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2012年05月16日

兄妹時代 1「シャボン玉飛んだ♪映り込みの家庭(いえ)」《後編》32


2011.09.01 和泉川 草むらに魚眼


待ってました!
「鳴沢3兄妹揃い踏み」です★


  兄妹時代

 菜波が上京して、そこから鳴沢家の3兄妹の生活が始まった。
 男のたまり場だった、むさいアパートの全てを変えることはできなかったが、妹のために、兄たち二人がしっかり窓を開けて掃除をした。とても久し振りの掃除で、簡単にはすまなくなってしまったが。
「ボロとは聞いていたけど、本当ね」と、菜波は言った。「でも、お兄ちゃんたちと暮らせるのは嬉しい。大学からも遠くないし、この辺りの雰囲気も好き」
 菜波はそれまでのお下げ髪を、あごまでのラインに切りそろえて、好奇心旺盛のその瞳を輝かせていた。「でも、この部屋、なんか臭い」
「臭いって、一応掃除して空気も入れ替えたぞ」と、航平が不平をいう。
「男臭いっていうやつ?」と拓海。
「そのうち慣れるさ」と航平は言うが、余計に嫌な顔をされた。
 菜波は掃除に精を出し、そのせいか、数日経つうち臭いは気にならなくなった。
「やっぱり、慣れたんじゃないか」と、航平が言うと、
「そんなわけないじゃない。航兄わからないの」
「芳香剤のせいだろ」
 菜波と航平のやり取りを、拓海は微笑んで聞いていた。気のせいではなく、この二間そこそこの(不動産屋では2Ldkと謳っていた)空間が菜波が来てから変わったような気がする。空気が変わったと言われればその通りかもしれなかった。
 田舎から出てきた菜波は、瑞々しい18歳の女の子の感性と、日なたのような暖かいエネルギーを運んで来ていた。
「菜波がいるとテレビもラジオもいらないな」と、拓海は笑った。
「本当だよ。しゃべり続けで、うるさすぎる」と、航平も言った。

 菜波が初めて大学街の喫茶店を訪ねたのは、もう大学が始まってしばらくたっていた。
 嬉しそうな菜波の様子に、拓海が言った。「高級な店に行くんじゃないのに」
「だって、お客さんとして行くなんてそれだけで嬉しい」と菜波は言った。実家の母が店を切り盛りする様子を見て育ったから、コーヒーの匂いが落ち着くのだ。
「それに、こんなイケメンのお兄ちゃんと出かけられるなんて、お祖母ちゃんに言ったら、羨ましがられちゃう」
 航平がバイト中で働く姿も、菜波は初めて見た。「案外、航兄ってマメに動くのね」と、感心して菜波が思わず口に出した。「ママに言ったら、お店手伝って、って言うかも」
 星一が声を掛けた。「おい、航平、そこに並んでみろよ」と、拓海と菜波の間に立たせた。「ようやく揃ったな。鳴沢3兄妹」
 星一は、正直、拓哉にそっくりの拓海と、大吾と佳織の子供である航平と菜波を見比べては、昔が甦るかのような気がしたが、何も知らないはずの菜波の手前、もちろん口には出さなかった。
32


三人は、もちろん親とは別の個性をもった
存在ではありますが、
なぜか子供は親のやり残したことを
再現することもあるようです。
彼らの親を知っている
星一から見れば当然。


登場人物と小説の解説は→ こちらから
 (ネタバレの怖れがあります)
 前編をお読みでない方は、こちらへ → ☆新連載予告と登場人物紹介♪


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写真は:草むらに魚眼
by (C)ひでわくさん
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