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2018年07月21日

37 プロポーズ・シーズン再び(歴史は繰り返す)2 〜引き出しの秘密  (眠り姫と眠り王子‘18) 【三月さくらY-5・1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
1660232薔薇と音譜と.jpg


作曲家、音楽家として絶好調の志道。
その秘密はもちろん…★


 ちょうど、夜勤明けの時間に間に合った。こうして迎えに来るというそんな些細なことが、志道の単純な願いの一つだった。当たり前の、日常のひとこまを共に過ごせることが、喜びだった。
 病院の駐車場にある顔馴染みの銀杏の木は、新しい芽を吹いて志道を迎えた。その樹に手を触れていると、いつか、彼女と会うのも最後だと断腸の思いでその場に立ったことを思い出した。
 どれだけ変わってしまったか、志道は自らを思い返していた。もう捨てることができない大切なものを持ってしまったのだ。以前の自分には戻れないし、戻るつもりもなかった。
 さちが通用口から出てくると、志道は笑顔で手を挙げた。彼女が彼を見てどのような顔をするのかというと、やはりこの上もなく嬉しそうに駆け寄ってきた。
 車で丹野家までは10分も掛からない距離にあった。さちが、うとうとするかしないかで着いてしまう。
「疲れてるでしょうが、聴いてほしいものがあるんですよ」と、志道は得意げに言った。
「えっ、また曲が?」
「出来立てのホヤホヤですよ。やっぱりあなたは僕にとって、特別です。創作のインスピレーションを連れてくるんですよ。あなたにちょっと会っただけで、閃きまくってしまいました」
 志道は、その作ったばかりの曲を、居間でさちに聴かせていた。音楽一家のこと、すぐに家中の者が集まってきた。
「子犬のワルツを思わせるような可愛い曲だよね、ワルツではないけど」と、空が言うと、
「ええ、とっても可愛いわ」と陽子も言った。
「さちさんに真っ先に聴かせるには、それなりの意味があるんだろ?」と、治郎が言った。
「はい、もちろん」と、志道が言うのを、「さちさんは、兄貴の創作の源泉なんだもんね」と、空が更に持ち上げていく。
「ほぉ」と、治郎も嬉しそうだった。
 さちは恥ずかしそうにして「作ったのも弾いたのも志道さんだから」と、言った。
「そうだ。志道はすごいよ」と、治郎が言った。「でも、君がいなければ、治郎も作れなかった。曲というのは不思議でね、その本人が作るというより、何か曲になるイメージなり、何かのきっかけが必要なんだ。インスピレーションというのは、何かから与えられるものだからね。君という刺激がなければ、志道もそうそう曲を作れないはずだ。
 志道一人では、曲も作れないし、それに、幸せになることも出来ないってことさ」
「その通りですよ。皆でさちさんを大切にしてあげてくださいね」と、志道は言うと、家族の一人ひとりを信頼の瞳で見つめた。


 和気藹々とした朝食を囲んだ後、さちはシャワーを浴びて休んだ。
 その間、志道は治郎と居間で話をしていた。最初は音楽の話だったが、治郎はようやく気になっていたことを話し始めた。
「志道、さちさんのことはどうするつもりなんだ?お前の仕事が一段落するまで様子を見ていたが。結婚するつもりなんだろう?」
「父さんはどうなんですか?許してくれるなら…」
「母さんはずっとそのつもりだし、家に寝泊りさせているんだからね。お前の留守中は問題なかったが、ずっとそういうわけにはいかないんじゃないか?父さんもいい娘さんだと思っているよ。しっかりしているし、明るいしね。お前がどれだけ大切に思っているかもわかっている。どうなんだ?」
「結婚は、最初の時点から考えてます。それが自然だと思うんです」

丹波野家でのシーン、
家族が集まってきますが、
麗美はおそらく仕事で不在、という設定です。
未来には台詞を与えていないのですが、
それとも朝寝坊で起きてきてなかったか…。

