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2016年07月18日

13《碧斗&未来》 水族館とキス〜 丹波野エンゼルフィッシュより  【三月さくらY-4】

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小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
1900517ブルー朝顔 by kokkon.jpg


今日は特別編集。
碧斗と未来の水族館です★



  第四章 丹波野エンゼルフィッシュ


    第一節 水族館とキス



(第7話より)

 その日曜の朝の水族館は、志道とさちの、初めて約束したデートらしいデートだった。そしてもしかしたら、最後の水入らずのデートとなるかもしれなかった。
 二人は一番乗りした水族館で心置きなく楽しみ、出て来た時、これから入館しようとする碧斗と未来にばったり会った。
 二つのカップルは、それぞれの携帯を交換して写真を撮り合うと、志道と碧斗はハイタッチしてから、それぞれの方向に進み始めた。志道は、思い出したように、入り口に向かっていく碧斗に声を掛けた。
「碧斗、中にあなたにそっくりなのがいましたよ!」
「探してみるよ!」と、碧斗が答えた。
 さちが志道に言った。「志道さんのが一番似ていたのに」
「そう?碧斗のが最高におもしろいと思いましたが」
「わかるかな」
「大丈夫。わかるようにしておきましたから」
「そうよね」

 ある水槽の前で、碧斗たちが突っ立っていた。未来が小さな札を見つけたのだ。学名アオト〇〇≠ニそれらしい名が書いてあった。
 未来が笑い転げ、碧斗は「そんなに似ているか?」と、不服そうだった。書いたものを剥がすと、それは“Jiro's Home”の志道の名刺だった。
 次に見つけたのが「ミライイカル…」。未来は水槽の中の魚と同じように口を尖らせて怒り、碧斗は失笑した。志道は即席の札を上手に水族館側がしたもののように付けてあった。
 二人がその水槽の前で写真を撮っていると、館員が近づいて来て言った。「これもお客様のものですか?」
 差し出された志道の名刺の裏には、「シドクラテス…」と、書かれていた。
 館員は言った。「お客様に質問されてわかったんです」
「すみません。今回収していますから」碧斗は慌てて言った。
「あの」と、未来は臆せず尋ねた。「これって、どこにあったんですか?」
「こちらですよ」館員は案内してくれた。
 その深海魚は瞑想している志道そのものだった。二人は思わず笑った。
 館員が不思議そうに尋ねた。「どういう意味なんでしょうか?」
 二人は顔を見合わせてから、笑顔で謝った。
「そんなまじめなものじゃなくて、私の兄の悪戯です。兄は志道というんですが」と、未来は名刺の表を見せてから、さっき携帯で撮った写真を見せた。
「ああ。このカップルですか」
「さっき帰ったんですが」
「ええ、朝早くから来ておられましたね。雰囲気がよくて、どこか名がある方のお忍びかなぁなんて思ってたんですよ。外国暮らしをされてたような雰囲気があって」
「生粋の日本人ですよ!
「なんというか、外国の恋人同士のようでしたよ。ずっと寄り添って、時々キスしたり…」
「えーっ!」二人は思わず叫んだ。
「シド兄が…!」碧斗は驚いたが、館員に向かって笑顔で言った。「今はともかく、いずれ、名が出るかもしれませんよ」
 館員は本気にしたのだろう、言った。「その御名刺を頂けませんか?」
「どうぞ」と、未来がそれを渡した。
「妹さんも、女優さんかなんかですか?」
「ただの学生ですよ」
「もし、よろしかったら…」と言いつつ、館員が離れないので、未来は先の二つの名刺も渡してしまった。ようやくその館員は去って行った。
「碧斗が変なこというから、絶対誤解してるわよあの人」と、未来が言った。
「まんざら、嘘でもないかもだろ?志道兄もピアニストで売り出せば」
「お兄ちゃんまで、変わってほしくないな」
「あの人を、誰も変えられないだろ?大胆だよね、外国のカップルみたいだって。こんな所でキスしたり出来ないよ、普通」
「え、だめ?」
「で、き、な、い」
「そんなに強調しなくても」未来は可笑しそうに笑った。「これくらいならいいでしょ」と言いながら、彼女は碧斗の腕を取った。
「…ここではいいけど、外では暑いから離れろよ」
「うん」未来は嬉しそうだった。
 碧斗もまんざら嫌ではないのだったが、照れ隠しにまた言葉を発した。
「志道兄、まさかまだ名刺残してたりしないよね」
 未来が電話を掛けた。
「お兄ちゃん、一体いくつあるの?水族館の人に見つかっちゃったのよ。名刺よ」
 電話口で志道は笑った。
「寝起きの空と、歌ってる麗美は見つけてくれましたか?名刺の持ち合わせがなくて、それだけですよ」
 そして、志道は碧斗にすぐに写メを送った。エンゼルフィッシュが群れているのがちょうど六人家族のようにも見えた。
『先頭の澄ましたアップのが父さんのようでしょう』
 それを見て、碧斗はメールを返した。
『エンゼルフィッシュか、丹波野家らしいね』
 そして、実際のその目でも優雅に泳ぐエンゼルフィッシュを見ていると、その華やかさも気品のある姿も、丹波野家の一人一人のようだと、碧斗は思った。

