ぴかぴか(新しい)毎日クリックありがとうございます
にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へ にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ にほんブログ村 ポエムブログへ   にほんブログ村
 

2017年07月13日

120 もしも大人になったなら7  ❀三月さくら2017❀ 【三月さくら〜番外編〜】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
2009.06.07 明月院 紫陽花-1


麗美の不機嫌の原因は?
初樹は渡米することに
決めたようですが…★


 なぜだか機嫌の悪い麗美を持て余し、渡米の話は保留のままにして、後味の悪い別れをした後、初樹は空に電話を入れた。何かの時に、愚痴を含めて聞いてもらい、アドバイスをもらうのはよくあることだった。
 空は笑い飛ばすように言った。「麗美が?!へぇ、そうか。何でだと思う、お前は?」
「アメリカ行きが嫌なのかなぁと」
「分かってるじゃないか」
「でも、だからって俺も考えて決めたんだ」
「行くなっていうんじゃないさ」
「行くなって、言われた方が言いようがあるよ。どうしたらいいっていうのか…」
「どんな会話をしたか、話してみろよ、もうちょっと詳しく」
 聞き終わると空は言った。「お前、話す時、嬉しそうに言っただろ」
「かもしれない。自分ではいい選択したと思ってたし、決めたことですっきりしてたから」
「麗美に相談してたのか?」
「いや、してないけど」
 空は、ちっちと舌を鳴らした。「よく決めたねと、褒めてもらいたかったのか?」
「そんなことないけど、麗美さんもきっと分かってくれるって思ってた」
「お前、麗美の気持ちがわかってないようだな。恋人から離れるのに、寂しくないのか?」
「寂しいよ、そりゃ。でも…」
「麗美はどうだと思う?」
「もしかして、俺と別れたくないから」
「分かり切ってるだろ」
「だったら、言えばいいのに」
「それを言わないのが麗美だろ。というか、お前が言わせないんだ」
「母さんの話をしたのがいけなかったかなぁと」
「だから、そうじゃなくて、中途半端なんだよ。じれったいやつだな。まぁ、俺も人のことは言えないが、自分のこととなるとなかなか器用にはできないからな」
「わからないよ。いったいどうしたらいいと。…何、空兄も美和ちゃんと何かあったの?」
「あったのよ、それが…。いよいよプロポーズをしないと、永遠に口をきいてもらえない」
「喧嘩してるの?」
「喧嘩といえるかどうか。外堀から固め過ぎて、両親のご機嫌を取ってたのはよかったんだけど、美和がちょっとね…。俺の場合は『愛してる』って言うほど嘘っぽく聞こえるとか言われてさ」
「空兄の場合は言い過ぎ?」
「だって、愛してるんだからさ、表現しなきゃ」
「美和ちゃんは苦手なんじゃない、そういうの?」
「だからさ、プロポーズは思いっ切りシンプルにダサいくらいに決めようと思って。真心ってのが一番だろ」
「そうだね。頑張って。…でも、麗美さんにはどうしたらいいと思う?」
「いつまでお前はさん付けで呼ぶんだ?」
「いつまでって、変える必要あるの?そういえば、空兄も美和ちゃんのこと、さん付けで呼んでたよね、前は?」
「美和って呼んだ方が、俺の女って感じだろ?」
 その時、空に浮かんでいた三日月は、初樹が既にマスターした空直伝のスマイルのように、くっきりと口の端をあげて笑っているかのように見えた。
 初樹はその晩、空に細かく教授を受けて、翌日を迎えた。
13

空もいよいよプロポーズとのこと…
初樹は麗美の機嫌を
直すことができるでしょうか
↓引き続き次の回も、お楽しみください。







2009.06.07 明月院 紫陽花


ただ好きというだけではなくて、
もっと相手のことも
考えなければならないようです。
大人になったならば★


 麗美は日が暮れていく街を歩き、“Jiro's home”のドアを開けた。吹き抜けの二階に上がると、夕空が臨める。
 掛かった月は、少し膨らみかけた三日月で、麗美はふと初樹が笑った時の口を思い浮かべた。彼は笑う時、その目も可笑しそうに笑っているのだ。その幸せそうな笑顔を見ると、誰もが笑いをもらってしまうだろう。
 そして、彼女は、彼の言葉も思い出していた。
「君は、母さんのイメージなんだ」
「きっと君のことを、探し出したんだよ俺は」
「君にふさわしい男になる…」
 照れたようにそう言いながら、しかしいつものようには目は笑っていなく、真剣だった。彼の気持ちは、すぐ顔に出る。麗美のマネージャー業をするようになってから、笑顔でその思いをうまく隠せるようになってはきた。しかし、麗美には、微妙なその気持ちの違いが分かるようだった。

 初樹が来た時、黄昏ていく外の景色を見つめながら、麗美は佇んでいた。
 灯りは落とされていたが、階下から漏れてくる明かりと、外のもう暮れかけていく夕陽の明かりで、実用的には暗めかもしれなかったが、ロマンティック的(?)には十分だった。
 遠目、夜目は美しく見えるというが、ほのかな暗がりの中の麗美の後姿は、初樹が美しいと思うに十分だった。しばらく、ほんの数秒、彼は彼女を見つめてから、近づいた。
「だいぶ、待った?」
 麗美が振り向いて、自分の方を向いて笑ってくれる、それだけで満足してしまいそうな初樹だったが、今日は空から仕込まれたネタ通りに、うまくやるつもりだった。その緊張と気負いが知らず知らず顔に出ていることに、麗美は気付いても、本人は気付く余裕もなかった。
 ふいに、壁の灯りがついた。外は、日が落ちて一気に暗くなってきたので、その灯りが明るいと感じたのはほんの数秒で、間接照明だけの、ほのかな明るさが、黄昏時を延長しているようだった。
「さっき、初樹が入って来る所、見えたわよ」
「そう」
「夕方の空ってきれいね。いくら見ていても飽きない」
「そんなに待った?」
「ううん。時間があったから、いいのよ」
 初樹はやはり、いつものように、椅子に座る瞬間に、覗き込むように彼女を見た。その瞳の効果は、もうお馴染みとなっても、やはり有効に違いなかった。
 2階は普段客は入れないから、まるで二人だけの空間のようになる。二人はちょうど中ほどの席に座っていたが、窓際に行けば、外も見えるし、内側の席からは、階下のピアノのある小ステージを望むこともできる。
 生ピアノの音が聞こえている。空がここをと選んでくれた場所だ。曲ももちろん厳選してくれているはずだった。
14

ロマンティックな雰囲気
バッチリの中で
さて、初樹は何を…!
登場人物の確認は家系図をどうぞ。
    橘家家系図も参考にどうぞ
「三月さくら」シリーズ前後のお話は こちらから。



よい一日、よい夢を

クリックありがとうございます
にほんブログ村 小説ブログ 純文学小説へ
にほんブログ村
写真は:紫陽花-1
明月院 紫陽花
by (C)ひでわくさん
画像あるいはタイトルクリックで写真のページへ
撮影者の名前をクリックすると撮影者のページへリンク
撮影者に許可を得て使用しています
無断転用はご容赦願います



プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
こちらから→幽霊っているんでしょうか


【関連する記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/451656189
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック