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2017年08月10日

145 夏の忘れ形見 さちの娘みち7 ❀三月さくら2017❀  【三月さくらZ-3】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
風にそよぐ。


“星の家”の集まりにやってきた昂輝。
やはり好きな人の姿は見たいですし
決定的なことがないかぎり
諦められないようです★


 昂輝は、その場にみちの婚約者がいるのだろうと、目で探した。
 大体は、前と同じ顔ぶれの、“星の家ファミリー”だったが、一人、目新しい男が目に留まった。麗美たち叔母さん連と、談笑していた。彼に違いない。
 志貴に確認しようと思ったが、昂輝はたちまち皆に取り囲まれ、様々な質問を受けた。皆がみちの相手役の彼を、好意的にしかも好奇心旺盛に見ているのだった。
 ひとしきりの質問で、皆の関心が去って、彼の人垣がなくなると、初樹が近づいてきた。
 ちょうどその時、みちが麗美叔母を間にして、先ほどの婚約者と思しき男と談笑している姿が、昂輝の視界の中に入っていた。
「ドラマ、お疲れ様」と言いながら、初樹がにこやかに昂輝に笑いかけた。
 外見の朗らかさとは裏腹の、二年前の彼を黙って去らせるほどの凄みの両面を知っていたから、この初樹叔父がにこやかにしているだけでは、昂輝は気持ちがほぐれはしなかった。
「ここの連中は皆、昂輝とみちのカップルに夢中なんだ」
「役柄上に過ぎないのに」と言って、昂輝は苦笑いした。
「君はどうなの?以前はみちに熱い思いを持っていたと思ったのに、今はあきらめたのか?」
「あきらめられたら、ここには来ませんよ」
「ふーん。どう、仕事期間中にみちになんかモーション掛けたんだろう?」
「そういうことが出来ると思いますか?」
「なんで?昂輝君、君はみちに自分の気持ちを告白したことがあるの?」
「いえ」
「それらしいことは言ってるんだろう?」
「ないですよ」昂輝は自嘲気味に言った。「そんなこと、出来るわけがないでしょう」
「どうして?」
「みちさんの相手は、社長たちが決めるんでしょう?もう、婚約者が決まるとも聞きました」
「誰から?」
「志貴がちらっと」
「ふむ」
「今日来ているあの人がそうじゃないんですか?」
 初樹は昂輝が見る視線の方を振り返って確認した。
「ああ、大木君ね。彼はいい青年だよ。君と同じ立場としてここに呼ばれてる」
「?」
「君は、告白もせずに逃げるってわけ?有力候補だったんだが」
「俺が、…何ですって?」
「君をみちの相手役に選んだのは俺だよ。ただみちを売り出すために、みちを好きだとわかっている男にそんな仕打ちをすると思うかい?」
「…?」
「俺たちは、みちが女優として大成することより何より、あの子が幸せになることを願ってるんだ。本当なら、女優なんかにさせたくなかったくらいだ。なぜ君を相手役に選んだかわからない?」
「…」
「わからないかな。まぁいい」
41

姪を溺愛していそうな
初樹の本心とは?
もしかして
昂輝にもチャンスが残ってる?

引き続き、↓次の回もご覧ください。






2926521アガパンサスの花 by yoppy218.jpg


初樹に煽られて
ようやく昂輝も
男らしく決められるか!


 まだ事態を飲み込めず怪訝な顔の昂輝に対して、初樹は挑むように言った。「今日、みちの婚約相手を発表するよ。君が降りると言うなら…」
「俺にも、チャンスがあるってことですか?」
「みち次第だろう。最終的にはあの子が選んだ男と付き合って結婚するのが筋だ。俺たちが無理に誰かと結び付けようとする気はないさ。…さぁ、どうする?君が告白もしないなら…」
「します!」と、昂輝は思わず叫ぶように言った。
「いつ?」
「今すぐ」
 気づけば彼はそう答えていた。
「よし、じゃあ近くに公園が…、いや、君たちは目立っちゃうよね。じゃあ一度ここを玄関から出て裏に回って。中に部屋があるから、案内するよ」と、初樹がにこやかに言う指示にただ昂輝はわけもわからず従った。
 裏に回ると、初樹がいて、スタッフの控え室に案内された。ずっと以前は畳の部屋だったが、フローリングにソファーというように改装されていた。
「エアコンは今入れたばかりだから、ちょっと暑いけど我慢して」
 そして初樹はみちを呼びに行く前、こう言い置いて行った。「さっき、みちがね、君がまだ来ないと言って、今にも泣き出しそうだったんだ」
 初樹は、今更だが分の悪い自分に希望を持たそうとしてくれているのかと思いながらも、それを聞くと、昂輝の息は少し荒くなった。さっき、笑いかけてきた様子を思い出した。まさかという思いで、動悸が激しくなった気がした。
 待つ時間も長いのか短いのかわからないうちに、みちが、部屋に入って来た。
 慕わしい、姿だった。この数年間思い続け、それを抑え続けてきたが。それにしても、そう、今会ったばかりだとしても、恋に落ちたに違いない、と昂輝は思った。
 仕事であっても役を演じる時以外は、まともにみちを見つめたことがない昂輝だった。最初で最後かもしれない。ただしばらくじっと見つめるしかできなかった。
 そして、ようやく昂輝はみちから目を放すことなく言った。「話したいことが…」
「はい」と言って、みちは少し顔を伏せた。
 昂輝は、ついに口を開いた。「君のことが好きなんだ」
 どうしても今まで言えなかった言葉を、ようやく声にすることが出来た。それだけで、十分に満足だった。誇らしい、晴れやかな気持ちになった。
 あとはじっくり時間を掛けて、みちが自分の思いに応じてくれる望みを持って待とう、というくらいの気持だった。余裕を得た彼は、にっこりと笑いかけた。
 しかし、みちの反応は彼の予期しないものだった。彼女の目には一気に涙が浮かんだ。
『えっ?』
 昂輝が戸惑っているうちに、みちが泣きながら、体ごと抱きついて来た。
 胸の動悸は更に激しくなり、幸せの予感が一気に迫ってきて、耐えられなくなりそうだった。それを確認する言葉も出て来なかった。
42

ようやく告れました。。。
え、もしかして、みちも?
このシーンはまだまだ続きます
登場人物の確認は家系図をどうぞ。 
(さちの父、志道が亡くなった頃の家系図
この物語は、数年後の設定です)
  「三月さくら」シリーズ 前後のお話は こちらから。



よい一日 よい夢を

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写真は:風にそよぐ。
by (C)芥川千景さん
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撮影者に許可を得て使用しています
無断転用はご容赦願います
「アガパンサスの花」 by yoppy218さん
「写真素材 フォトライブラリー」からダウンロードしました
無断転用はご容赦願います



プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
こちらから→幽霊っているんでしょうか

posted by kuri-ma at 05:00| Comment(0) | さちの娘みち 【三月さくら】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする