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2017年04月07日

14 愛が根付くまで4  《 四月 しあわせの始まり》 【三月さくらV1】


一朗の物語、前半の最終話
今日は、一挙3話お届けします★
小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
梅花爛漫。
 

二人の再会の時、実は一朗は…。
彼が“待ちびと暮らし”の達人たる所以です。
会えてよかったですね。
プロポーズのシーンの続きです★


「一致したって?」葉奈はきょとんとして尋ねた。
「だから」と、一朗は言った。「街で偶然会ってハッとした女と、ずっと待ってた女がさ。なんで、ちょっとぶつかっただけなのに頭に浮かんでくるのか、葉奈だったからだって。何が気になってたのか、解けたんだ」
「ありがと、いっちゃん」
「ぶつかった時、ホントよく見てなかったんだ。しっかり見れば、お前だってわかったと思うよ」
「きれいになってたから、わからなかったんじゃないの?」葉奈は笑って言った。
 一朗はそれに応じるようににっこり笑って、しかし真面目に言った。
「それもあるよ、もちろん。今日もどきどきしてるのは、お前のせいだからな。でもわかったことがあるよ。
 俺が一方的に愛してるんじゃないってこと。俺の前だと葉奈はよく泣くんだ。他でも泣き虫なのかと思ったけど」
「いっちゃんに会ってからよ。きっと、ぶつかった時、葉奈の涙の栓をひねったでしょ」と、涙の滲んだ目で、葉奈は笑った。
「いいよ。俺の前で泣くなら。他で泣くなよ」

 二人は、そこでゆっくり食事をし、星一たちの所に行く前に、公園を少し歩くことにした。
 大学近くの公園。日曜の昼下がりは、一朗が知っている平日の姿とは違って、学生よりも家族連れなどが多かった。それなりの人々で賑わい、明るさに満ちていた。
 花も咲くし、蝶も飛ぶ、初夏の少し強すぎるような日差しの中でも、一朗と葉奈は手を繋いでいれば、あまり気にならないのだった。
 星一のアパートのドアの前に着いた時、二人が繋いだ手を解くと、じっとりと汗をかいていた。
 一朗と葉奈は顔を見合わせて笑った。まだ幼児の頃、そんな風にずっと手を繋いで歩いたり、仲良く遊ぶことも人目を気にせずに、日がな一日過ごせた、あの頃が蘇ったように。
27

プロポーズに成功して、
一朗にも、前にない
余裕のようなものが見えます。
また、葉奈も普通に(?)嬉しそうです。ね。
↓引き続き次の回も、お楽しみください。/span>






2011.03.19 大池公園 梅


今日は新婚家庭に
お邪魔します★


 星一とみどりの夫婦は、未だ独身時代に星一が住んでいたアパートに、二人で暮らしていた。その部屋に、一朗と葉奈は温かく迎えられた。
 葉奈は部屋を見回して言った。「やっぱり羨ましい。新婚さんなのに、とっても落ち着いてて」
「二人は何、幸せ一杯の顔に見えるけど」と、星一は逆に茶化すように言った。
 一朗は顔をにやつかせたままで、言った。「マスター、俺たち結婚することにしたよ」
「出来たんだ、プロポーズ。いい返事だったわけね」
「うん、バッチリ」
「おめでとう」と、みどりが飲み物を持ってやって来ながら言った。「式はいつ頃?」
 一朗と葉奈は顔を見合わせた。
「何にも考えてないみたいだな」と、星一が言った。
「ようやく一大イベントが終わったところだもんな」
 そして星一は、二人を笑顔で見ながら、いつものようにアドバイスを始めた。
「これから二人でよく相談するんだな、いずれ家庭を持つということなんだから、どんな形で暮らすかの方が、式や披露宴よりずっと大切だよ。二人のことだけじゃなくて、結婚となると家同士のことの方が大きくなるしな。
 俺たちもね、当座はここでささやかに所帯を持ったけど、もうすぐ実家に移るんだ。親父や祖母ちゃんが待ってるんで」
 一朗がふいに思い出したように言った。「マスター、もしかして…。子供が出来たら同居するって言ってたよね」
「うん。まあ」
「おめでたですか?!」と、葉奈が言った。
「…まだ7週目なんだけど。同居はもう少し落ち着いたらね」
 今度は一朗たちが、星一たち夫婦におめでとうを述べた。
 アパートの窓は、開け放たれていて、風がよく通り、心地がよかった。四人は、その午後をくつろいで過ごした。
 最後は、「また遊びに来てね」「実家に移っても来いよ」と言われ、見送られて、一朗と葉奈は星一たちの所をお暇(いとま)した。
28