とうとう「結婚」の二文字が。
好調な志道の道を遮るものは
何もないはずですが…。






ピンクのモーツァルト。


父、治郎から出た「結婚」の言葉。
志道もその気のようです…★


「じゃあ、もうそろそろけじめを付けた方がいいんじゃないか?さちさんの家にも行ってないんだろ?」と、治郎は言った。
「ええ、まだ」と、志道は答えた。
「二人の間では、そういう話はしてないのか?」
「いえ、まだ」
「じゃあ、プロポーズして、両親に挨拶に行ってだな」
「…プロポーズ…挨拶」
「そうだよ」治郎が、自らが妻に求婚した時の話を延々としているのも上の空で聞きながら、志道は二つの言葉を、顔を赤らめながら何度も呟いていた。
 それまでも、意識しないわけではなかったプロポーズだったが、二つペアの単語が来た時、彼の海馬のどこかが反応し始めるようなのだった。
 母がやって来て、「志道も疲れているんだから…」と言ってくれて、ようやく父から解放された志道だったが、シャワーを浴び、休む支度をしている間も、プロポーズ≠ニ挨拶≠ニいう言葉が頭を離れないのだった。
 眠るために二階に行くと、どうしても恋人の顔を見たい思いに勝てず、休んでいる部屋のドアをそっと開けた。しばらく志道は、さちの寝顔を見ながら床に跪いていたが、案の定、ベッドに頭をもたげて眠ってしまった。
 数時間後、熟睡した志道の体をめぐって、二人の女性が格闘を繰り広げていた。男性たちも仕事に行ってしまっていたので、陽子とさちが、なんとかベッドに寝かせるしかなかった。決して華奢ではない、どちらかというと大柄な志道の体を、動かすのは簡単ではなかった。
 その時、志道が寝言を言ったとしたら、あの二言に違いなかった。その言葉を母親や恋人が聞いたかどうかはわからないが、誰もいなくなった部屋で、呟かれていたことは確かだった。


 志道がずっと気にしているにも関わらず、“プロポーズ”と“挨拶”については、なかなか進行しなかった。
 まず、志道が相談した相手が悪かった。
 星矢のことを、志道は年長者として頼りにしていたし、彼に後押ししてもらいたいくらいの思いがあったのだが、彼はその父と同様にプロポーズに時間が掛かるタイプであった。歴史は繰り返すというが、この三家の親子の様子を見ていると、おかしいくらいに、子が親の道を辿って行くようだった。
「僕の母も卒業してすぐに結婚しているんです。星矢兄と葉摘ちゃんは年齢差もあるし、もうそろそろ、話が決まってるんじゃないですか?」
そう志道が何気なく言ったのだが、星矢には全くの逆効果だった。
 これによって、プレッシャーの掛かった星矢は、更にプロポーズに後ろ向きになり…、その状況を父親たちもかぎつけて心配しだしたので、志道はそうならない前ならまだしも、尚更、年長の星矢を差し置いてはできない雰囲気になっていった。
 志道は、机の引き出しに入れてあったケースを取り出し、中の指輪を眺め、溜息をついた。
 さちが「この引き出しには、どんな秘密があるの?」と訊いてきていた。彼は笑って、「今度開けて見せますよ」と、言ってしまったのだった。そしてプロポーズしようと。
「ここには入れておけないですね」と、志道は呟いた。

指輪も準備してあったんですね。
「プロポーズ」と「挨拶」に向けて、
さて、どうなりますか…!

今日登場の星矢とは、
“星の家”のマスターの息子です。
星矢と葉摘の物語は
こちらからどうぞ。
登場人物の確認は家系図で→ [三月さくら 家系図]
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プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
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2018年07月20日

36 プロポーズ・シーズン再び(歴史は繰り返す)1 〜引き出しの秘密  (眠り姫と眠り王子‘18) 【三月さくらY-5・1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
薔薇と音譜と.jpg


新しい章に突入と共に、
志道はさちとの結婚に
突入していきたいところですが…。
さて…★



 第五章 引き出しの秘密



   第一節 プロポーズ・シーズン再び(歴史は繰り返す)




