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2017年05月16日

69 《三月さくら》 微笑みの法則2 〜空&初樹7  【X-3】2017



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
休息。


二十歳の誕生祝に、
初樹がもらった最高のもの…
すべてが、
初めてのものばかりでした★


「本当?すごいよ。ありがとう、おじさん」
「麗美の相手をしてやってくれ。帰りは翌日の夕方の便だから」
 最悪のコンディションのはずだった初樹の顔は、これほどないというくらい輝いた。
「それから、頼みがあるんだが」と、治郎は言った。
「もうすぐ夏休みだろう。麗美のコンサートツアーを組んでるんだが、同行してもらえないか?俺たちが行けないから心配なんだ。マネージャー代わりということで、バイト料も出すよ。どう?」
「いいんですか?」
「頼むよ。悪い虫が付かないようにちゃんと見張ってくれよ」
 二日酔いの頭を抱えながらも、初樹は嬉しそうだった。

「せっかく、昨夜はご馳走を用意したのに」と、姉と祖母に文句を言われて、それをパクつきながら、彼は言った。
「シャワー浴びたら俺休むね。バイト決まったんで忙しくなるから」
 夏休みと言われたにも関わらず、初樹はもうすぐにでも始めるつもりだった。治郎の了承を得たのだから、鬼に金棒だった。

 治郎からは飛行機の席だけでなく、宿泊先のホテルも予約してあると聞いていた。翌日、初樹は揚々と旅路に着いた。彼の気分も、本当に空を飛ぶかのようだった。
 麗美への電話を終えた治郎に、空が声を掛けた。「いいの父さん、行くの楽しみにしてたのに?帰りは一緒に帰るつもりだっただろ?初樹の気持ちわかってて、譲ったの?」
「とりあえず、初樹なら麗美のところに送っても安心だろ?それにこのままでは初樹には歩が悪すぎるだろう。会う機会くらいあげてもいいかなと。あいつの母親が亡くなった頃のことを思い出してさ」
「みんな初樹には甘いんだよな。あいつはその頃のことを覚えてもいないんだぜ」
「母親にはもう会いたくても会えないんだから、せめて麗美には会わせてあげたくなったんだ」
「大判振る舞いだね」
 一方、父が来ないという電話を受けた麗美は、がっかりしていた。ちょっと心細いような思い、そんな中、初樹がやって来た。
「どうしたの?!」
「おじさんにチケットもらって。来ちゃったよ、とうとう」
「びっくりした。パパが来れないって電話があったところで。代わりに初樹が来るならそう言ってくれればいいのに」麗美は心なしか涙ぐんでいた。
「俺でもちょっとは心強いでしょ」
「うん。来てくれて、なんかホッとした」
「そう?」
14

なんだか
治朗の配慮を感じますね。
いいのかなぁ、治郎パパ、
初樹に譲ってしまって。
またとない父娘水入らずに
なったはずでしたが…。
↓引き続き次の回も、お楽しみください。






スプリングエフェメラルからゼフへ。


二十歳になりたての初樹。
初恋進行形の相手、
麗美には会えましたが…★


「おととい、誕生日だったでしょ?」
「覚えててくれたの?」
「ごめんね。戻ったら約束通りお祝いしようと思っていたの。今晩できるわね。泊まるんでしょ?」
「函館ビューホテルって」
「同じよ。父と帰る予定だったんだけど」
「もしかして」初樹は帰りのチケットを取り出した。「受け取った時は気がつかなかったんだけど、帰りが二枚あるんだ」
「じゃあ、一緒に帰りましょう」
 その晩、初樹がどれだけ天にも昇る思いだったか。
 コンサートですでに、恍惚に達するくらい感動していたし、“Jiro's home”以外に酒を出す店を知らない彼が、ホテルのバーにいること自体、場違いのような気がした。
 ほの暗い中に、麗美の優雅な美しさを、照明が際立たせていた。
 二人で乾杯して、麗美がにっこり笑って「おめでとう」と言った。
「麗美さんが最初だよ、おめでとうって言ってくれたの」
「まぁそう?一昨日だったのに?」
「最初にお祝いしてくれるって、約束だっただろ。ありがとう。嬉しいよ」
 彼は一杯だけ飲むと、早々に席を立った。一昨日の失態も頭にあったし、飲みすぎて意識を失いたくなかった。こんな幸せな場面場面を胸に刻んでおきたかったから。
 それに明日のこともあった。

 ホテルにチェックインした時、治郎からの伝言が届いていた。
「明日はもうすでに予約済みの予定があるので無駄にしないように、予定通り麗美を家に送り届けてほしい」というもので、昼食の予約場所が添えてあった。
 明日は一日麗美と過ごすことになる。ただ、コンサートを聴いて顔を見ることしか考えずに来た初樹にとって、これは思ってもいないことだった。
 部屋に戻ると、空に電話して意見を求めた。
「まぁよかったじゃないか。父さんも俺たちも行けないんだから、お前に白羽の矢が当たったんだよ。父さんもお前のことを信頼してるし。…いいんだよ、楽しんできたら」
「そうは言うけど…」
「まぁ麗美の喜ぶようにしてあげることだな。そうしつつ、ちょっと自分のよさも適度に主張しておくと」
「そんな難しいことできないよ」
「なに、いつもお前がやってることを言ったまでだよ」
「えっいつもの俺?」
「いつもお前は自然体で麗美に接してさ、褒めたり喜ばせたりしてたじゃないか。そして必ず何か上手にねだったり、約束したりしてたろ」
 そうだったかもしれない。
「それでいいんだよ。いつも通り、いけよ」
 そんな風に空に励まされた初樹は、少しの不安を抱えながらも、幸せな夢を胸に床に就いた。
4

さぁ、明日は…!
初樹の高鳴る胸の鼓動が
聞こえるようですね。
登場人物の確認は家系図をどうぞ。
    橘家家系図も参考にどうぞ
「三月さくら」シリーズ前後のお話は こちらから。



よい一日、よい夢を

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写真は:休息。
スプリングエフェメラルからゼフへ。
by (C)芥川千景さん
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無断転用はご容赦願います



プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
こちらから→幽霊っているんでしょうか


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