0107_s竜宮城ツアー.jpg


「丹波野エンゼルフィッシュ」は
その後の話でも
重要なイメージとなります。

《碧斗&未来》の物語は
ひとまず今日が区切りですが、
その後のお話も、今回は明日から
続けて再スタートします。
Comming soon!!
登場人物の確認は
家系図をどうぞ。 
三和家の家系図も参考にどうぞ
  「三月さくら」シリーズ前後のお話は こちらから。



よい一日 よい夢を

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2016年07月16日

12《碧斗&未来》 真夏の夜の夢?! 〜夏祭りの晩に〜2  【三月さくらY-3】

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「碧斗と未来の物語」、
今日は「じゃじゃ馬ならしプロジェクト?!」の最終話。
二人の初デート…、
とっておきのシーンです★
小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
3950042朝顔.jpg


夏祭りの晩の続きから。
「好き」と伝え合った二人は…★


 未来は言った。「私、自分でも気が付かなかったけど、ずっと待ってたの。いっつもわがまま言ってるように見られるんだけど、ほしいものをはっきり言えなかったのね。ホントにほしいものって、ほしいって言えなかったりするのね」
「なんだよ、それ」
「私は我が儘で言いたい放題って思われてるけど、とても受け身的な人なの。最初の言葉は碧斗から聞きたかったの」
 碧斗は微笑んでもう一度言った。「ずっと未来が好きだった」
 未来のパッチリとした目に涙が溢れてきた。そんな潤んだ目で碧斗を見つめて言った。「碧斗のことだけ好きだった」
「うん。俺もだよ。…こういうこともやっぱり俺からってことだよね」
 碧斗は未来の手を引いて、人目の届かない木の陰に連れて行き、口付けした。
「今日は帰りも手を繋いで帰ろ」
 一度放していた手を繋いで、まだやっている屋台を覗きながら二人は歩いた。鳥居を過ぎて、そしていつのまにか駅の方まで来てしまった。
 店まで自転車を取りに行くのもなんだからと、電車で帰ることにした。
 未来を家に送り届け、別れ間際のなんと名残惜しかったことか…。