 あの日、さちの涙を拾い集めてから、線のように細かった月は徐々に太り始め、三日月と呼ばれる姿になっていた。
 次の夜勤明けの朝、さちが仕事を終えて駐車場に向かうと、志道の車があった。車を見つけて笑顔で近付いたさちは、出て来た弟の空(そら)を見て、その顔を一瞬で曇らせた。そして、たちまちその目は潤み始めた。
 空が後部座席のドアを開けると、そこには陽子が座っていた。
「こんにちは。驚かせちゃったわね」と陽子が言った。「さぁ乗って」
 さちが挨拶して乗り込むと陽子は言った。「この車を見るだけでそんな反応じゃかなり重症ね」
「母さん、やっぱりいきなり兄貴の車っていうのは、さちさんには酷だよ」と、空。
 陽子は朗らかに言った。「ごめんなさいね。でも、さちさんの気持ちが痛いほどわかってよかったわ。やっぱり空には荷が重いわ。今度から私が迎えに来ますよ」
 二人が驚く中、陽子は既に決めているようだった。「とにかく、さちさんは疲れているから、うちに来て休んで頂くわ。さぁ、車を出して」
 若い頃とは違って、逞しくなったと治郎が言う陽子の姿は、さもありなん、人を動かす強さがあった。それは母となった陽子の愛ゆえの強さなので、人も動かざるを得ないのだった。
 さちは、陽子と話していると、気持ちが落ち着いた。陽子は、自分の娘に接するように、また更に娘よりも細かい配慮を持ってさちに接した。

 さちは、自分の家よりも病院からの距離がかなり近い丹波野家で、特に夜勤明けの時は過ごすことが通常になった。数日分の着替えを持って丹波野家に送ってもらい、日勤や休日の日に自宅に帰るだけになっていた。
 丹波野家にいる時は、留守でいない志道の部屋を使っていた。
 彼の影の残っていそうなその部屋、長年愛用している家具や本や備品一つ一つを見ているだけで、さちは心が満たされてきた。寂しいことは寂しいのだが、彼の一部に触れているような安堵感があった。
 また彼の家族の中にいると、温かい気持ちになり、落ち着いた。
 知らなかった志道の様々なことを、家族の話や、彼の部屋を通して知ることが出来た。時にはその丹野家の空気というのか、その和んだ雰囲気の中にいるだけで嬉しいのだった。
 その中に、彼女が彼の側ですぐ寝付ける理由があり、お互いの魂を掴むようになった根拠があるようだった。
 楽しみながら、さちは思いつくままに彼の物に触れていった。
 ただひとつ、鍵の掛かっている机の引き出しだけは、開けられなかったが。

 そのようにして時は流れた。
 ある朝、居間で陽子と、出勤前の空が話をしていた。先ほどいつものように陽子が夜勤明けのさちを迎えに行って、彼女は志道のベッドで眠っていた。
「母さんの判断が正しかったよね。あの時のさちさんは、見ていられないくらい辛そうだったけど、兄貴に会わなくても、見違えるほど元気になったね」
「実は本当にあの娘(こ)は限界だったのよ。睡眠薬を飲まなければ眠れなくなっていたの。体も神経も疲れ切って。思い切ってうちに連れてきて正解だったわ」
「そうだったんだ。俺では本当、何もしてあげられなかった。母さんに話してよかったよ」
「あの時、あなたには荷が重いと言ったけど、今ならもう、あなただけで送迎してあげても大丈夫だと思うわ。あの時はね、若い男性のあなたではね、いくら兄弟でも兄の恋人に対して、代役できないこともあるわ。かえって母さんでよかったのよ」
「そうだね」
「それに志道もさちさんも、滅多に会えない生活にちょっと慣れてきたのね、きっと」
「うん、楽しそうに連絡取り合ってるよね」
 その時、玄関のチャイムが鳴り、志道が現れた。
「どうしたの?」
「レコーディングで缶詰状態じゃなかったの?」
 母と弟に言われる中、志道は言った。「ラストスパートで、もうエネルギー切れなので、ちょっと時間をもらいました。仮眠させてくれって。ホテルで寝ようとも思ったんですが、帰って来ちゃいました。さちさんは?」
「休んでるわよ。夜勤明けだから」
「起こさないから、そっと顔を見させてください。僕の部屋ですか?」
 志道は愛おしげに、眠っているさちを見下ろした。

ピアニストとしての活動も
順調そうな志道。
彼の道はまっすぐに、
彼の思うままに続いているようですが…。
父親たちのプロポーズも彷彿させる本章、
どうぞお楽しみください