明日は「四月 しあわせのはじまり」の最終話です。
しあわせの始まりとなるのでしょうか
お楽しみに
↓引き続き次の回も、お楽しみください。






雪がふってきた、ほんの少しだけれど。
 
愛が本当に根付くまでには、
まだ時間が必要ですが、
一朗と葉奈は
お互いを生涯の相手として
向き合うことが出来ました。
今日はこの章の最終話です。


 一朗と葉奈は車を駐車した場所に歩いて戻りながら、話をしていた。
「ホントに幸せそうだった」と、葉奈が言った。
「俺にはお手本のようなカップルだよ。四年間もただの店主とバイトの関係だったんだぜ、二人は。付き合いだした時は本当にびっくりした。その頃はマスターは独身が板に付いていたし、みどりさんは普通の女子大生だったし。でも、今では最初から結ばれるのが当たり前だったみたいだろ?」
「あんな風になりたい?」
「負けないさ」
「すぐにって言わないよね?」
「結婚のこと?すぐじゃ駄目だよね?お前の準備ができたら…」
「できなかったら?」
「おいおい。駄目だよ。手伝ってでも準備する」
「心の準備もあるのよ」
「そっちが重要だろ。もちろん手伝う」
 一朗は笑って言ったが、かなり本気だった。なんでもしようと、心に決めていた。
 葉奈は言った。「そんなにすごくは待たせないと思うけど、もしかしたらまた不安になるかも」
「なぁ、俺も不安になるじゃないか。お前のことが好きで一緒にいたいだけじゃ駄目?」
「私もいっちゃんと一緒にいたい」
 車まで来ていた。一朗は葉奈と手を繋いだまま足を止めて、尋ねた。余裕のある優しい笑顔で。
「俺のこと好き?」
 葉奈は頷いた。
 一朗は言った。「じゃ、今日両親に報告するから。いいよね?」
「いっちゃんとこの?」
「お前のとこの了解も取らなくちゃ。本当なら挨拶に行くところだけど。『お嬢さんと結婚させてください』ってやつ」
「ふうん。…私、いっちゃんのお嫁さんになるんだー」
「嬉しい?だろ?」
「うん」
「もう離れ離れにならないよ」
「うん」
 ようやく、二人は手を放した。車に乗るためには、離れ離れのドアに向かわなければならなかったから。
 車に乗り込むと、一朗はまるで待ちかねていたように、葉奈に口づけをした。
「さあ、葉奈の番だよ」
 初めてのキスの後、葉奈が返してくれたことが今でも心に残る彼は、彼女に毎回お返しを求めたが、大体はぐらかされている。
「三回お休みでいい」と、葉奈は言った。
「じゃあ一回」と、言って一朗はまたキスをした。
「今日はもうおしまい」と、葉奈は言った。
「何でだよ」
「恥ずかしいもん」
「誰も見てないよ」
 車は、なかなかスタートしそうになかった。
29

第V部「四月 しあわせの始まり」第1章まで
(一朗の物語の前半)が終わりました。
いかがでしたでしょうか。

明日からは
“星の家”のワンツーコンビ
治郎の物語を挿入します。
それが終了次第
続きの章を、お送りします。
お楽しみに。
前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次                        
  登場人物の確認は家系図で→ [三月さくら 家系図]



よいい一日 よい夢を

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写真は梅花爛漫。
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大池公園 梅
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無断転用はご容赦願います



プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
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2017年04月06日

13 愛が根付くまで3  《 四月 しあわせの始まり》 【三月さくらV1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
名残りの雪。
 

一朗と葉奈の決定的なシーン、
今日はその続きから…★


 一朗は息をふーっと吐くと、また言った。
「葉奈、愛している。結婚して欲しい」
「やっぱり、プロポーズ」
「そうだよ。…答えてよ」
「はい」と、葉奈は言った。
「よかった」と、一朗は胸を撫で下ろした。
「嬉しい」と、葉奈は言った。「子供の頃からいっちゃんのお嫁さんになりたかったの」

 一朗はほっとした思いで葉奈を微笑んで見つめた。いつかの失敗も今なら口に出来る。
「あの時は泣かせちゃったよな。どうして泣いたのか、いまだによくわからないけど。お前にとって、両親が大切だってことはわかったよ。
 これからも、少しでも力になりたい。俺にとっても大切な人たちだから。俺が父さん母さんと縁が切れないように、お前と両親は一つなんだな」
「ありがとう、いっちゃん。いつも優しくしてくれて。…あの時はいろんな思いが出て来ちゃって。
 八年間、淋しくって、誰にも言えなかった反動かな。誰からも大切にされたことがなくて、もちろん父と母は私のこと気に掛けてくれたけど、例えば褒められたとしても、心が冷めてく感じだった」
 葉奈はそれまで一朗に言わないできた心の内を話し始めた。
「あの時、いっちゃんに会えて、本当に夢のように嬉しかった。だって、ずっと本当にずっと会いたかったから。どんなに淋しかったかわからない。
 家も居心地が悪いし、優しくしてくれる男の子たちの誘いに乗っちゃおうと思ったこともあった。でも、いっちゃんにまた会いたかったから。会えるかどうかもわからなかったけど、いつか会いたかったから、できなかった。淋しかったけど」
「葉奈」一朗はテーブル越しに葉奈の手を取った。
「会いたいから、帰ってきたのに、いっちゃんは、おうちにいなくて」
「俺もずっと会いたかった。なんで俺がアパート借りて、家に帰らなかったか知ってるか?空家のお前んちが目に入ってくるだろう。梅の木も。お前を思い出して辛くなるからさ。どこで何をしているのか。まさか病気とか事故とかしてないか、とか」
「ごめんね。心配してくれてたんだ」
「俺こそ忘れられてると思ってた。マスターのオムライスを食べながら、『最近のうちのオムライスはデミグラで…』ってお前が手紙に書いてただろう、女々しいって思いながら…」
「思い出してくれてたの?」
「そんな時、お前がどこかで泣いてたのかな?」
「泣いてなかった。涙も出なかった。泣くなんて忘れてた。泣く場所がなかったから。お腹の底から笑ったり、怒ったりすることもなかったかも」
25

過去の思いを話しながら
もう、未来に向いて
二人で歩けるのでしょうか
↓引き続き次の回も、お楽しみください。






里山に春のきざし。


プロポーズを無事に終えた
一朗と葉奈。
昔のことも
笑いながら話せるようです★


「泣き虫の怒りんぼのくせに、昔から。今もそうだろ?それ以外の時はいつも笑ってばかりいたじゃないか」
「箸が転んでもおかしい年頃ってあるけど、あの頃のようには笑えなくなっちゃった」
「そんなことないさ。きっかけさえ掴(つか)めれば、お前は前のままの葉奈だよ。もちろんお互いそっくりそのままというわけにはいかないけど。もう大人なんだし。最近はマジよく泣いたり、笑ったりしてるじゃないか」
「家に戻ってよかった、いっちゃんと会えて。ようやく自分を取り戻した感じ」
「これからは我慢しないで泣いたり笑ったりすればいいさ。それが自然だろ」
 笑顔の葉奈の顔に、涙がにじみ始めた。
 一朗は、優しく言った。「泣いてもいいよ。今なら受け留められるから。あの時はどうしたらいいかわからなかったけど。返事ももらったしさ」
「もうね、プロポーズしてもらえないかな、なんて思ってたけど」
「んなわけないだろ。ただ前に答えてもらえなかったので、かなりメゲテたから、そうとう覚悟が必要だった。葉奈に頑張って、て言われたから、ようやくその気になったんだ」
「プロポーズのことだったの」
「そうだよ」と、一朗は笑った。

「なぁ、もしかして、お見合いのこと、気にしてた?」
「おばさんからも、いっちゃんは嫌がってたのを付き合いで会っただけだって聞いたから」
「俺もそう言っただろ。母さんの話だと信じるんだな。気にしてたんだろ?」
「…」
「だろ?」
「うん。見た時はショックだった。いっちゃんは私の幸せだった頃のシンボルみたいな存在だったのね。八年振りに会えたと思ったら、私にも気付かないし、お見合いしてるのを見て、私とは関係のない人だったんだって。心が冷め切っていたはずなのに、あの晩はちょっと眠れなかったな」
「泣いた?」
「うん」
「泣いたことなかったのに?」
「そうね」
「実はね、俺もあの晩眠れなかったんだ」
「…どうして?」
「お前の顔がちらついて」
「だって私だって気が付かなかったでしょ。ろくに目にも留めてなかったのに」
「あの時は時間がなくてさ、ちらっと見ただけだったし、あの小さい葉奈と同じ人だと思ってなかったんだけど、お前んちの灯りが点いてるのも気になったし、何か心がわさわさ騒ぐ感じで、とにかくお前のことが浮かんできて、眠れなかったんだ。車に乗ってきてびっくりした。葉奈だってわかって納得した。なんで心がわさついたのか、一致したんだ」
26

お、あの時のことですね
二人の再会の日のこと
ちゃんと説明してもらいましょう
前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次                        
  登場人物の確認は家系図で→ [三月さくら 家系図]




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2017年04月05日

12 愛が根付くまで2  《 四月 しあわせの始まり》 【三月さくらV1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
2011.02.22 大池公園 梅