 “Jiro's Home”にいる志道からメールが入っていた。碧斗はその足で志道の許に向かった。
 入り口は開いていて、志道がピアノを弾いているようだった。灯りはほとんど消された中で、ピアノの音が際立つように聞こえていた。
 ひとしきり弾き終わると、志道は碧斗の側にやって来た。
「ごめん。邪魔しちゃった?」碧斗は言った。
「待ってたんですよ。送りながら、話しましょうか。今晩はどうでしたか?」
「うん、よかったよ。なかなか二人だけで会う機会がなかったから。毎晩自転車で送って帰るんだけど、いつもは照れ臭くってさ、まだ未来にはっきり好きだとも言ってなかったんだけど」
「今日は言えましたか?」
「うん。自然に言えてしまった。不思議だよね。俺って、こんなにも未来が好きだったんだって、好きだって言ったら、もう可愛いくてさ、キスまでしてしまった」
「へぇ」と言いながら、志道は何気ない顔の中に驚きを隠し込んだ。
「若者はやりますねぇ」
「志道兄だって、まだまだ若いでしょ」
「あなたの勢いには負けますよ」
「一気に行きすぎだったかなぁ。まだ、お祖父さんの許可ももらってないのに」
「ああ、そのお祖父様ですが、日曜の午前中なら時間が取れるそうですよ」

いよいよ次は
「じゃじゃ馬ならしプロジェクト?!」の最終話となります
「終わりよければすべてよし」となりますか、
お楽しみに!
引き続き、↓次の回もご覧ください。






2770182マメアサガオ.jpg


「じゃじゃ馬ならしプロジェクト?!」の最終話です 
碧斗と志道の会話の続きから…★


「日曜か」と、碧斗は言った。
「何か予定ありましたか?」と、志道。
「うん、大丈夫。未来とどこかに行こうと思っていただけ」
「お祖父様と会った後、時間がありますよ」
「そうだね。じゃ山はやめて」
「山?」
「兄貴に最初のデートのことを聞いたらね、“海、山、街”どこがいいって聞いて、海になったんだってさ。水族館に行ったらしい」
 志道も、さちと見た海岸の風景を思い出した。
「きれいな景色を二人で見るというのもいいものですよ」
「うん。じゃあ海プラス水族館コースといこう」
 碧斗を送り届けると、実は一番奥手であり、出遅れた感のある志道はつぶやいた。
「水族館か」そしてまた一言「キスか」

 碧斗は自分の部屋に戻ると、仕舞ってあった箱を取り出した。あの頃遊んでいたおもちゃと共に、あのお面も入っていた。
 碧斗は手に取りながら、何かに思いを馳せているようだった。その目と口許には微笑があった。


 次の日曜日を待たずして、直接その人はやってきた。
 三和孝司は、“星の家”のドアの鐘が鳴り終わらないうちに、自然に常連客であるかのように、カウンターに迷わず来て座った。
「コーヒー」
「お祖父様!」と、思わず言ってしまった未来に、星一が言った。
「未来ちゃん、お冷とお絞り頼むよ。コーヒーお聞きしてるから」
「はい」と言って、未来は「いらっしゃいませ」と言いながら、水とお絞りを出した。
 そこへ奥の厨房から碧斗が現われ、「はい、イタスパあがったよ」と、カウンターに置いた。
「丹波野さんセット行ってる?」
「あ、まだです」
「じゃあ一緒に持っていって」と碧斗に言われ、「はい」と、フォーク、ナプキン、タバスコ、粉チーズを持って、未来が運んで行った。
 それを見送ってから、碧斗は孝司に気付いた。
「こんばんは。ようこそいらっしゃいました」と碧斗はそう言って頭を下げた。
「聞いてはいたが本当だね。この目で君たちの姿を見てみたくてね。百聞は一見にしかずと言うからね。口では何とでも言えるが、これを見れば納得せざるを得ないね」と孝司は言った。
「普段の通りにしていてくれたまえ」と、孝司は碧斗を仕事に戻らせ、星一に向き直って言った。
「孫娘まで預かってもらって、本当にありがとう。あなたはどう思っているのかな、ふたりのことを?」
「正直言って、まだしっかり賛成しているわけではないんです、私は。二人の様子を見守って、賛成できるようになったら応援する、自重して付き合えって言ってあるんです」
「当然のことですよ」
 孝司の存在が気になりながらも、碧斗と未来は客の応対があったので、いつも通り動くしかなかった。
 孝司は星一と話を交わしながら、二人の様子を見ていた。
「治郎君の時と同じだな。どうも私は、あなたの息子さんを気に入ってしまったよ」
 そう言いながら孝司は治郎の時には断念したことを、今度こそ果たしたいと胸の内では思っていた。
 この晩の月は、もう後がないほどに薄くなって剣のように光り、きれいな弧を描いていた。

