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2015年10月22日

42 かすみの十年日記より  [THE PAST POST] 時の追いかけっこ

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[THE PAST POST]  
▼△時の追いかけっこ△▼
秋の贈りもの、あなたへ。


今日は、お話が戻りますが、
X-day以前のかすみの
十年日記より切り取りました★



<かすみの十年日記より>



 小学校の頃、私のひらがなの名前が大嫌いだった。お祖母ちゃんの名前をもらったんだから、「澄」をいれてくれたらよかったのに、といつも思ってた。
 学校で、消しゴムで作ったハンコ。ひらがなはいまいちで逆に彫りにくいので、「澄」って彫った。ちょっと難しかったけど、上手にできたから、使ってみたかった。
 斉藤先生への手紙に押してみたら、結構さまになって、名前は「澄子」っていうことにして、だって最初は五年後の先生だって知らなかったから、誰か知られたくなかったし。



 先生と澄子が待ち合わせた店に行った。
 最初は先生が、私と会って、喜んでいる様子なのが嬉しかった。
 会う約束が嬉しくて、なんだか舞い上がってしまって。
 でも、おかしいなって。澄子だと気づいていないし、澄子と会えないことも気にしていない。
 どういうことだろ。複雑な気持ち。



 同じページの五年前の日記を読んでみると、先生としょっちゅう手紙をやり取りしている。うらやましい。 先生が好きな人に告白するための相談、本気でしていたんだね、あの頃は。今ならとてもできないよ。
 先生がどういうつもりで私と会っているのか、会えば会うほどに分からなくなる。五年後の先生に聞けば分かるはずなのに、音信普通だから、しかたがない。



 9月23日。私の二十歳の誕生日にした約束。
 今の先生に会うより、ずっとずっと楽しみだったりする。おんなじ先生に会うのにね。
 この間は、澄子だって言えなかったから、気づいてもらえなかったけど、でも今度はそうはさせない。澄子はかすみって伝えよう。
 五年前に、その日来なかったと聞いた時には、大人になって事情ができたのかもと思ったんだけど、今考えても、私が約束を守らないなんて、信じられない。
 五年も大切にしてきた約束を。ありえない。
 それとも、逃げ出しちゃったの?あんまりに楽しみな日だから???



 もう、誕生日まで待てない。
 先生が誰かに告白する時が近づいている。
 日記を見ても、五年前の澄子も正確な日や時間は聞いていなかったから分からないし、聞くこともできないけど。
 澄子がかすみだと知ったら、すべて魔法が解けてしまいそう。だから、怖かった。
 でも、伝えるしかない。


 [THE PAST POST]
▼△時の追いかけっこ△▼

↓これ以前のお話は
目次 からどうぞ


よい一日 よい夢を

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写真は:秋の贈りもの、あなたへ。
by (C)芥川千景さん
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posted by kuri-ma at 08:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 (再UPなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月12日

58《大作、一挙公開!》 初めての…喧嘩(!) 十七章 夏の踊り 秋の舞(3) 「雪洗友禅物語」《婚約・結婚篇》

今日は一挙3話掲載します!
小説 ▼△ 雪洗友禅物語 △▼
ゆきあらいゆうぜんものがたり

萩簾。


幸せな日々、気分のいいこと続きだった圭一ですが
なぜか、その日から
よい方に回らなくなったような…★


初めての…喧嘩(!)