313005朱色のバラ.jpg


大切に思う人が出来たとき、
人はどんな風に変わるのか。
志道を見て下さい★


 志道は跪いて更に近くで顔を見たが、起こすのを懼(おそ)れて、結局その手を彼女に触れなかった。
 声にならないほど微かに「さちさん」と呼んで微笑んだが、間もなく部屋を後にした。
 志道は母たちに言った。「休みますから、昼食はいいです。さちさんは何時頃起きるんですか?」
「今日また夜勤だから。三時過ぎに起きると思うわ」
「じゃあ、その頃起こしてください」
 そこへ眠っていたはずのさちが姿を現した。
 志道は、さちを見ると、すぐに駆け寄って抱擁した。
「また、兄貴は大胆だよな。俺たちが目に入らないのか」と、空がぼやいた。陽子は二人を微笑んで見ていた。
 さちの目は少し潤んでいた。
「夢の中であなたの声が聞こえたような気がしたの」
「夢じゃないですよ」
 さちは目を潤ませながらも、笑顔で志道をみつめた。そして、陽子と空を気にして言った。
「どうして?まだレコーディングが終わるわけないわよね」
「うん。まだですよ。今晩一晩で出来るか、というところまで来ましたがね」と、志道は言った。
「すごい。急ピッチだね」と、空が言った。
「ええ。調子がいいんです。早く終わって家に帰って来たい、って思いがありますし」
「さちさんに会えるもんね」
 志道は笑顔でそれは否定せずに、更に言った。「さちさんは、僕の創作の源泉ですから。でも、家に帰って来たかったのは、皆に会いたかったからですよ。母さんの食事も恋しいし、家族一人一人が、僕にはなくてはならないんですよ。家を離れてわかったんですが」
 そこまで話して、志道はさちのことを気にして言った。「明けでしょう。もう休まなければ。起こすつもりはなかったんです」
「いいの、私は休まなくても。せっかく帰ってきたんだから」と、さちは言った。
「僕も休みたいんですよ。仮眠のために帰ってきたんです。一緒に夕食を軽くして、仕事も僕が送りますよ。だから…」
 さちは頷いた。
「空、ベッド借りますよ」
 志道は、さちを部屋に連れて行った。抱擁とキスの後、さちは再びベッドに入った。つい、お喋りが始まってしまう二人だったが、ようやく志道が手を握って、彼女は落ち着いて寝付き、志道は空の部屋に行ってベッドに入り、微笑みを浮かべたその目はすぐに閉じ、寝入ってしまった。
 二人は三時になる前に起きて、台所で陽子と共に、ずっと楽しげにお喋りしながら食事を整えた。志道はさちを笑わせることにピアノ以上の才能を発揮して、食事の時間も、時折さちが鈴の鳴るような声で笑い転げていた。
 志道は自分も笑いながら、笑っているさちの姿、声、そして曇りのないその姿を胸に刻むように取り込んだ。
 そして、夜勤に入るさちを車で送り、志道はレコーディングのスタジオに入ったが、その胸にはほっこりと彼女の笑顔が残り、口許にはその残りかすのせいで、ずっと微笑が浮かんでいた。
 当初予定されていたレコーディングの曲を全部録り終えるという時、志道は続けてまた弾き始めた。
 まったく新しい曲だった。志道には、ずっとさちの笑い声と、その姿が浮かび続けていた。
「即興の新曲かな」「すごいね」スタッフが言い合っていた。
 終わると「今何時ですか?」と、志道は訊いた。
 打ち上げに夕方飲みに行こうというスタッフの誘いを丁重に断り、心を占めてしまっているその人の許にまっすぐ向かった。

志道という人は…。
愛する人しか目に入らないかのようです。
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2017年07月05日

113 もしもロミオとジュリエットが死なずに結ばれたなら3  ❀三月さくら2017❀ 【三月さくらY-5・3】


100年の眠りを越えて結ばれる
眠り姫と王子。 
そして悲恋で死ぬはずの
ロミオとジュリエットは?!
…一挙3話で最終話まで★
小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
2822692ばら園のアーチ.jpg