碧斗と未来の物語は
シェークスピアのスピリットと
もしかしたら“星の家”に住んでいる妖精の仕業
はたまた月のパワーで?!
なんとか区切りがつきました。

この《碧斗&未来》は
志道のストーリーなどをカットした
編集になっています。
次の章からも一部抜粋します。
碧斗と未来を追っていくと
さらにZ部「九月 孔雀の羽が広がる瞬間」
に突入することになります。
登場人物の確認は
家系図をどうぞ。
三和家の家系図も参考にどうぞ

「三月さくら」シリーズ
前後のお話は こちらから。



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2016年07月15日

11《碧斗&未来》 真夏の夜の夢?! 〜夏祭りの晩に〜1  【三月さくらY-3】

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3980880朝日をあびるアサガオ.jpg


まるで夢のような、
夏祭りの夜のお話です。
碧斗と未来の初デート★



  第四節 真夏の夜の夢?!
           〜夏祭りの晩に〜




 その夏祭りの宵宮の晩は、“星の家”にとって、日が暮れると夜が進む毎に忙しくなり、日付をまたいでもまだ客が引かない時もある、一年でも類をみない、書き入れ時だった。嫁いだ茜も出産等で来れなかった以外は手伝いに来ていたし、蒔原家は親子総出となるのが常だった。
 未来もバイトに慣れ始めていた。毎晩碧斗が自転車を並べて送っていく、それが唯一の二人で過ごす時間だった。高校で始まるはずだった二人の恋だったから、それがふさわしかったかもしれない。しかし今度は確かに始まっていた。
 その晩も例年に漏れずに、ひっきりなしの客に追われていた。そして、静かにだが客足が引いていくのだ。通りを行く人の声も、ひと時よりは少なくなったようだった。
 星矢が、星一にもうあがったらと勧め、星一は息子たちに甘えて帰って行った。
 そして、星矢は碧斗にも言った。「お前も今日はもうあがっていいぞ」
「え、なぜ?」
「未来を送って帰るんだろう?」
「だって、客はこれからも」
「いいって。お前たちがいなくてもなんとかなるさ。この前見捨てた代わりだよ」
 つまり、「じゃじゃ馬ならし」のため二人で店をやらせた、その借りを返すということなのだろう。星矢は声を落として言った。
「今からならまだお参りして、祭の屋台くらいは覗いて行けるだろ。デートらしいデートしてないんだろ?」
 碧斗はありがたく兄の言葉を受けて、未来と店を後にした。店の脇で待っていると、出て来た未来はさっきと装いが違った。
「着替えたの?!」
「うん。いつかみたいに濡らした時困ると思って、持って来てあったの」と、未来は答えたが、仕事用とは思えない、可愛いワンピース姿に、華奢なサンダル履きだった。
 二人は自転車は店に置き去りにして、人通りは少なくなったとはいえ、まだお祭気分がしっかり残る街を歩いた。
 お宮さんの入り口付近で、砂利道にサンダルの足を取られないように、初めて二人は手を繋いだ。いや、ずっと幼い頃、そういえばこういうことがあったような気がした。
 同い年の二人は、幼い頃は仲がよい時もあれば、けんかもする、そんな近しい関係だった。一緒にいる日は、必ずけんかで未来が泣くか、しかめっ面をして「碧斗、大嫌い」となるのが落ちだった。
 二人は参拝して、まだやっている屋台を見て歩いた。早い時間だと人の波で自由に前に進めないくらい混み合うのだが、今は人もまばらになってきている。
「ここ、前に来たことある」未来が言い出した。
52