 結納も済み、毎日のように会っては、どこかに出掛けていたある日、それは起こった。予兆のようなものは、今考えればあったのだが、それは突然起こったように感じた。
 そして、起こってしまうと、その勢いは止まらず、取り返しがつかず、収拾がつかず、元に還すのは、絶望的のような気がした。
 香苗が泣いて帰ってしまった後も、思い通りにならない、自分と相手の両方に腹立たしかった。次第に香苗が言い残していった「ついていけない」という言葉が大きくなり、後悔と、でもどうしたらいいかわからない戸惑いとがふくらんできた。苛立って、仕事も手に付かずにいる時、遼平から携帯に電話が入った。
「痴話喧嘩?」と、いきなり訊かれた。
「お前が言うと、下世話に聞こえる。」
「香苗、泣いてるけど」
「そう」
「何泣かせたの」
「泣かせるつもりはなかった。まぁ、ちょっと私が怒ったから」
「圭兄が怒ったの?へぇ」遼平は驚いたようだった。
 一呼吸置いて、彼は聞いてきた。「なんで?」
 あまり聞かれたくもなかった。それになんで怒ったのか自分でも説明できなかった。
「たいしたことじゃないさ」
「まさしく、痴話喧嘩だね」
「そういう言い方するなよ」
「するよ。婚約したんだろ?…ねぇ、最近二人でちゃんと話してる?男としてはあちこち連れ出すのが愛情表現でも、女は手握って、愛をささやいてあげないと」
「ついていけないって言われたよ」
「ほー、それこそ、どこまでもついていきたいと思っているからこそ、出る言葉だよ。優しくしてあげなよ、ちゃんと言葉に出してさ」
 そうだろうか。
「男は一度言えばいいって思ってるんだけど、女は毎日何度でも言ってほしいらしいよ」
 そういえば、しばらく愛していると言っていない。そのせいで、私自身も枯渇していたのかもしれない。言わないと言いづらくなる。そして言いたくなくなってくる。何かわからないが、白けたような思いがしていた。
 その日は、そういえば、何か正体不明の苛立ちがずっとあって、香苗と会っても晴れなかった。遼平にはちょっとと言ったが、果たして私は、今まであんなに激怒したことがあっただろうか?少なくとも、香苗の前では初めてだった。
116


圭一が激怒…!
ケンカですか。
犬も食わないと言うケンカもあるようですが
さて、このケンカは
どうなるのでしょうか。
引き続き、↓次の回もご覧ください。







ほおずき


ケンカしたようですね。
ケンカの原因、
そして圭一が怒った原因は
いったいなんだったのでしょうか★


 もう泣かせはしない、と誓ったのに、こんなにあっ気なくも、簡単に破ってしまい、後味が悪い感じだった。
「じゃあ、香苗とは仲直りしてよ。早いほどいいんだからね」と、遼平は言って、電話は切れた。
 私は電話を終えたまま、しばらく携帯を見ていた。ディスプレイはやはり香苗の写真にしてある。その彼女の顔をひとしきり眺めてから、電話を掛けた。
 呼び出し音を何回も数え、もう出ないのかな、と思った時、香苗が電話を受けた。
「…もしもし」と、かすれ掛かったような声がした。
「…もしもし?もしかしてまだ泣いてた?」
「…」
「ごめん」と、一言言うと、愛おしい思いが湧いてくる。さっきまでのいらだちは収まっていた。
「会いたいな。夕食でもしよう」
「だめよ」と、香苗は言った。「もう、お母さんがご飯の支度しちゃったわ。圭兄ちゃんのとこもでしょ。無駄にすると申し訳ないから」
 そう言われても、そのまま会わないつもりはなかった。私は、和泉家を訪ねた。香苗の母が喜んで迎えてくれた。
「お母さんの食事が頂きたくて、来ちゃいました」
「圭ちゃんにお母さんって言われるなんて、嬉しいわ」
「これ、家の夕食。カナが無駄にすると母に悪いというので」
「まぁすごい」
 夕食の準備が出来たところだったので、私がもくろんでいた通り、高校生の頃は時々そうだったように、一緒に食卓を囲むこととなった。
 香苗はいつもより黙りがちだったが、和泉家の明るい食卓を、共に囲むのは、楽しかった。夕食の後も、楽しく歓談して時を過ごしてから、帰ることにした。
 玄関のドアを閉めると、香苗の手を取った。向き合うと、香苗は俯いてしまう。あごをそっと引き上げて、口づけをした。そして、抱き締めた。
「愛しているよ」しばらく言ってなかったその言葉を囁くと、胸の波動に襲われた。もう離れたくない思いを断ち切るように、その日は別れた。
 婚約したということ、婚約者がいるということ…。その晩ベッドに入っても、私は香苗のことを思い出し、なかなか寝付けなかった。
 夜遅くに、私は長い長いメールを、香苗に送った。今まで口にしなかったこと、もう二度と伝えられないことまで、一気に打って送信した。
 もう一度、ベッドに横たわると、さっき「愛しているよ」と言った私の声が耳元にゆっくりこだました。
「愛している」私はつぶやき、その声に安心するように、いつの間にか眠りに就いた。
愛″という言葉には、やはりすごい力がある。私の理由のない苛立ちも消えさせるほどに。
117


ケンカの原因も不明なのに
圭一の中では解決したかのようです。
これほどまでに香苗を愛しているのですから。
一方、彼女は?
引き続き、↓次の回もご覧ください。






はぎ紅葉


初めてのケンカは
仲直りしたつもりの圭一。
一方、香苗の乙女心は
ちょっと複雑なようです…★



〈香苗の日記〉

  11月5日

 遼君に「けんかしたんだろ?」って言われたけど、けんかっていうんだろうか、やっぱり。昨日、圭兄ちゃんを怒らせてしまった。なんで、あんな風に、圭兄ちゃんの機嫌が悪かったんだろう。かなも、ちょっとキツイことを言ってしまったし。
 電話が掛かってきて、ごめんって、それだけで終わると思ったら、うちの夕飯の時間に現れて、とても嬉しそうに一緒に食事して行った。ママから料理、しっかり教わっておかなくっちゃ。
 帰る時、そこまで送って来いと、遼くんにうながされて、一緒に玄関を出ると、圭兄ちゃんはいつものすごく優しいお兄ちゃんで、キスして、ハグして、愛してるって言ってくれた。
 夜遅くというか、ほとんど夜中に、メールが届いた。京都で会社員だった頃のことまで、私にごめんって。やっぱり、お兄ちゃんもさみしくって、つらかったんだね。私が子供だったから、お互いどうしようもなかったのに。
 これから、お兄ちゃんの心のさみしさ、私が埋めてあげれるんだろうか。
 仕事が終わったら、すぐにお店に顔を出して、会うつもりでいたのに、何か会えないって気持ちになって、家に帰って来てしまった。どこか、圭兄ちゃんの目につかないところに隠れていたい気持ち。なんか恥ずかしくて、顔を合わせられない。こうしていたら、圭兄ちゃんがまた家に来るかもしれない…なんて思って、啓子を呼び出してしまった。
118


真珠貝の告白

しっかりと閉じていた
真珠貝がその口を開く時
中に隠されていた珠玉は
輝きを放つ

砂を一粒 呑み込んでから
大切に育んできた真珠の玉
愛を一粒 吞み込んでから
ずっと隠してきた僕の心
波に揺られ 潮に流され
耐えて来た

泡が立つのは
この愛がうずくから
心が震えるから

この愛を君に明かそう
固く閉じていた心を開こう
大切にしまってきた
僕のこの思いは
もう真珠の玉のように
大きく隠せなくなっているから

砂を一粒 呑み込んだことは
大切な僕だけの秘密だった
愛を一粒 呑み込んだ時
ちっぽけだった僕の愛は
痛みも渇きも 淋しさにも
耐えて来た

涙が流れるのは
海の水に浸かりすぎていたから
君を求めすぎて
心が干上がりそうだから

錨を下ろそうと思う
波に漂いながら 潮にもまれながら
岸を恋焦がれた

この愛を君に捧げよう
真実な思いは真珠のように
輝きを隠せなくなっているから
もしも受け入れてくれるなら
僕の大好きな笑顔を見せて


圭一の愛は海よりも広く…?
香苗の想いは秋の天気のようにつかめません
ケンカの波紋はまだまだ続きます

「雪洗友禅物語」の登場人物と
あらすじは ↓ から
「雪洗友禅物語」登場人物

雪洗 家系図1
作品講評*あらすじ*「雪洗友禅物語」

今までのお話
こちらから↓ 
雪洗友禅物語「目次」《大作、一挙公開!》版




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2013年06月20日

《特別編集32「眠り姫と眠り王子」》 ニュームーンの反乱(4) 丹波野エンゼルフィッシュ 【三月さくらY4-2】


窓辺。


今日は志道のピアノ演奏からスタートです♪
休日の“星の家”。
ピアノの似合う
場所になりました★


 彼が弾き始めると、皆が潮に引き寄せられるように集まって来た。志道の創る世界は、確実に人の気持ちを捉えるものがあるようだった。
 志道は活き活きと演奏した。
 碧斗が志道を見ながら呟いた。「やっぱ、オーラがあるんだよね。デビューさせないのは、惜しいな」
「そう思うでしょ」と初樹もそれを聞いて言った。「何かいい方法がないかな。三和のお祖父さんも乗り気なのに」


「本当にそうなるなんて」
「言ったでしょう。信じてなかったんですか?」
 志道はさちとそんな会話を交わしていた。k出版との和解が成立して、事実上、火の車だったその会社は丹波野事務所のものとなった。
 志道は得意げに言った。「僕たちはあの会社を救ったんですよ。潰れかけていた会社を、かなり縮小したんですが、まともなものを作れと言い渡してあります。もうあの人たちは、僕たちの言いなりですよ。今まで、いい記事を書いたことがないから、どうしたらいいかアイデアで既に行き詰っているんですよ」
 さちに向かって、志道はとめどなく話し続けた。
「最初は動物園特集しろって言ったんです。次は空港。そしたら、言われないうちに今度は鉄道を回り始めて。麗美のコンサートに同行させたら、本当に喜んで、今は仲間になってるみたいですよ。“Jiro's Home”も本店の方と、音大横のライブハウスと、しっかり取材していきました。今度は“星の家”もって、しばらく内輪取材ですが。小さい出版社ですから、経費ないので」
「ふーん」
「今までは追う視点が違ってたんですね。コンセプトを全て変えてあげたら、さすがプロですよ。いい物を作るようになって。来月号から月刊誌は新生して再開できるはずですよ」

 そして、もうそこまで、大きく違う流れが来ようとしていた。
 発案者は碧斗だったが、今まで吹き荒れていたと思っていた嵐のような風が消し飛んでしまうような、新たな薫風を創り出して呼び込む内容だった。
 丹波野家の四兄弟姉妹が、三和家の別荘に集まった。ほぼ半日は屋外で、夕方以降は屋内で、ビデオ撮影をした。k出版からもカメラマンと編集者が同行した。
 四人は自由に休日を楽しみながら、自然な様子が爽やかなコマーシャルフィルムとなった。三和産業のイメージアップとしても、上々のいい出来上がりだった。
 K出版からは、CMの写真や密着取材の内容を月刊誌に載せたことも、さらに相乗効果を増し話題となった。
 メイキング・フィルムには兄弟姉妹たちとともに、治郎夫婦と、祖父の三和会長も姿を見せていたので、更に話題となり、三和産業とk出版のホームページに載せられた動画は、大きな再生数を叩き出した。ついにはそのDVDも発売されるほどだった。
 映像の中で余す所なく彼らの伸び伸びとした魅力が発揮されていたし、映像となっていることで真実感が増し、先の週刊誌での志道の悪いイメージは完全に覆された。
 碧斗は三和孝司にこう言ってアプローチしたのだった。「エンゼルフィッシュですよ、彼らは。見ているとその美しさや華やかさに魅了されて、いつの間にか癒されてしまう。会長の最高の持ち駒でしょう。ただ持っているだけでは、もったいないです。彼らなら、そこに立って話しているだけで、絵になるんですから」
 彼ら四人がCMの出演をOKしたのは、一重に愛する長兄、志道のためであり、祖父と三和産業のためだった。


丹波野エンゼルフィッシュのCMですか…!
志道のピアノ演奏も聴きたいですし
このCMも見てみたいです。



前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次

                        
登場人物の確認は家系図で→ [三月さくら 家系図]
家系図からは2年後となります。


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