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2017年08月11日

146 夏の忘れ形見 さちの娘みち8 ❀三月さくら2017❀  【三月さくらZ-3】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
2924336アガパンサス by digi-view.jpg


昂輝の何年越しかの思いが
ようやく
実る時が来たようです★


「嬉しい」みちが言った。
「…嬉しい、って?」ようやく彼は上ずった声で聞き返した。
 みちは昂輝を見上げて言った。「ええ」
「…ってことは?」
「私も昂輝さんが好きです」
 確かに両耳でその言葉を聞くや否や、抑えていた彼の思いは頂点に達し、彼女を強く抱き締めた。昂輝の心には、今まで味わったことのない感情がわっと湧いて来ていた。
 思ってもいなかった。よもや彼女が、自分の思いに応えてくれるなど。
 彼の目からも涙が溢れ、止まらなかった。絶対難しいと思っていたものが、180度回転して自分の許に飛び込んで来た。昂輝の腕の中に、得難いと思っていたみちがいた。

 しばらくして、二人はソファーに並んで座った。
「びっくりした。昂輝さんがあんなに泣くなんて。私の涙も引っ込んじゃった」
 昂輝は照れ笑いしながら言った。「こんな時は何度もないと思うよ、一生のうちでも。俺はずっと君が好きで、まさか君が俺の思いに応えてくれるなんて、思ってもみなかったんだ。嘘みたいだよ」
「ほんと、嘘みたい。私も、さっきまでは別の意味で泣きたい気持ちだったの。女優になんかなるんじゃなかったって、思って。これが、本当の昂輝さんよね」
「本当の俺?」
「いつも固いバリヤーがあって、役の中では優しいのに…」
「俺が君に冷たくしてたのはね、気持ちを抑えるために必死だったんだ。ああでもしないと、役にもなり切れなかった。ごめん。ひどすぎたかな?」
「きっと役作りのためなんだって思ってた。でも、役の中だけ幸せな恋人同士で、そのギャップが辛かった。ドラマが終わっちゃって、もう本当に女優もやめようと思ったくらい。今日昂輝さんが来なかったら、そうしたかも」そう言うと、みちは涙ぐんだ。
「引っ込んでたはずなのに」その涙を指で受けて、昂輝は優しい笑顔で言った。「女優をやめるなんて。俺のことと、女優は関係ないことだよね?」
「私にはね、同じことなの」みちは笑みを浮かべながら話し始めた。「…まだ高校生の頃、まだ恋に恋するようなそんな私に、優しくしてくれる素敵な人がいて、いつかその人がデートに誘ってくれるんじゃないかって夢見てたら、夢に終わってしまったの。突然現れなくなって、アメリカに行ったって知って…」
「ごめん」
「約束したのに」
「それ、もしかしてドライブの誘い?まだ有効だった?」
 みちの目にはまた涙が溢れ、もう声にならなかった。母親譲りで泣き虫なのかもしれない。
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泣いてばかりの二人ですが
なんとか思いが通じたようです
まだ…、続きます

引き続き、↓次の回もご覧ください。






5193956アガパンサス by parus.jpg


みちは昂輝のことを
いつから好きだったの?
今日は彼女が女優になった
いきさつが明らかに★


 ようやく涙の落ち着いたみちに、昂輝は尋ねた。
「女優の勉強はいつ始めたの?」
「あなたが渡米してから。その頃の私は、何をしたらいいかわからなくて。『ただ、かわいいってもてはやされる人になりたくないなら』って、私の好きな叔母さんが、『準備してなさい』って。そこらの女優さんよりきれいなの、この叔母さんって」
「Remiさんじゃなくて?」
「麗美叔母さんも素敵だけど、三和の叔母さんよ。会ったことなかった?」
「三和産業の社長夫人だね。一、二度会ったよ。君によく似ている」
「そうかな。叔母さんほどの美人はいないわ。
 でね、叔母さんに『準備しなさい』って言われて、『何を?』って思った時に、昂輝さんと同じことをやってみようって。
 そのために必要な基礎と思って、バレエとか日舞とか、演技もだけど、一通り習えるだけ習ったの。本当に女優になろうと思ってたわけじゃない。ただちょっと、あなたと同じ空気というものを感じたいというか…。ロミ・ジュリ≠フ話が来た時…」
 みちは、言葉を継いで言った。「相手役があなただって聞いて、思い切って受けることにしたの。…それに、ジュリエット役は二十歳未満しか取らないって聞いて、演るのは今かなって」
 それまで、黙って聞いていた昂輝は、みちの気持ちがわかって、更に彼女が好ましく思えてきてならなかった。
「ロミオとキスシーンがあるのは知ってた?」
 みちは急に恥ずかしそうに顔を伏せて、答えなかった。
 昂輝は重ねて訊いた。「どうなの?」
「最初からは知らなかったわ」
 みちも応酬した。「ドラマの監督が言ってたけど、昂輝さんは前のドラマの時、キスシーンは絶対やらないって言い切ってたんだって?昂輝さんは知らなかったの、この間のキスシーン?」
「知ってたよ。もちろん最初から知ってたわけではないけど、察しはついてた。あの監督なら当然だ。
 そうだよ、君とだから受けたんだ。役得というより、他の奴に君の相手役をやってほしくなかった。初めてだよ、あんなに素直に全て監督の言う通りラブシーンやったの」
 昂輝は、隣にすわるみちに更に近付き、ゆっくりキスをした。
「これは、役はかぶってないから」と、昂輝は照れ交じりに言った。「俺がね、二年半前、突然ここの集まりに来るのをやめて、アメリカに行ったのはね、実は丹波野事務所の社長にいろいろ言われたのが、こたえてね」
「初樹叔父さん?」
「そう。君と付き合うには、君の叔父さん叔母さんに認めてもらわなければ駄目だって聞いてね、志貴に頼んで話をしたことがあったんだ。相当手厳しく言われたよ」
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心が通じ合うというのは
いいものです
でも実はこの二人…
登場人物の確認は家系図をどうぞ。 
(さちの父、志道が亡くなった頃の家系図。この物語は、数年後の設定です)
  「三月さくら」シリーズ 前後のお話は こちらから。



よい一日 よい夢を

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写真は:「アガパンサス」by digi-viewさん
「アガパンサス」by parusさん
「写真素材 フォトライブラリー」からダウンロードしました
無断転用はご容赦願います




プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
こちらから→幽霊っているんでしょうか


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posted by kuri-ma at 05:47| Comment(0) | さちの娘みち 【三月さくら】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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