関西の洗礼は続きます。
祖父母のありがたい言葉と、
今日はさちの爆弾発言が…!
お祖母ちゃんと志道の会話の続きから★


「あなたは、傍観してないで、もっと積極的に人のことに首を突っ込むくらいがいいんじゃない?
 結婚っていうのは、男の人にとっては、お嫁さんをもらうだけだから、まぁそんなに準備もいらないだろうけど、女にとっては、よくわかった所へ嫁ぐんでも、いろいろ準備が必要なのよね。全てを持って嫁いでいくわけにはいかないんだし。奥さんになり、いずれお母さんになるんだから、何を持って行くか悩んで当然だよね?」
「さちさんは何か悩んでるんですか?」と、志道が尋ねている所に、さちが居間に戻ってきた。「お洗濯全部干してきたわ」
 志道はさちに向かって言った。「さちさん、何を悩んでるんですか?」
「ねぇ、さち、そうなんだよね?」と、祖母が促すように言った。
 しばらく、さちは何も言わなかった。
 祖母が言った。「違うの?助産師と両立出来るかなって、言ってたでしょう」
「うん。そうだけど」と、さち。
 志道が声を上げた。「まさか、助産師をやめようって思ってるんですか?」
「そうした方がいいかもって…」と、さちは言ったまま口を閉じた。
 さちがあまり口を開かないので、祖母が言った。「丹波野さんは子供が好き?結婚したら子供はほしいの?」
「もちろんほしいです」
「よかった。最近は子供をわざと作らない夫婦もいるんだって?何人くらいほしいの?一人?二人?」
「僕は四人兄弟なんですが、出来ればたくさんほしいですね」少し照れながらも志道は答えた。
「子供を産んでる間は、助産師は出来ないと思うわよ。今は産休もあるんでしょうけど。私も何年かは本腰入れては出来なかった。お義母さんがやってくれたから、私は子育てにある程度掛かれたけど。たくさんって、簡単に言うけど、子供を一人産めば、母胎は相当消耗するのよ。逆に健康になる人もいるけど、大概は歯もガタガタになるし、いろいろね。
 まぁどうせだんだん年を取れば体が動かなくなるんだから、子宝に恵まれればね、親やその家の福になるんだから、何人でも産んだらいいわよね。子供を産んで失うものより、もっと大きいものを子供からもらうからね。まぁあなたは、そんな人ではないと思うけど、男の人は消耗するものがほとんどないからね」
「僕の考えが足りなかったです。父にも言われていたのに。結婚を夢みたいにしか考えていないって。僕の父は、母よりも子供の扱いがうまいくらいなんですよ。でも、母さんには敵わないって、いつも言ってました」 志道は、祖母にそう言ってから、さちの方を向き直った。「さちさん、これから相談して準備していきませんか?産休は必要だろうけど、両親や家族も手伝いたがるだろうし、預けることもできるんですから、大丈夫ですよ」
「ありがとう」とさちは微笑んだが、思い詰めたような表情は変わらなかった。
 志道は言った。「まだ、何か心配なんですか?」
 さちは口を開いた。「私が心配しているのは、あなたのことよ」
「僕のことですか?」
「また、いつ無理をするかと思うと…」
「もうそういうことはないですよ」と、言い掛けて志道は言った。「…もしかして、僕のためにやめるなんて考えているんですか?」
「ええ」さちは顔を上げて言った。「私があなたのマネージャーになれば、健康の管理も出来るし」
「驚いたな」と言って、志道は本当にしばらく言葉を失っていた。

さちがずっと考えていたのは、
仕事を辞めて、
志道の健康管理をすることでした。
さて、二人はどんな結論を…?
↓引き続き次の回も、お楽しみください。






薔薇園19


志道のために、仕事を辞めるというさち…
彼の答えは?!★


 志道は少しうわずったような声で言った。「それは間違いないですよ。そうなれば、僕はあなたとずっと一緒にいれるし、こんな嬉しいことはないです」
「だったら、そうするわ」
「しかし、ですよ」と志道は言った。「助産師のあなたの姿を最初に見てしまったんですよ。知らなければ、あなたの申し出は即受けるのに」
「…」
「…どんなに輝いていたか。忘れられないんですよ、僕は。あなたは素晴らしい天職を持っているんです。
もちろん、助産師であろうとなかろうと、僕はあなたのことを愛さずにはいられないけど。かといって、あなたの使命を奪っていいんでしょうか。だって、そう言って僕に音楽の道を行かせたのはあなたじゃないですか。
 もちろん、まぁ僕が選んだんですがね。今度もあなたが決めたらいいことです。どちらでも好きな方を。
 …ちなみに、僕のマネージャーに関しては、優秀で頑丈な若い人材に、バシバシ働いてもらったらいいと思っています。あなたほど完璧なマネージャーにはなれないでしょうが、それでまず問題ないと思いませんか?」
「私の好きなように、と言って、結局あなたの意見になるのよ」
「思い通りってわけではないんですけどね。それに、僕の時にはあなたの意見通りになったでしょ?」
「そうだっけ?」
「僕はあなたのためなら、音楽家にはならなくてもいい、って言ったでしょう」
「でも、なりたかったんじゃない」
「そう。僕はなりたいものになります。あなたを奥さんにしたいんです。そのためだったら、あなたが僕のマネージャーになるという魅力的な幻想は、あきらめてもいいです」
「奥さんは、マネージャーになれないの?」
「僕の夢と計画をあなたは壊すんですか?」と、志道は笑顔で言った。「僕は助産師の奥さんを持ちたかったんです。その人の開く助産院の一角でピアノを弾く生活、これが僕の思い描いていることですよ」
「冗談ばっかり」
「これは冗談じゃなくて、僕の本当の夢です。僕の夢を叶えてください」
「あなたの音楽活動を支えたかったのに。私の気持ちがわからない?」
「うーん。さっきもお祖母さんに人の気持ちに疎いって言われちゃいましたからね、僕。自分の考えを押し付けているつもりはないんですが」
「だから、結局あなたの思い通りなの」
 さちは志道の優しさに気付いていた。志道は実は論理の勝ち負けを気にする方ではない。彼の意見が通るのは、それが真実だからだが、自分の思いをただただ通すのではなく、正しいと思えることに合わせていける、彼の器量の深さが、潔くて、何かその通りにするのがいいと思えてしまうのだ。それ以外の道はないように、自然と彼の言う通りの結果になるのだった。


 ロミオとジュリエットの 残した夢が 
 ロマンティックな 空気を作っている
 ローズの香りとともに
 ロミオはロマンを 
 ジュリエットは純愛を 形作る名前となった 

 純白のウェディングを夢見る人に 
 受難を越えて結ばれるようにと 
 時代を越えて 語り掛けている
 十代ではかなく消えて 永遠の国の住人となった 

  ロミオの未熟さ
  ジュリエットの若さ

  二人の越えられなかったものは 
  現実と 共に生きる未来
  神にもらった命を
  お互いのために あっさり捨てた

  ロミオは LOVE(愛)を得るために
  ジュリエットは 純潔を守るために

  愛が命を越えたから 
  年も取らず いさかいもしない代わりに
  もう誰も二人を
  引き裂くことはできない

もしも死なずに結ばれたなら
ずっと二人でいられただろうか
ロミオはロマンを 
ジュリエットは純情を持ち 
  美しく老いただろうか

 ロミオとジュリエットは
   いまや一対の 切り離せない神となった
 純粋すぎた夢は 明日に置き去りにして
   あきらめ切れなかったものが空しく漂うだけ
 ローズの香りのように



明日は関西の洗礼を終え、
最終話に入ります
ロミオとジュリエットが死なずに結ばれたなら…
その答えは…?
↓引き続き次の回も、お楽しみください。






8356165ベージュの薔薇.jpg


最終話。
100年の眠りを越えて結ばれる
眠り姫と王子。 
そして悲恋で死ぬはずの
ロミオとジュリエットは…★


 陰暦はニュームーンで始まり、満ちるだけ満ちたら、また欠けていき、そしてまた月が無くなって終わる。上弦と下弦の違いはあっても、半月との間のスマートな期間を担当するのが三日月だ。
 考えてみれば、月を見て三日月だったというのは確率的に多いような気がする。三日月と言われる月は、数えたらきっとひと月の三分の一以上になる。
 三日月とは、本来は三日目の月、しかし見分けがつきにくいからか、欠けが大きい月は、二日月も、四日月も、五日月も、全部三日月がその名前を横取りしてしまった。
 今日は何日目の三日月だろう。空に掛かった月は、くっきり弧を描いて、まるでにっこり笑っているように見えた。
 志道とさちにとって、関西での日々は別世界に行って来たような感覚が残っていた。志道は洗礼を受けて、引き締まったような気持ちだった。
 その後、残念ながら、祖父母の生前に関西のその家を訪ねることはなかったが、志道と祖父とはすっかり気が合ったようで、祖父が亡くなるまで何回か顔を合わせるたびに、親友同士のように二人きりで秘密裏に話していた。


