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2016年07月29日

〈終〉22《碧斗&未来》 九月、孔雀の羽が広がる瞬間(9) +α 【三月さくらZ-1】

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小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
夏、秋の厳選としてお送りした
「碧斗と未来の物語」
〆の回となりました。
今日は、孔雀の羽が広がる瞬間の
最終話と共に、他の章からも
碧斗と未来の消息を追ってみました。
数十年後のお話もどうぞ。

2009.09.05 浜離宮 花畑


今日は、最終話!
そして、ひと波乱…★


 婚約発表の晩、碧斗はアメリカに戻っていた志道に国際電話を掛けた。
「志道兄、よくもあんな風に俺たちをさらし者にしてくれたよね。志道兄と違って、人目が気になるんだ、普通は」
「僕たちが見て、とても感動したので、あれを見た人は二人の味方になると確信したんですよ。もう、碧斗を悪く言う人はいないでしょう」
「もうとにかく、疲労困ぱいなんだ。みんなに注目されるのは慣れてないから」
「五年前に、あなたが僕たち兄弟姉妹を人目にさらしたんだから、そのお返しです」
「冗談きついよ。社員の前だけで勘弁してよ。ネットには流さないでくれよ」
「僕は日本にいないし、初樹に任せてるんですが」
「初樹にも念を押したんだけど、志道兄が責任者だって言ってたよ」
「そうですか?僕は関知出来ないんだけどなぁ。でも、堂々と未来と並んでいられるようになってよかったですね」
「まぁ、そうだけど」
「碧斗は声がいいですよね。それに、未来と並んでいるのを見ても、風格があるというか」
「何か見てるの?」
「ネットで流れてますよ」
「!!」
「海外の支社にも中継してたんでしょう。そこから漏れたんじゃないですか?一応、今からでも止めますか?」
「当然だよ!!一体何が流れてるの?!」碧斗は動揺して言った。
 一方、志道は落ち着いて言った。「今日の婚約披露での場面でしょう。会長やあなたのスピーチと、未来と歌を歌っていたり。未来は音痴というイメージが付いてしまってますが、結構うまいですよね。あなたの声もよく通るし。それから、僕たちが送ったVTRは丸ごと入ってますね」
「ていうことは…?」
「あなたと未来の、愛の会話とラブシーンの」
「なんていうことだよ」碧斗は目に手を当てた。
「参考までにそちらに送っておきますよ」
 ネットで流れた映像は、すぐにストップしたものの、少しでも流れた以上、もう、どうしようもなかった。
 ただ、当人たちが気にするほど、幸せな恋人たちの様子は、人から奇異に映るものでもなく、単に微笑ましく受け止められた。中には三和産業のイメージアップのためのものだろうという冷めた意見もあったが、二人に敵対するものにまではならなかった。

 碧斗が未来と家庭を持つ時には、亡くなった未来の曾祖父母の屋敷を改装して住んだらいいと言われていた。そこは未来の母、陽子が生まれ育った家──会長の孝司の家──と、同じ敷地の中にあった。
 父、治郎が陽子を訪ねて三和家に出入りしていた頃、よく散歩した庭は、今でもよく手入れされて、気持ちの良い場所になっている。曾祖父母の屋敷は、その広い庭を共有して立っていた。
 若い二人が庭を散歩する姿を、孝司は妻と共に庭に面したリビングから見ていた。
 願いを成就したのは、実は彼だったから、その顔に満足げな笑みがあるのは不思議なことではなかった。賢い男だったので、喜びを大げさに表すことはなかったが。
 秋はこれから深まろうとしていた。庭の木も、この後一気に色づいてくるのだろう。
 二人は、その庭を越えて、曾祖父母の屋敷の向こう側にまでやって来た。
 思いがけずそこには秋桜(コスモス)の群れがあった。穏やかな日差しは、風にそよぐ花たちと、そして二人にも、平等に降り注ぐように照らしていた。


「九月、孔雀の羽が広がる瞬間」完


引き続き、↓次の回もご覧ください。






2011.09.17 和泉川 散歩道にコスモス


碧斗と未来の物語、
いかがだったでしょうか。
次に碧斗と未来が登場するのは
ずっと後、若い頃の話を未来が姪っ子に語る
場面となります。
碧斗は、社長夫人となった未来の話の中だけの登場ですが。
今日はおまけで
その場面を抜粋しましょう。
未来と、姪のみちとの会話です。



第Z部 涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング)


   
第三章 〜夏の忘れ形見〜さちの娘みち


(第3話より)
 未来叔母は優しく笑って言った。「私たちのことは、お祖父ちゃんお祖母ちゃんも亡くなった曾お祖父様もみんな喜んでくれたの。でも、一番嬉しかったのは私。付き合い始めた時も、結婚が決まった時も、嬉しくて仕方なかった」
「叔母さんは、三和の会社のために犠牲になったのかなって。私たちは違うけど、普通みんな恋愛結婚が多いじゃない?」
「私たちも恋愛結婚よ。でも、お見合い結婚ともいえるか」
「どんな風に出逢ったの?あ、でも叔父さんは“星の家”の人だもんね」
「社長になった彼も立派だけど、学生時代、“星の家”でチーフしていた彼も、素敵だったわ。私たちは生まれる前からの知り合いよ。母のお腹にいた時に、母同士がお喋りをしたり、兄姉たちが仲良く遊んでいたり、そんな中で私たちは生まれた。小さい頃は喧嘩ばかりしていた」
「ふーん。なんか素敵よね」
「みちにも、素敵な相手がいるはず。もう、現れているかも」と、未来は言った。
「だって、叔父さんや叔母さんが決めた相手と結婚するんでしょ、どうせ」
「それって、嫌?」
「それが一番いいのかなぁ?運命の人っていないのかな?私にも、ある日そんな人が現れたりとか」
「ふーん、みちはそんなこと考えてるのね。でもね、運命っていいものばかりじゃないわ。あなたのパパが亡くなったのも運命でしょう?運命の人って、自分で探し出せるものではないわ」
「じゃあ、待ってたらいいの?」
「そうね。ただ待ってるだけじゃなくて、やるだけのことをやって。運命って自分で切り開くものもあると思うのよ。でもね、大半はただもらうものかなって。私たち夫婦だって、親同士の繋がりがなかったら、出逢うことはなかったんだし、出会いがすべての始まりでしょ。とってもありがたいことだと思ってる」
「大兄(だいにい)と、桜ちゃんもそうよね」
 空の長男大地と、星の家≠フ桃の娘、桜も三家の交わりから生まれたカップルだった。
「あなたには、どんな出会いがあるかわからないけど、叔父さんたちの薦める相手が却って運命の人かもしれないわ。ご縁がないと出会えないんだから」
「うん。わかったような気がする。私も嫌なわけじゃないの。志幸兄さんも幸せそうだし、よかったと思ってる。ただ、私の人生が拘束されるような気がしただけ」
「みんな、あなたの幸せを願ってるのよ。私はね、学生の頃、親兄姉に反抗して拗ねてた時期があったのね」
「叔母さんが?!」
 未来はその頃の話をひとしきりすると、みちは、碧斗と付き合うようになった経緯をもっと聞きたがった。
 みちは、自分でも求めるものが何かわからなかった。未来が、碧斗と付き合い始めるまで、自分のことがよくわからなかった、と言った言葉に共感した。
「わからなくて、当然よ。あなたのパパも、ピアニストデビューしたのは、二十八くらいじゃないかしら。音楽はやらないの?」
「麗美叔母さんにも言われた。したくないわけじゃないんだけど。歌手や女優の誘いもあるの」
「そうでしょう。私でさえ、大学四年でCMが売れた時に誘われたもの。モデルとかね」
「叔母さんは、やらなかったんでしょ」
「私はそれまで歌も演技も勉強していなかったし、可愛いだけでお芝居やモデルは務まらないと思ったの。三和に入ってくれた碧斗を支えたかったから、これでよかったと思ってるわ」
「女って、やっぱり好きな人に合わせて生きるべきなのかな?」
「あなたのママは、ずっと仕事を続けているじゃない」
「うん。パパがそうしろって言ったんだって」
「お互いに生き方を尊重していたんじゃない?いい夫婦だったわよね。私はあなたのパパとママを尊敬しているわ」未来はしっかりと、みちの胸に残るような話が出来たようだった。
「あなたが何を選びたいかが問題よ。いずれこの人と一緒に生きたい、という人が現れた時に、その人に相応しいものを、あなたが備えているか。
 私とあなたはまた違うわ。今のあなたなら、その才能をどこまでも伸ばしていけるわ」

これにて「碧斗と未来の物語」は
おしまいとなります。
どうもありがとうございました。

明日からは、今日の記事で一部紹介した
未来たちの姪っ子がヒロインとなる
恒例の夏の物語を再公開します
登場人物の確認は
家系図をどうぞ。 
三和家の家系図も参考にどうぞ
  「三月さくら」シリーズ前後のお話は こちらから。



よい一日 よい夢を

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写真は:上 浜離宮 花畑
下 散歩道にコスモス
by (C)ひでわくさん
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2016年07月28日

21《碧斗&未来》 九月、孔雀の羽が広がる瞬間(8) 【三月さくらZ-1】

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小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
白の影に。.jpg


碧斗と未来の
婚約パーティーでのインタビュー、
一挙公開!!★


 その晩、碧斗は蒔原家の自分の部屋でくつろいでいた。三和家に籍は入ったが、生活は以前と変わらず、新生活は結婚後になる予定だった。
 今日の婚約披露パーティーでの、気持ちのよい疲労が彼を包んでいた。その顔には微笑が浮かんでいた。
 未来と並んでいられたことは、照れ臭くて仕方がなかったが、やはり嬉しかった。今まで、あんなふうに一緒にいられたことがなかったから、公認されたことのが夢のようだった。
 インタビューで訊かれたひとつひとつのことも、二人で顔を見合わせながら、答えていくのはどこか快感が伴うものだった。会場の人たちが、皆自分たちを受け入れてくれている雰囲気が、有難くて、幸福だと感じた。


── お二人の馴れ初めを教えてください。
碧斗: 馴れ初めですか?
── 初めて会ったのは?
(二人は顔を見合わせた。)
碧斗: それは生まれる前からだよね。
未来: 私たちは生まれる前から家族ぐるみの付き合いをしていて、同い年ですから、母のお腹の中にいる頃からだから、初めて会った時のことは、覚えていないんです。
── 交際を始めたきっかけは?
碧斗: 彼女のお見合いパーティーに、ピンチヒッターで送られて、瓢箪(ひょうたん)から駒というか…。
未来: それで彼の実家のカフェでアルバイトをするようになって、親しくなりました。
── いつ頃ですか?
碧斗: 大学四年の夏休みでした
── お二人のお付き合いは、社内でも全く知られてなかったですよね?
碧斗: 特に社内では彼女の顔は知られてますから、苦労しました。
── どんなところが一番苦労されましたか?
碧斗: 苦労というか…。あんまり頻繁に会えなかったから、それが一番辛かったし、彼女にも寂しい思いをさせたと思います。
── 今のお気持ちは?
碧斗: …
── (顔を覗き込むようにして)いかがですか?
碧斗: 嬉しいですよ。
── 未来さんはいかがですか?
未来: 嬉しいです。
── 先程のプロフィールによると、専務は高校野球をされていたとか。ポジションは?
碧斗: エースで4番とかだったら、かっこいいんですがね…。中学ではピッチャーだったんですが、高校ではセンターで打順も6、7番、地味な選手でしたよ。チームも地方予選の準々決勝止まりで。
── 未来さんはチアガールだったとか。
未来: そうですけど、…どうしてそれを?
── ビデオレターと一緒に、メモが添えられていまして、お兄さんからの。
未来: …兄が…。志道ですか?(軽くため息をついて、諦めたように。)はい、私も彼を応援に行きました。隣の高校だったので、学校上げて連携して応援したんです。彼のプレイはなかなかでしたよ。
── 高校以来、野球はされていないんですか?
碧斗: ずいぶん長い間やってないですね。
── どうでしょう。三和の野球チームを作られたら。
碧斗: いいですねぇ。草野球くらいなら。時間が取れるかなぁ。
15