葉奈の父の誕生日に、
母や弟がやってきて
万事うまくいくと思っていた一朗ですが
葉奈の両親のケンカを目の当たりにして、
ちょっと動揺しているようです★


「でも不思議だよね、嫁姑というのも。いつの間にか常葉さんも、お義母さんによく似てきたよ。息子べったりなのが、まずそっくりだよ」
 一朗の母はそう言いながらも、「何とかなるものなら何とかしてあげたいからね」と、早速電話して常葉と話を始めた。
 母は家に寄るようにしきりに誘って、どうやら断られたらしかったが、臆することなくさっき一朗に言っていたことを、直接、常葉本人にアドバイスするのだった。
 そして、「愚痴を言いに来なさいよ」と、再度誘った。
「じゃあ、肇さんのいない昼間ならいいでしょ」と、とうとう約束を取り付けていた。
 一朗の父も言った。「それじゃ、俺は肇さんを誘うかな。趣味のない人だから。あの人こそ無口で言いたい事を言えないんだ。あんな別嬪の奥さんになら、きれいだと言うのも言いやすいだろうにな」

 さて、母と弟が帰って行った後、葉奈と話してみると、一朗が思っていたのとは違い、彼女は両親のことに動揺を見せてはいなかった。
「母が来てくれたのよ。それだけで十分嬉しかった。父とは何も話さず帰ると思っていたのに、喧嘩してくれた方がまだいいの。会話がないことの方がおそろしい」
「へぇ、そうなんだ」
「私が落ち込んでると思った?」
「うん、まぁショックかなぁと思って」
「これくらい、麻痺しちゃうくらいよ。両親が同じ部屋にいても話をしないんだから、私たちを通してしか。一緒に暮らさない方がマシって思えるくらいだった」
「じゃあ前進したってこと?」
「そうよ」
「よかった」
「私もね。親離れしようと思って」
「だからか。パパ、ママって呼ばないんだなぁと思っていたんだ」
「呼び方から変えないとね」葉奈は微笑んだ。「いっちゃん、ありがとう」
「俺は何も」
「心配かけたでしょ。両親のことはまだこれからだけど、私はもう大丈夫」
「…?大丈夫って?」
「大丈夫。もう前みたいなことで泣いたりしないから」
 一朗は、瞬時に戯言のようにプロポーズした時のことを連想し、顔がカッと熱くなったのを感じた。
23

さて、明日はいよいよ…
とっておきのシーンです。
お楽しみに!
↓引き続き次の回も、お楽しみください。






竹梅。


さあ、特別な時が近づいています★


 あの時は、よく、あんなことが言えたよな、と我ながら思う一朗だった。いよいよ本物のプロポーズをしなければと、心の中で思った。
 その時、葉奈が言った。「いっちゃん、頑張ってね」
「…何を?!」一朗は思わず聞き返した。
「何か頑張ろうとしてたでしょ」
 プロポーズのことをだ。
「私が頑張って、て言うといっちゃん、とっても頑張るのよね。運動会でもマラソン大会でも」
「そうだよ。葉奈に言われると本当に力が湧いたよ。マラソンなんか、自主トレしてたんだから」
「うん、知ってる。走ってるいっちゃん、ホントにカッコよかった。…だから頑張ってね」
「うん。じゃあ明日だ」
「明日?みどりさんたちの所に行くのよね」
「ああ、それは午後だから、その前に迎えに来るから」
「うん、何時頃?」
「朝十時とか。早くなるようなら連絡するよ」
「わかった。朝からお出掛けか、楽しみ」

 一朗はいつものごとく星一に相談した。
 明日は!と、心に決めて、落ち着かない夜を過ごした。

 翌朝、一朗は星一からの電話で目を覚ました。
「予約しといたからな。もう十時だぞ、そろそろ起きろ」
「あー!もう約束の時間だ」
「朝弱いからな、お前は。予約は十一時だから充分間に合うよ」

 無事にその時間には、一朗は葉奈と共に予約の店にいた。給仕がウォーターグラスを置いて去った後、一朗が緊張して話し始めるのをためらっている時、花束が届けられた。
 一朗の名で葉奈に手渡された花束を見て、彼女の目は輝いた。「まぁ素敵。ありがとう、いっちゃん」
 星一が気を回したに違いない。一朗はありがたくその雰囲気に便乗した。
「葉奈」と声を掛けると、彼女はまっすぐに一朗の目を見つめてきた。
「ずっと側にいてくれる?」
 葉奈はきょとんと目を見開いていたが、「それって」と、つぶやいた。
24

いよいよここまで、こぎつけました
もうクライマックスです揺れるハート
前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次                        
  登場人物の確認は家系図で→ [三月さくら 家系図]




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