「僕は馬鹿ですよね」志道はさちの祖父母の所から戻った後も、何度ともなく独り言で呟いていた言葉を、母に洩らした。
「さちさんと、仕事でも一緒にいられれば、どんなに嬉しいか。さちさんが、せっかく言ってくれたのに。それもよくよく考えたことに違いないんですよ。それなのに…」
 陽子は微笑んで、しばらく何も言わなかったが、「あなたが願うなら、今からでもそうしてもらえるんじゃない?」と言った。
「うーん。でも、できないですね。もう結論はハッキリしてるんです。どうしても正しいと心が知っているから、僕の我が儘は、切り捨てるしかないですよ」
「性分よね」と、陽子が言った。「でもね、志道。夫婦になったら、お互いのものが自分のものになるのよ。あなたがさちさんに正しい選択をしたなら、それがあなたにも返ってくるはずよ。そういう関係なら、いろんな我が儘も、自分本位かなって思うことも、いつもじゃないなら、問題ないはずよ。お互いの関係の中で、迷惑を掛け合うってことも、家族なら当たり前でしょ」
「うーん。母さん、そういうのはわかるんですけど、今は自分を抑えていないとだめなんですよ。さもないと、仕事もほっぽって、さちさんのことしか見れなくなりそうなんです、今の僕は」

 志道が去った後、陽子は治郎と居間のソファーにくつろいで話をしていた。
「志道は一番甘えん坊だったのよ」と、陽子は言った。「ねんねの赤ちゃんの頃は、よく寝る手の掛からない子だったけど、人見知りが始まると私とくっ付いてないと泣いてばかり、後追いの時期も長かったし。皆が好きな相手を見つけたのは嬉しいけど、なんか淋しいわね」
「志道は、今も甘えん坊だと思うよ」と、治郎が言った。「お前にそっくりな娘を選んで、ずっとその尻を追い掛けてる」
「さちさんって、私に似ている?」
「ああ」
「一番似ていると思ったのはね、志道を見る時のあの娘の表情だよ。帰ってきた時嬉しそうに笑って奴を見るんだよ。お前さ、昔星の家≠ナさ、俺を見る時、あんな顔をして見てくれたよな」
「今は違うの?」
「どうだろ?いつの間にか、お互い顔を見ないで話すことも多かったのかな」
「そうね。そういえば、会ったばかりの頃は、あなたにじっと見られるのが恥ずかしくって、面と向かって見れなかったような気がするわ」
「ドキドキしながら俺を見てたろ?」
「そうね」
「俺もだったの知らないだろ?」
「あなたもドキドキしたの」
「そりゃね。そういう風に見られると、かわいくてさ」
「いつ頃?眼鏡をしてた頃も?」
「最初に会った時からだよ。今ももちろん、ドキドキするよ。陽子がかわいいから」
 結ばれたいと願う恋人たちは、その昔から星の数ほど生まれてきて、愛を語ってきた。
 その中で、その愛を実らせて生涯を過ごすことができたカップルは、ロミオとジュリエットの魂をもきっと喜ばせているはずだ。
 ロミオとジュリエットの恋がもし実って結ばれていたら、この二人のように昔を思い出して語ることもあった、…かもしれない…。

第Y部 眠り姫と眠り王子 完

4026953バラ ジュリア.jpg


ということで、
答えになったかどうかわかりませんが
「もしもロミオとジュリエットが死なずに結ばれたなら」
この節は閉じさせて頂きます。
そして若き日の志道の物語
第Y部「眠り姫と眠り王子」も
これで終了となります。

続編の第Z部「涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング)
では、時は流れ、かつての
眠り姫と王子は、堂々とした
キング&クイーンになります。
前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次                        
登場人物の確認は家系図で→ [三月さくら 家系図]

  ↖この時から3年の時が流れています



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写真は:ばら園のアーチ
ベージュの薔薇
バラ ジュリア
トップの写真と最終話の2枚は
フォトライブラリーより
薔薇園19
by (C)akemiさん
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プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
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こちらから→幽霊っているんでしょうか