引き続き、↓次の回もご覧ください。






薄紅の。


いろんな話が飛び出す
インタビューの続きから★


── 他にも提案があるんですよ。社員食堂にもおられましたね。得意なメニューがあるとか。
碧斗: 実家のカフェで出しているメニューは全部作れますよ。
── オムライスとか
碧斗: はい。コーヒーも得意ですよ。カプチーノなんかも。機会があればいれましょうか。
── いいですねぇ。専務のメニューとして加えて限定販売とかしたらいいですね。専務の入れるコーヒー、飲んでみたいですね。
(会場からも賛同の声があがる。)
── 未来さんのご兄弟のCMも好調ですね。あの、例の動画ですが、撮影していることはお二人は知らなかったんですか?
未来: 知らなかったですよ。
碧斗: 隠し撮りです。役者じゃあるまいし、知っててできないですよ。名誉毀損ものです(笑)。
── 未来さんのご兄弟ですか、訴えるとしたら?
碧斗: ええ。いろいろ個人的にも借りがあるし、みな会長の孫ですから、訴えようがないですが(笑)。
── 志道さんと麗美さんは、今度の創立記念日にコンサートをしてくださることになっているんです。才能豊かなご兄弟ですね。皆さん、ピアノをやっているとか。
未来: 私は小学校で止めてしまいました。才能はないようです。
── 先程の歌もお上手でしたよ。女優さんのお誘いがあるとか。
未来: あったとしてもお断りします。私には三和のCMだけで十分です。
── 二番目のお兄さんも社内では人気なんですよ。どんな方か教えて頂けませんか?
未来: 空兄と私たちは呼んでるんですが、「笑顔の達人」です。兄の指導の元で笑顔をマスターした人もいるんですよ。
── 確かに素敵な笑顔ですね。
碧斗: 彼の笑顔は作り物ではないんです。本物のスマイルのための法則があるということですが、参考になりますよ。
── 私たちも聞ける内容でしょうか。
碧斗: 彼はとても気さくな人ですから、きっといくらでも話してくれますよ。笑顔講座でもしてもらったらいいかもしれません。

 インタビューは彼らのことから未来の兄弟のことにまで発展して、キリがないくらいに和やかに進行していった。
 インタビューの中で言われていた空の「笑顔講座」は、本人が大乗り気で即座に定期的に行われるようになり、見た目の爽やかさと違うおしゃべりが、ギャップがあって面白いと言われるようになる。
 また碧斗の「専務の限定二十個オムライスの日」「専務の特製カプチーノ」は後に好評を博し、草野球チームも検討されるようになるのだが、それは空の講座と共に、まだ一連の騒動に終結が見られてから後の話だった。
16

いよいよ、明日は最終話
なのですが、また一波乱…?!
明日をお楽しみに。
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2016年07月27日

20《碧斗&未来》 九月、孔雀の羽が広がる瞬間(7) 【三月さくらZ-1】

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小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
2010.10.03 追分市民の森 コスモス.jpg


碧斗と未来が壇上に。
お待たせしました
さぁ、婚約発表の瞬間です★


「では未来こちらに…」会長、三和孝司がいよいよ未来の名を呼んだ。そして、司会者にマイクを返した。未来はゆっくり壇上に上がった。
 先程から、婚約者らしき人の姿もなく、その件に関しては何も知らされていないので内心気にしていた司会者は、未来が渡した紙を開いて、一目見て一瞬明らかに驚いたのだろう、間を置いてから、また口を開いた
 ゆっくりと碧斗の名前が呼ばれた。
 ざわめきの後、大きな拍手が起こった。
 未来が用意した碧斗の経歴紹介が読み上げられ、また孝司がマイクを持った。
「この二人を皆さんは祝福してくださいますか?」
 再び大きな拍手が起こった。
「元々、二人が今日このように、是非社員の前で婚約を発表したいと、この日の計画を立てていたのです。当然、彼の三和家への養子縁組も、この席で同時に発表するつもりだったのに、順番が狂ったところが、今回の騒動に繋がったというわけです。この二人が対立関係にあったのでなく、これが真相です。これから協力して三和を盛り立てていってくれることでしょう。私は大いに期待している。皆さんも期待してやってください。
 そもそも、碧斗君は私が惚れ込んで強引に我が社に引き入れたのですが、この五年余り、もう六年近くの間、先程の紹介では言い尽くせなかったが、彼を鍛えに鍛えてきました。苦労も多かったと思います。今日このように全社員の前で、彼と孫娘を並んで紹介出来るのは、本当に喜びです。
 全国の支社に彼を平として派遣したのは、私の代身となってもらうためでした。彼にそれを伝えたのではなかったのですが、実に素晴らしくその使命を果たしてくれました。…云々」
 話の途中から、碧斗の目は潤み始めていた。会長の口から、自分のことを評価する言葉を聞くことになるとは、予想もしていなかったのだ。
 続いて社長が祝辞を述べ、未来は一言感謝の思いを述べただけだった。
 そして、碧斗が促されて中央に立った。
「これが、逆玉で婚約した男です」碧斗は言った。目は潤んでいたが、先程のような緊張はなくなり、心が解き放たれたようだった。
「温かい拍手を受けて、なんか本当にいいのかなと、まだ信じられないような気持ちです。この日を皆さんと共に迎えられてとても嬉しいです。感無量です。本当にありがとうございます。
 でも皆さん、逆玉というのは簡単には得られませんね。私は今日会長の口から、初めて私自身を肯定してくれる言葉を聞きました。
 会長も、私を鍛えに鍛えたとおっしゃっていましたが、そんな生半可なものではありませんでした。あれは、しごき≠ニいうべきか、捉えようによってはいじめ∴ネ外の何ものでもありませんでした。まさに、生きてこの場に立てた、という感じです」そう言いながら、彼はにっこり笑った。
13

逆玉というのは簡単ではありません。
きっと、「玉の輿」というのは
それほど座り心地はよくないものなのかも…。
引き続き、↓次の回もご覧ください。






いやぁ〜ん。


碧斗と未来の婚約が
公となりました。
さて、思い掛けないサプライズが…★


「私は運動部出身ですし、根が楽天的というか、ひょうひょうとしているとも、よく言われるのですが、会長のことを尊敬していますし、私のことを信頼してくれているんだなぁと思い込むようにして、与えられた環境で、なんとかやってきました…」
 碧斗の挨拶は、さわやかな好印象を会場の人々に残したようだった。いつの間にか、全員を自分たちの味方に付けていた。

 乾杯の後は、パーティーがいよいよ始まったが、碧斗と未来は飲食を楽しむ余裕はなかった。会場を軽く一巡しただけで、すぐに壇上に引き戻され、インタビューを受けたり、歌を歌わされたり…。
 立てられた司会者は、こういう場で盛り上げるのを得意としているようで、会長が降りた舞台で、先程までの緊張が解かれ、水を得た魚のように活き活きと本領を発揮していた。
 そして、会場の前半分が暗くなり、舞台にはいきなり大スクリーンが現われ、そこにインターネットで流していた二人の会話のシーンが映し出された。碧斗の台詞の部分が字幕になっているものだ。
 司会者が、碧斗に尋ねた。
「あの噂のお相手は、専務だということになりますね?」
 照れたように碧斗は言った。「そうですよ。こういうの今流さないで下さいよ。打ち合わせにないですよ」
「今日のことは、打ち合わせにないことばかりですよ。司会者の私にとっても。
 本当に字幕通りのことを言われたんですか?」
「はい、そうですよ」碧斗は更に照れながら言った。
 司会者は、急に大きな声で言った。「では、確認してみましょうか。さぁ、VTRどうぞ」
 CMになったフィルムとは、別アングルで碧斗の姿が映し出され、彼の声が言った。
「愛してるよ」
 会場が一斉に沸いた。
 碧斗と未来は隠れる所もなく、プロジェクターのため会場がほの暗くなっているのは、まだ救われる思いだった。
 スクリーンには碧斗が未来を抱き締めるシーンが映し出されていた。
「一体、何台のカメラで撮ったんだ?」と、碧斗が呟いた。
 さて、画面はそのまま未来の兄姉たちが入って来て、一人ずつ、メッセージを語った。
 そして、三人がそろって言った。「碧斗、未来。婚約おめでとう」
 バックに流れる曲は、“星の家”ファミリーなら誰でも知っている、治郎作曲の「告白」という曲だった。その曲の終わりと共に、映像は終わっていた。
 会場が明るくなり、司会者が再びマイクを取った。「これは、丹野家の未来さんのご兄弟からの、お二人と、三和産業の皆さんへのプレゼントです、ということです。丹野志道さん、空さん、麗美さん、ありがとうございました。そして、新専務になられた碧斗さん、そして未来さん、仲睦まじいお姿をありがとうございました。ご馳走さま。
 この映像は、私たち三和に関わる者の大きな力になりました。そして、私たちは、心からお二人を祝福したいと思います」
14

碧斗、未来、おめでとうございます
ひやかされるのも、幸せなこと。
こういう機会は
いつもあるわけではありません。
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