手をつないで、
神社の鳥居をくぐる。
子供の頃のことも思い出されて
胸が高鳴るようです。
引き続き、↓次の回もご覧ください。






2395620朝顔.jpg


夏祭りの晩、
碧斗と未来の初デートのつづき★


 未来は幼い晩のことを思い出して更に嬉々として言った。
「金魚すくいしたの、そういえばここよ。さっき、お参りした所も、人が多すぎてお賽銭箱まで届かなくて」
「そうだね。イチおじさんに僕たち兄弟はいつも連れてきてもらってたんだけど、君たちが来たこともあったと思うよ」
「行く時は、碧斗と手をつないで行ったの」
「帰りは?」
「多分、お兄ちゃん。碧斗がお面被って変なことをしてたから」
 屋台で買ってもらったお面を被って、碧斗がおどけたり、ちょっと怖い声を出すと、未来がすごく嫌がった。
「ああ、思い出した。あのお面、しばらく家にあったんだけど」
「どうして私の嫌がることばっかりしたの?」
「ガキの頃ってそうだろ。好きな子にちょっかい出すんだ。未来が好きだったからだよ」
「そうなの?」
「未来だってそうだろ。いつも思い切りしかめっ面されてたよ。あれって、俺が嫌いだったから?それとも好きだったから?」
「…」
「どっちだよー」
「知らない。忘れちゃった」
 面接の時、碧斗の両親に向かって臆することなく、彼をずっと好きだったと言っていた未来だったのに…、そういう思いが湧いて、碧斗は小さく呟いた。
「なんだ、言ってくれないのか」
 未来が言った。「嫌われてると思ってた」
「えっ」
「いつも私のこと無視してたでしょ」
「いつの話?」
「高校の頃だって、お店に集まるようになってからだって」
「高校の時は、勇気がなくて。君はたいてい周りに友だちが一緒で。“星の家”で集まった時って、二年前?」
「うん」
「久し振りに会って嬉しかったな」
「最初の時にはちょっと話したけど、後はあまり話してもくれなかった。だからてっきり嫌われてるのかなって」
「君のこと、見るに見れなかったんだ。ずっと気になってた。話し掛けるなんてできなくて、ずっと見てない振りで見てたんだ」
「無視されてると思ってた」
「俺も葛藤してたんだ。君が…」
「男付き合いが激しいからって?」
「まぁ」
「付き合ってた人なんていないわ」
「そう?」
「そういう風に見せてただけ。合コンなんて好きじゃないけど、よく誘われるの。いるだけでいいからって、男の子からも女の子からも。パパたちが付き合ってると思ってたのはみんな友だちとか、たまたまそこにいた人たちよ。今までは暇だったから、退屈しのぎで行ってたけど、よけい退屈になるだけだった。もう行くこともないと思う」
「本当にもう行かない?」
「もう一回、碧斗がちゃんと言ってくれたら」
「なんて?」
「まだしっかり言われてない。私のこと…」
「未来が好きだよ」碧斗ははっきり言った。
「私も碧斗が好き」
 その言葉を直接聞くと、碧斗は胸がいっぱいだった。

そっか、「好き」というのは
初めてだったんですね。
「好き」と言って
「好き」と返ってくる。
ちょっと甘酸っぱ過ぎですが…。
初デートはまだまだ続きます。


 初めての戸惑いは 
 はじらいか 
 反発か 
 華やいだ その思い 
 はずんでも すぐ沈む 
 半分は 嬉しくて 
 半分は 困ってる 
 早く過ぎてほしいのか 
 早く行くのが惜しいのか… 
「 初デート 」


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