで、言う機会は実はもう二度となかったのだ。
3

再会、ですが、
すぐには展開しないような…。






2015.01.13 瀬谷市民の森 枯葉一枚


再会したかすみは、
こんな女子高生に★



Leaves - コピー.jpg胸に住む少女



 せっかく出会ったのに、教育実習はあっけなくも過ぎてしまった。
 私はそれまで母校を思い出すこともなかったというのに、急にブラスバンド部のOBの立場に目覚めて、後輩たちを頻繁に応援するようになった。
 そうやってかすみに近づいてみると、彼女はその瞳と同じようにとてもひた向きな少女だった。音楽に関しても、また、学校生活に関しても。

 ある休日の練習日、休憩時間に将来の話になった。かすみは、大学に入ったら、一、二年は休学して海外にボランティアに行きたいのだと言った。
「すごい」という女子部員たちに反して、男子部員は茶化していた。
「そうよね。大人の人でも全然違う意見があったもの」と、かすみは言った。「私ね、世界中の人が幸せになるために、何かできることから始めたいの」
 そこでかすみは、私にも意見を求めた。あのまっすぐな瞳で見つめるように。
「お父さんやお母さんはなんていっているんだ?」
「かすみの親は海外だよね」と、女子の誰かが言った。
「お父さんは、反対はしていないけど、でもね、『世の中は厳しい、お前が思っているような夢のような話しは通じない』って」
「なるほど。お父さんからすれば、心配もあると思うよ」
「中学の時の先生はね、私ができることから、始めたらいいって、言ってくれた。小さいことでも、周りにいるたった一人を幸せにしてあげるように、まず始めることだって。私にだってできることはあるよね?先生はどう思う?」
 かすみの熱い瞳に圧倒されて、反対することなどできなかった。
 私が、今、海外ボランティアで数年を過ごしているのは、この時の会話が誘因となっている。

 私はそうやって高校の一先輩として、かすみとの間に、理由のある関係を見つけた。
 教育実習が始まりだったので、かすみたちからは「先生」と呼ばれた。人は呼ばれることで、自覚が芽生えてくるということもあるのだ、と知った。
 私が教師となってからも、かすみの高校へはできる限り時間を作って行くようにしたが、忙しさに紛れて滅多に出向くことはなかった。
 教師一年目は、とにかく一生懸命にやることが多くて、余裕がなかった。
 かすみが大学生になってからだろう。偶然の出会いがあって、その後徐々に二人で会うようになった。
 私はそうやって、胸に住む少女を育んでいった。
 実際のかすみはもう少女ではなく、私が思いを寄せるのにふさわしい女性になってくれた。
4

こうして、かすみは
彼の胸に住む
忘れられない存在になりました。
明日から、いよいよ
ファンタジーの扉が開きます。



よい一日 よい夢を

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写真は:イタリア公園 枯葉
枯葉一枚
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プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
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posted by kuri-ma at 05:00| Comment(0) | [THE PAST POST] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月17日

1  《時の追いかけっこ》 プロローグ ・ 十年日記   [THE PAST POST] 



[THE PAST POST]  
▼△時の追いかけっこ△▼
2014.10.26 追分市民の森 枯葉


タイム・パラドックスものの
ラブ・ファンタジー
再公開です★


Leaves - コピー.jpg
THE PAST POST
時の追いかけっこ



Leaves - コピー.jpgプロローグ



 そこは、とあるアジアの小さな村だった。日本に当然のようにあるものは、ほとんど何も存在しなかった。
 夢の電化製品、パソコン、ウォシュレットつきの清潔な水洗トイレ、温水と冷水がひねれば出てくる水道や、使いやすい台所。お湯を満たした風呂。ふかふかな布団もなかった。
 幸い温暖な気候だったので、日本から持っていった寝袋が結構重宝した。
 何かの歌にあったが、きれいな空気、満天の星空、人々の笑顔は、日本よりも簡単に得られて当たり前のようにそこにあった。

 そんな異国の地にあっても、今も私の心は、ある人のことで満たされていた。
 私の胸には、ずっと彼女が住んでいる。
 かすみ。名前を呟くだけで辛かった。
 少女の面影を残しつつも、美しく成長した彼女への愛を確信するようになった矢先、永遠に失うことになった。
 そんな今でも、私の胸には彼女が住んでいる。痛みと喪失感と共に。きっと、一生忘れることができないだろう。

 かすみを失ったショックのせいで、こちらに来てからも、ついこの間まで、初めて会ってからの十年余りをも根こそぎ失くしたような気がしていたのだが、今になって静かに思い起こしてみると、私には大切なものは他にもたくさんあったのだった。
 家族もそうだし、学校の生徒たちや同僚の教師たちとの関わりもそうだった。
 そして、もう一人、誰にも知られていない少女との不思議な関係は、今考えてみれば、三年という長いとも短いともいえない期間だったが、忘れてはいけないものだった。
 私と彼女との関係は誰も知らなかった。それは、不思議すぎるアメイジングな体験だったので、誰も信じてくれないにちがいなかったから、あえて誰にも話したことはなかった。
 中学生の少女、澄子からの手紙を初めてもらったのは、私が中学の教師になった年の春だった。
 澄子は過去の少女だった。きっちり五年前の世界に彼女は生きていた。
 ありえない私たちの手紙のやり取りは、いつしか当たり前の日常になっていた。貴重な関係だというのに、忘れていたのだ。
 今更ながらに思い出してみると、私は澄子からいつも元気をもらい、笑顔にしてもらっていた。
 この五年、澄子の存在を無視して生きてきた。それほどまでに、私は自分を見失っていた。今、はたと気づくまで、かすみのことにとらわれて何も見えなくなっていたのだ。
1

若い男性教師、
その胸に住むという女性、
そして5年前の少女、澄子。
メインは出揃いました。
タイム・トラベル物といっても
時間旅行するのは、この物語では
手紙だけです。

「何かの歌」というのは、さだまさしさんの
「風に立つライオン」を
イメージしました。
この記事の最後に動画を添付
↓歌詞などはこちらから
http://kuri-ma.seesaa.net/article/418421778.html


引き続き次のお話も、お楽しみください↓






2009.11.08 和泉川 さくら


彼とかすみの出会いです★



Leaves - コピー.jpg十年日記



 初めてかすみに会ったのは、私が中3の、冬休み間近の頃だった。
 受験を控えた私は本屋にいた。ふと日記のコーナーで十年日記を見つけた。
 そして、一人の少女を見つけたのだ。
 彼女はほんの小さな女の子だった。髪をおかっぱに切りそろえているのが、清潔感と聡さと意志の強さのようなものを感じさせて、彼女にとてもよく似合っていた。
 どうして話し掛けたのか、今考えても不思議だ。
 気がついたら、熱心に十年日記を勧めていた。
「君は何歳?」
「十歳」
「ちょうどいい。十歳って二分の一成人式があるだろ。十歳から二十歳までの十年といえば、人生でも一番、貴重な時だ」
 それは、中学の教師に言われたばかりの受け売りだったが、話しながらその通りだと思った。
 それにしても、中学生の自分にとっても、十年日記は高価な買い物だった。幸い問題集などを購入するため、まとまったお金を持っていたので、なんとか購入することができた。
 買ってから戻ると、小4のかすみは、再び十年日記の場所にいた。
「もしかして、お金が足りないよね」
「お年玉が残っているからお金はあるけど、この本を買わなければいけないから」
 それは県の冬休み課題図書と銘打ってあった。その時、私は名案を思いついた。彼女に十年日記を買わせ、図書館に連れて行き、購入予定だった本を借りて、手渡した。
 私のカードで本を借りたので、念のため彼女の名前をきいた。
 中央小の4年1組、高山(たかやま)かすみ。
 彼女は、十年日記とその本を大事そうに胸に抱くようにしながら、にこっと笑ってお礼を言った。それが彼女との出会いだった。

 問題集のお釣りを母に請求され、かすみの言葉を思い出した。かすみと違いお年玉は残っていなかったので、来年のお年玉で返すからと、なんとかその場を乗り切った。
 借りた本は期限通りに返却されたらしく、彼女との接点はその後なかった。
 実は時折、その日を契機に図書館を利用するようになったらしいかすみを、偶然見かけることがあった。私は反射的に身を隠して、彼女に見つからないようにした。なぜなのかはわからないが、面と向かって会うのが照れくさかったのだ。
2

小4のかすみと中3の彼、
5歳差の出会いです。
目次・小説と登場人物の紹介は こちら から


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2017年08月16日

(詩) 八月、はじめて愛を知りました 2017



初恋のはかなさと
永遠の愛の違いはなんでしょうか。
夜空に花開く花火は
どんなに美しくても消えてしまいますが、
いつまでも火種が残り
なんどでも打ち上げることができ
心に思い描くことができるとしたら、
誰が消そうとしても消すことはできません。
それが永遠の愛です★

霧の中の花火 (2)



「 八月、はじめて愛を知りました 」



初めて 自分の足で歩いた
初めて 君に出会い
初めて 
歯がゆいくらいに 無力な自分を知った
初めて 愛を知ったのだ


橋を掛けたい
はぐれそうな君の心目指して
橋を掛けたい
離ればなれだった昨日を 過去にしてしまうため


初めて 話し掛けた時
はにかんだように答えてくれた
初めて 好きだと告げて
はち切れそうな思いで 君の答えを待った
初めて 愛を知りました


離れたくない いつまでも
放さない 何があっても


反射した月を見ているよう
はかない命をすくって
果てない思い 夢の欠けら
花びらを 集めるようにそっと…


はっきり覚えている
走り寄って 君をこの手で抱き締めたこと


初めて 愛を感じた日



八月の「は」の頭韻です。
小説「三月さくら」の一朗の物語の後半、
「八月、初めて愛を知りました」の
タイトル詩になっています。

初めて愛する人を得た時の喜び
その時の感動を留めておくことのできない
流れ去ってしまう 時の非情さ…。
でも それでも
愛した喜びに勝るものはなかったようです。




よいい一日 よい夢を

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「季節の詩 愛の詩2017」一覧

posted by kuri-ma at 05:00| Comment(0) | ★季節の詩 愛の詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする