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2017年07月12日

119 もしも大人になったなら6  ❀三月さくら2017❀ 【三月さくら〜番外編〜】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
2010.05.25 和泉川 紫陽花


初樹が心に決めた
卒業後の進路とは?
何に卒業するのでしょうか…★


 いつまでもこのままでいたいと、思う瞬間に限って、急流に乗ったようにいってしまい、いくらでも続けようと腹をくくった途端に、自分の出番は終わってしまうことがある。
 初樹は、学業に専念することに決めると、割り切ったように、その生活に切り替えて、麗美関連の仕事はきっぱり断ってしまった。
 もちろん、仕事を始める以前のようなことはなく、恋人となった麗美と会う時間まで断ったわけではなかった。今度は麗美の方が彼に時間を合わせてくれる。それだけでも、嬉しかった。
「不思議なんだ。マネージャーの仕事が辞められないくらいに思っていたのにさ、きっと大学行っても現場が気になって大変になると思ってたんだけど、結構平気なんだ。それどころか、忘れてたりする」と、初樹は麗美に言った。
 麗美は笑って「忘れられちゃってるわけ。…でも、そんなものなんじゃない?初樹は、一つのことに集中した方がいいわ。学生の時って、もう今しかないんだから」
 彼は、方々に気を回し、一度にいろいろなことをこなしてしまう方だった。治郎が重宝がるのも無理はない、貴重な存在だった。
「早く戻りたいから、頑張るよ」
 初樹にとっては、学業より、仕事の現場の方が性に合うようだった。

 そんな風に言っていた初樹だったが、実は卒業後には決めていることがあった。
 かねてから、喜多に誘われていたように、海外に出て、麗美のプロデュースのための準備をすることにしたのだ。
 彼が仕事を休むことになった時は、快い顔で送り出した麗美だったが、今回はそうはいかないようだった。
「麗美さんに反対されると、俺は行けなくなっちゃうだろ」
「…だって、もう決めてるじゃない。反対も何もない」
「麗美さんが嫌なら…」
「嫌なんて言ってないでしょ」
「うん。…じゃあ行っていいんだよね」
「…とっても嬉しそうなのね」
 どうも、麗美は喜んでいないようなので、初樹はそれ以上、この件には口を開かないことにして、別の話題を振るのだが、彼女は会話に気乗りがしないように口を噤んでしまった。
『やっぱり、なんか怒ってるみたいだな』と初樹は思った。いつも朗らかな麗美には見られない姿だった。しかし、怒っているかと訊くわけにもいかなかった。
 初樹は麗美の隣に座り、手を取った。「前に言ったことがあるよね。麗美さんの音楽が心地いいのは、母さんを連想するからって。音楽がって、ごまかしたけど、嘘だよ。母さんの顔は知らなくても、俺は平気だと思っていたけど、きっと麗美さんがいてくれたからだと思う。君が…」
 麗美のことを「君」と呼んだことは、実はなかった。そっと心の中で呼び掛ける時にしか。
11

↓引き続き次の回も、お楽しみください。






2009.06.06 追分市民の森 紫陽花-1


初樹にとっての麗美とは
どんなに大切な存在だったのでしょうか★


 初樹は言い直そうとして、また敢えてその言葉を使うことにした。「君」と。
「君は、母さんのイメージなんだ。俺ね、写真でしか母さんを覚えてないし、会うこともできないんだけど、だからいつも母さんを求めていたようなところがあると思う。前は認めたくなかったけどね。
 みんなに可愛がられてきたし、ばあちゃんたちもいるし、寂しいはずはないのにね。
 ある時から、気がついたら君を見ているのが、好きになった。麗美さんは俺にとってどんな存在だったかわかる?」
「…」
「俺の父さんもさ、母さんに会った時そうだったって。二人は幼馴染なんだけど、母さんは祖父ちゃんの転勤で、何年も会えなかったんだ。再会した時は、誰かわからなかったんだって。わかった時は、かくれんぼで見つけた時より嬉しかったって。それからずっと、父さんは母さんのことが好きで、今もそうだよ」
「イチおじさんは、本当に奥さん思いよね。いつも『俺と葉奈はね』って」
「父さんの口癖だよね。父さんが母さんを見つけたように、きっと君のことを、見つけたんだよ俺は。母さんを探してたはずなのに、いつの間にか、君のことを探してた。ガキって思われたくなくて、こういう話はしたくなかったんだ、ずっと」
「光栄よ。…でも、渡米するのと関係があるの」
「君のためにもっと力を付けたいんだ。君にふさわしい男になる…だから」
「行くことしか考えていないんだから」
「弱ったな、どうしろと言うの?一番いい選択だと思うのに…」
「もう大人になったから、私がいなくても平気だっていうこと。前は母親のように慕ってたけどって」
「そんなはずないだろ」
 いつもと違って麗美は何かにつけて突っかかってくる。渡米することが気に入らないのだろうか。母親を引き合いに出したのがいけなかったのか…。
12

初樹は
渡米するつもりなんですね。
大学を卒業し、
一人前の男となろうと
しているようですが、
それには
麗美の理解が必要なわけで…。
登場人物の確認は家系図をどうぞ。
    橘家家系図も参考にどうぞ
「三月さくら」シリーズ前後のお話は こちらから。




よい一日、よい夢を

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写真は:紫陽花
紫陽花-1
by (C)ひでわくさん
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無断転用はご容赦願います



プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
こちらから→幽霊っているんでしょうか


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