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2019年09月12日

17 《時の追いかけっこ'19》 涙の手紙(love letter) ・最愛(1)  [THE PAST POST]


クライマックス!
再会はなるか!
[THE PAST POST]  
▼△時の追いかけっこ△▼
雨の物語。


X-dayを越えるため
彼が送った
一世一代の手紙。
そして、5年前のかすみからも…★



Leaves - コピー.jpg涙の手紙(love letter)



澄子こと かすみへ

 もしも君が待っていてくれるならその時に話したいことがある。
 いや、今言ってしまおう。絶対待っていて欲しいから。
 君を愛している。
 今まですまなかった。
 夢や勇気をもらっていたのはいつも僕の方だった。君のことに気付かずにごめん。君の気持ちを思いやれなかったことを、許して欲しい。
 もうすぐ本当に僕は君を失うかもしれない。君を失いたくない。
 だから絶対に中央公園には行かないで。いつも使う横断歩道を渡ってはいけない。いや、もう絶対にその場に近づかないでほしい。
 それから、その後も、僕に会いに来たりしないで。何か間違いが起こったりしないように。君の二十歳以降は、僕を探すのも大変だろうし、たとえ会えたとしても薄情な僕が君を傷つけるだろうから。
 僕には君を失った辛い五年間が必要だったんだろう。五年先を行ってしまった馬鹿な僕のために、まだ真心があるなら、どうか待って欲しい。
 そして、今ここにいる僕に会いに来て。ポストの前で待っている。
 待てと僕が強要はできないね。とにかく生きてくれればいい。



 私は、ずっと胸に当てるようにして持ったままだった、かすみからの手紙を、ようやく開いた。


五年後の先生へ

 お元気ですか?ご無沙汰でした。
 返事がないのにも慣れてしまったけど、
 もしかして生きているのか心配になります…



 そこまで読んで思わず呟いた。「それは、君の方だろ?」
 手紙はこう続いていた。


 先生、2年間とそれからこの4年5ヵ月の間、
 どうもありがとうございました。

 先生と手紙のやり取りがない間、
 こちらの5歳若い先生と、会って話すことが多かったんですよ。
 そう言ったら驚くかな。

 先生に話したら、どう思うのか、気になるけど、言います。

 先生にも、こちらの先生にも言っていないこと。
 私の名前は、澄子ではなくて、高山かすみです。

 今日、今から先生に会うんです。
 そして、私の気持ちや何もかも話すつもりです。
 文通している澄子は私だということ。
 そして、先生が好きだということ。

 斉藤先生、ずっと好きでした。
 今日、このことをもう一人の先生にも伝えます。
 5年後の先生が何も返事をくれないのは、
 そのせいかという不安はいっぱいだけど、
 会わないわけにはいかない。

 5年後の先生、先生がどうしているか、心配です。

 どれくらい、帰って来ないのか分からないけれど、
 日本に帰ったら、5年後のかすみに会ってあげてください。
 それから、私に早く手紙をください。

 4年半前、先生が突然いなくなってしまったのも、
 5年前の悲しい出来事があったからだって知っているから
 なんだか、その時が近づくのが怖い。
 終わりになりそうな予感がして、怖いんです。

 9月23日の先生との約束にもちゃんと行くつもりなんだけど、
 もしかしたら、やっぱり今日、私が話してしまうせいで、
 先生に嫌われてしまうのかも。
 でも、こっちの先生は、私が誰だか知らないみたいだから、
 そのせいではないのかも。

 返事をください。
 何も書かなくていいから、生きているかどうかわかればいい…



 かすみも、私の生死を心配している。おんなじような手紙をほぼ同時に出し合っていたことが、なんだか可笑しい。
33

♪涙のラブレター
A love letter from the past

引き続き次のお話もどうぞ↓






2015.06.05 和泉川  ナミテントウ


5年の時に隔てられ
また生死に隔てられていた
二人が
再び会えるのか?!
クライマックス・シーンです★



Leaves - コピー.jpg最 愛



 そこまで読んだ時、靴音が聞こえてきた。
 遠くから響くその靴音に気づくと、私は釘付けになったように身動きできなくなった。
 その音に耳を澄まし、神経を集中した。確実に近づいてきていると、その音が知らせていた。
 そして、とうとう、その姿が現れた。
 時のベールに隠されていた分、彼女は何か神秘的なものをまとっているかのように、この世のものとも思えないほどだった。
 二十四歳になったかすみの姿が、ゆっくり近づいて来た。二十歳の誕生日を迎える前に、手の届かないところに行っていた、最愛で唯一の存在。
「22組の澄子?」
「斉藤先生」
「待っててくれたんだね」
 かすみは頷いた。
「ようやく会えた。
 待たせてごめん」
 実際にこの目で見るまでは、本当に現れてくれるのか、信じるのが怖かった。
 さっき投函してから、わずかな時間での変化に感じるが、彼女は五年を通過してここにいるのだ。
 かすみは目に涙を浮かべて、近づいてきた。
 私の顔にも気づけば、また熱く流れるものがあった。
「かすみ」と、何度もその名前を呼んだ。
 私の腕の中に、一度は完全に失ったと思っていた、かけがえのない人がいた。
 これまで、私が求めてきたものが、この一人の女性だけだったのだ、と初めて理解した。彼女の死と共に死んだようになっていた私自身も、蘇ったような気がした。
 抱き締めた手をようやく緩め、今度は見つめた。その手を取り、かすれがかった声で言った。
「愛している」
 ずっと言えなかった言葉。5年前の告白のためのプラクテスがようやく実った。
「愛しているよ」

 この手がかすみに触れられるのが、信じられないことだった。確かに同じ時の中に、何も隔てるものもなく、こうしていられることが。
 じっと見つめて、その頬に手を伸ばした。顔を引き寄せて、唇を重ねた時、今まで触れられなかった分の何重もの思いが合わさっていくような、不思議な感覚があった。
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目次・小説と登場人物の紹介は こちら から



よい一日 よい夢を

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写真は:雨の物語。
by (C)芥川千景さん
ナミテントウ
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無断転用はご容赦願います



プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
こちらから→幽霊っているんでしょうか


 LOVE JAPAN

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posted by kuri-ma at 17:34| Comment(0) | [THE PAST POST] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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