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2016年12月03日

〈終〉 NEW!《最終章》 満願成就5 “星の家”に棲む妖精  【三月さくらZ-4-3】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
26412087.jpg


いよいよ
三月さくら最終章の
最終話を迎えました!
ハッピーエンドの結末。
シリーズの〆でもあります★



「おじさんたちもいけないよ。散々、この二年以上の間、僕にお見合いを受けさせようとしてたんだ、あの手この手でさ。それが急に、君の事を庇って方向を変えるだろう。今度はちゃんと乗ってあげたんだ。せっかくだからね」
「そんなことしなくても…」
「もっと早く言えばよかったって?…叔父さんたちは、自分たちがまとめたと思ってる。いいじゃないか。
 それから、みどりお祖母ちゃんから、聞いたよ」
「大ばあちゃんが?なぁに?」
「僕のシャツ、持ったままだろ?いつか店で濡らした時に貸したやつ」
「…うん」
「お祖母ちゃんもね、学生の頃おんなじようなことがあったんだって」
 みどりが学生時代、冷たいドリンクを入れたグラスをトレーごとひっくり返して、服が濡れたことがあった。後の夫となる星一が、来ていたシャツをさっと脱いで貸してくれた。
 みどりは、それをずっと隠し持って、家で部屋着にして大切にしていたということだ。
「君こそ、黙ってただろ。それに、いつも僕の話を盗み聞きしてただろ?」
「…聞こえてきただけ」
「まあいいよ。いいだろ、もう?」
 二人はその手を取り合った。お互いのことだけを特別に愛する存在を得た喜びで、心は満たされた。
「最近、大ばあちゃんと話したの?」
「うん、取材にね」
「取材?!…ああ、そういえば書きたいことって」
「“星の家”のこととかね、昔の恋バナとか」
「へえ」
「一族の歴史、って難しいものじゃなくて、なんというか、もうお伽話みたいだろ、みどりお祖母ちゃんが話すと」
 祖父・治郎の話を聞きながら育ち、周囲が亡き父の話をしてくれたし、いつも母の傍で楽しい話をすることを心掛けてきた。成長してからは、生前の、初代マスター・星一の話、長寿を全うした一朗の話の聞き役を務めてきた志郎だった。
 治郎、志道、志郎。彼の中には、三代にわたる“星の家”ファミリーのすべての物語が集約されてあるのだった。
 彼が物語を集めていると知って、過去の人たちがやってきて、インスピレーションのように、物語を預けていくのだ。
 “星の家”には妖精が棲んでいて、一族を守ったり悪戯をしたりすると、魔女かもと思われているみどりは言う。また、月命日、そしてもちろん毎年の本命日を大切にしていくと、そういう日には、亡くなった人の魂が、力を発揮するのだという。
「それからね、祈りは必ず聞かれるものよ」
 その日は、父の月命日であることは忘れていなかったが、奇しくも十二回目の満月に当たる日であり、このためにさちや、みどりが願掛けをしていた、満願成就の日であったことは、知る由もなかった。



三月 さくら待つ月、
四月 しあわせの始まり
シリーズの
最終章の最後になりました。
本当にこれで
お別れなんですね。
どうもありがとうございました!

           
             
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前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次
  登場人物の確認は家系図で→ [三月さくら 家系図]

  治郎が亡くなった頃の家系図です
   物語は21年後になります



プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に小説を書き始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
こちらから→幽霊っているんでしょうか



2016年12月02日

26 NEW!《最終章》 満願成就4 “星の家”に棲む妖精  【三月さくらZ-4-3】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
26412087.jpg


さて、2年半前
どうして二人は
行き違ったのでしょうか★



「今度は断らないで。前みたいに」志郎は再び言った。ようやく自分のことだったと恵理が理解したので、二年半前の話の決着がつけられるのだ。
「あの時はホントに予定があって…」
「嘘だよ、その時間に、君は空いてた」
「間際にその予定が流れたの」
「知らなかったから、誤解した。星の家≠フ集まりにも来ないから、敬遠されてると思い込んだ」
「バイトが決まって日曜は休めなくて」
「うん。後で知った。とにかく、誤解するから、断らないで」
 恵理が思い返すように言った。「…志郎さんには、きっと私の気持ち見透かされてると思ってた。そういうの、お見通しだからいつも」
「自分のことになると、全くわからないんだ。二年前に振られて、振られてなかったみたいだけど…」志郎は笑った。「待ってみようと思ってたんだけどね、その気持ちのどこかに、はっきり振られるのが怖いというか、とにかく君に関してはちょっと平静ではいられなくて…」
「まだ、信じられない。ずっと片思いだと思っていたから」
「僕もそうだよ。愛しているのは僕だけだって」
「子供だと思われているかと」
「というか、君は、愛に目覚めていないっていうか、純粋というか。僕の気持ちには気づかないと思っていた」
「気づくわけないでしょう。ポーカーフェイスなんだし。何にも言ってくれないし」
「そうだね」
「…あの時、また今度って言われたから、待ってたのに…」
「ごめん。君が、予定あると断ったのは、口実だったってすっかり誤解して、ショックだったんだ。それに君もあれから、“星の家”の集まりも、里帰りコンサートすら一度も来なかったじゃないか」
「きっと、あの時は軽く声を掛けただけで、もう忘れちゃったんだって思ってた」
「忘れてなんかなかったけど、ずっと誤解したままだったから。久し振りに、敬老の日の集まりで会って、やっぱり君が好きみたいだと思って、なんとかしなくちゃと思ったんだ」
「それで、どうしてお見合いなの?」
「やきもち焼いてくれただろ?わざと君に見せるように星の家≠ナ会ったんだし…」
「ちょっとひどい…」
「市原講師に話してるのを聞くまでは、君の気持ちはわからなかったよ」
「マスターに聞いたの?」
「直接聞いたよ」
 志郎はあの時、隠れて聞いていたことを、白状した。
「だって、どこにいたの?」
「君が座っていたソファーの後ろさ」
 恵理はおかしそうに笑った。「マスターも隠れてたのよ。どうして二人して」
「マスターはカウンターの下にいたね」と、志郎は言った。
24

昨日は間違って長く掲載しすぎたので
昨日読まれた方には
内容がダブっていて申し訳ありません。
また、前の2話は、加筆しています(12.2)。

明日は最終話です!

           
             
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  治郎が亡くなった頃の家系図です
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プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に小説を書き始め、その後ブログをはじめました。
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2016年12月01日

25 NEW!《最終章》 満願成就3 “星の家”に棲む妖精  【三月さくらZ-4-3】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
61255010.jpg


思いがけなくも
志郎に告白されて
涙が止まらない恵理です★


「君も僕のこと、好きだよね?」
 恵理がその目を瞬(しばたた)くと、涙の粒が溢れて流れた。そして、頷いたようにも見えたが、ただ俯いただけのようにも見えた。
「嫌い?」
 恵理は慌てたように、かぶりを振った。
 志郎は、心から嬉しそうな顔をして言った。「ちゃんと答えてくれない?好きか、嫌いか、言ってよ」
 恵理が顔をあげて涙を拭おうとする手を、志郎がそっと掴んだ。彼はもう片方の手でその涙を拭いた。
「…好き」と、恵理はようやく答えた。
「なんか不思議だ。初めてのはずなのに、前にもこんなことがあったような気がする」志郎は言った。
 そして、恵理に笑い掛けると、「ありがとう」と言って、その何かわからない懐かしいような思いと一緒に、恵理を抱き寄せた。
「ようやく、捕まえたよ。これで安心だ」
 恵理は、急に思い出した。
 上京して初めて会った時、志郎が恵理の弟妹(きょうだい)の話か何かで、笑いが止まらなくなったことがあった。ひょうきんな人ではないが、笑い上戸なのかも、と、その時思ったのだった。
 さっき志郎を楽しませ、笑わせたという女の子に嫉妬すら覚えたのに、それは自分のことだった。
「かわいい子だったよ」と言っていた志郎の言葉を思い出し、顔がカッと熱くなった。
 志郎が幸せなのは、見合いの女性のせいなどではなくて、恵理が理由だった。また、恵理の気持ちを知ったから、そんなに余裕でいられたのだ。
 志郎の幸せは、つまり恵理の幸せ、恵理の幸せが彼の幸せでもある。
 愛されているというのは、どうしてこんなに胸がいっぱいなんだろう。それよりも、その人を思いっきり愛してもいいという、そんな幸せなことがあるのだと、信じられない思いだった。
 恵理がなかなか泣き止まなくて、志郎はあきらめて、またピアノに向かった。
「私、志郎さんのピアノ、好きよ」と、演奏を終えた彼の隣に立って恵理は言った。「生まれた時からあなたのピアノを聞いていたのね」
「ああ」
「私思うんだけど、さっきの曲」
「『愛〜ひらめき〜』?」
「うん。お母さんが泣いちゃうのは、お父さんが亡くなって悲しいってこともあると思うけど、きっと初めて聴いた時のことを思い出すからじゃないかな?」
「君みたいに、泣いたのかな、母さんも」
「うん。忘れられないよ、きっと。私もそうだと思うけど。嬉しくて胸がいっぱいで」
24

亡き父が母に告白した
同じ場所で
やはり同じような
会話があるのは
気のせいではないようです。

一部加筆
また長く掲載しすぎたので
後半部分をカットしています
12.2

           
             
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  治郎が亡くなった頃の家系図です
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