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2017年07月31日

134 天(そら)からの特別便2 ❀三月さくら2017❀  【三月さくらZ2-1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
恥ずかしがり屋さん。


死が近づく時、
誰もが祈ってみたり
あの世のことを考えたりするようですね。
今日は志道と、
父、治郎の会話です。



 志道が居間のソファーにもたれるように座っていた。夜が更けた時間、仕事に疲れてそうやって座っている姿を、治郎は数えられないくらい見て来た。
 たとえ、すごく疲れていたとしても、曲が浮かべば徹夜でもピアノに向かうし、常に精力的に活動していた。父が見ても、タフな男だと思っていたのに…。
 今はベッドで大半は休んで、調子のいい時でも、もたれるものがある場所で座っているだけだった。
「さちさんを、待ってるのか?」と、治郎が声を掛けた。
「ええ、買い物に行ったんです」と、志道は言った。
 いつも忙しいながらも、時間が空けばさちのいる助産院に行っていて、一緒に帰って来たものだ。こんな日が暮れる前の時間に、一人でソファーに座っていることは、めったになかった。
「父さん。イチおじさんと話しましたよ」
「ああ。お前は落ち着いてるな、こういう時でも」
 年を取っても話好きの彼は、息子に向かって話し始めた。「母さんと一緒に、お前のことを必死で祈ったよ。でもな正直最初は空しいだけで、心の整理なんかできなかった」
 ずっと以前、一朗が事故で死に掛けてから、治朗は折りにつけ、祈るようになった。子どもや孫の誕生の時も、両親を送らなければならない時も、そうしてきた。
「イチさんの事故の時もそうだったな。結婚前でさ、葉奈ちゃんはなんていうか、イチさんがいないと、きっと生きていけないんじゃないかって感じでさ。二人はお互いのために生まれてきたみたいだったから。お前も知ってるだろう。あんなに、仲のいい夫婦はいなかったよ。きっと事故があったから余計だろうな。
 お前の病気が治らないと聞いて、母さんは一生懸命祈っていたが、俺はどうも祈れなくてね、ずっとピアノを弾いていた。祈るより、ピアノを弾く方が、心を集中できるからな、俺の場合は。それで、なんかクリヤできたみたいだ」
「祈るなんて簡単じゃないです。ピアノも祈るように弾けることが出来たら、いいですよね」
「いつも、そんな演奏は出来ない。何かに通じるような演奏はね。お前のお陰かもしれないな。
 俺たちは、幸せ者夫婦で、幸せ者の親で、幸せ者のジジババだ。ちょっと今まで神様は俺たち夫婦に甘すぎたかなってくらい。親行がまだ足りないから、隠居してないで、孫たちをもっと責任を持てってな。嫁のことも」
4

引き続き、↓次の回もご覧ください。







父、治郎と
もう時間のない志道との会話★


「お前が心配しなくても、お前の留守をちゃんと俺たちで責任持つさ。それが幸せなことに思えてきたんだ。安心しろ。さちさんは、まあ、時々めそめそ泣くだろうがな」
「ええ。でもそれは前からですから」
「助産院をやらせてよかったな。お前がいなくても、仕事があるし、子供たちもいるし、それが支えになるだろう」
「今は、そう思えないみたいです。やはり仕事をやめて、僕に付いていたら、こんな病気にならなかったのにって」
「いや、お前につきっきりでも、お前の仕事好きは、誰も止められなかったさ。…助産院は閉めていていいのか?」
「患者は、他の病院や助産師を紹介したから、問題ないそうです」
「あの人も、言うことを聞く人ではないから」
「一緒にいられるのは、嬉しいです。さちさんが帰ってきたら、夕飯の支度をするのを見ながら、子供たちの帰りを待って、一人ずつ話をして。やってるつもりで、創作や演奏活動を優先して、ほとんど出来ていませんでしたから」
「お前は生き急いだのかなぁ。休むところを見たことがないくらいだったが」
「仕方がなかったんです。曲が浮かんできたら、それを仕上げなければならないし、僕も演奏して拍手を受けることが、大きな力になってましたから。金儲けのためにしてたわけじゃないですから」
「そうだな。こればかりは仕方がない。ところで、イチさんから聞いたか?とっておきのいい話を持ってるんだが」
「特別便のことでしょ」
「特別便?!」
「あの世からの。バッチリ聞きました。楽しみですよ、今から」
「なんだかお前はコンサートツアーにでも行くような感じだな」
「ええ、今度のは、今までになく長いんです」
「俺もいつか、合流するから」
「それまで、さちさんと子供たちを、よろしくお願いします」
「お前が落ち着いているので、安心した。たいしたもんだ」
「今は落ち着いています。不思議ですが。父さん…」と、志道は最後の願いを話し始めた。
5

あの世からの特別便。
単なる慰めの言葉ではなく、
一朗の体験から出た証言です。
志道は信じているようです。
そして、彼の最後の願いとは?


前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次                        
登場人物の確認は家系図で→ 《17年後》 三月さくら家系図 6



よい一日 よい夢を

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写真は:恥ずかしがり屋さん。
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プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
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2017年07月30日

(詩) 茜空には届かない 〜朝顔の詩(うた)〜  2017


明け方の爽やかな陽射しに呼びかけられ 
目覚めた朝顔は、
愛の喜びを知り、
満面の笑顔を広げました★

6904405朝顔 by sae.jpg



「 茜空には届かない 」
〜朝顔の詩(うた)



 朝顔は朝が好き
 朝日に向かって大輪を開く
 雨の日も 晴れの日も

 ありきたりの日常だけど
 あきが来るまで 咲き続けよう
 鮮やかな青 淡いピンク

 青空に憧れて
 熱い思いに心を焦がす
 甘い夢 淡い想い

 あの人が通る道
 歩いていく後姿
 朝顔の滝壁が涼しげに揺れている

 朝顔は朝が好き
 赤い夕日は見たことがない
 あんなに丈を伸ばしても
 茜空には届かない


朝顔が夢見るものは
朝日が昇る夜明けが来ること
明るい未来か 
明日への希望か

暑い夏は 晴れの舞台
ありったけの力でつるを伸ばし駆け上る
厚い緑のカーテンも 竿のタワーも

朝顔は朝が好き
朝露に濡れながら
愛に命をかけるけど
明るい間に花を閉じる


朝は愛に目覚め
昼は愛に身を焦がし
夕は愛の余韻に浸り目を閉じる
夜は愛のゆりかごに揺られ
また新しい朝が来て 
希望の中で花を開く


朝顔は朝が好き
朝日に向かって大輪を開く
雨の日も 晴れの日も

朝顔は朝が好き
赤い夕日は見たことがない
あんなに丈を伸ばしても
茜空には届かない




朝顔の「あ」の頭韻でつづった詩。
紫陽花は雨が好き」という詩を
もじって作り始めましたが、
全然趣きの違う詩になりました。

太陽が照り輝く日中をすぎると、
朝顔は陰りを見せはじめます。
あんなにひろげていた花は
夕方までには閉じてしまいます。
日没の慈愛に満ちたオレンジの光が 
きりりと閉ざされた白い蕾によく映えます。
そして、朝になると
また かわいい花を開くのです。

2連目「あきが来るまで」は
「秋が来るまで」と、
「飽きがくるまで」の
掛詞(かけことば)
「亜紀が車で」ではありませんが…(笑)




よいい一日 よい夢を

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「季節の詩 愛の詩2017」一覧

posted by kuri-ma at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ★季節の詩 愛の詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月29日

133 天(そら)からの特別便1 〜泣いてしまうのはきっと… ❀三月さくら2017❀  【三月さくらZ2-1】


連載のupが遅れ申し訳ありません💦
28日に読まれた方は、1話分は前の記事に
追加していますので、ご覧ください
小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼

この世とあの世を繋ぐ
不思議な物語、
「天(そら)からの特別便」を
一挙2日でお送りします★
真紅の渦。


若い頃妻を亡くして
今は幸せなお祖父ちゃんになった一朗。
彼の、あの世との
不思議な関わりの世界とは…★



(そら)からの特別便

 

「もうずっと若くに奥さんを亡くされてるおじさんに訊くのは申し訳ないんですが、やっぱり訊いていいですか?」と、志道は言った。
「奥さんを亡くした頃の話を聞きたい?」と、一朗は既にそのつもりで来たようだった。
「できれば。いいですか?」
 一朗は生涯のほとんど大半を亡くなった連れ合いと共に生きてきた。足の先から頭のてっぺんまで、つつけば出てきそうなくらい、日々の経験でつまっていた。彼は、懐かしい大切な思い出を取り出すように話し始めた。
「俺の方がなかなか心の準備が出来なくてね、もう長くないとわかってからもずっとね」
「そうでしょうね」
「俺が先に死ぬと思ってたんだよ、若い頃死に掛けてね。不思議な夢を見て、生死を彷徨った処から戻って来た」
「母から聞きました。僕も結婚前に倒れた時不思議な夢を見たんです。死に掛けたわけじゃないけど」
「俺の事故の時は皆が祈ってくれて、死んだ葉奈の話では、神様にお願いしたらしいよ。死ぬ前にも言ってた。俺の命と、それから子供が出来なかったから、必死に祈って授かった子供たちの命を神様にもらったって。もう、もらっちゃったから、自分の命がお終いでも仕方ないって。精一杯愛して愛されたから、時間は問題ないって言ってた」
「そうですよね。僕もそう思うんです。でも、死なれちゃう方が辛いかなぁと」
「おんなじだよ。死ぬ覚悟をするのも辛いと思うし、相手がかわいそうだと思って、死ぬ方も辛いだろう。
 俺はまた会えると信じている。実際、近くにいるなって感じることがよくある。いつも葉奈に話し掛けながらやっていくと、葉奈からの答えかなぁというものがあるんだ。これは俺にしかわからないものかもしれないが、実感の世界があるよ」
「どんな風に答えがあるんですか?実際に聞こえるの?」
「いや。心の中にふつふつと思いが湧いてきたり、自分が呟いた独り言だったり、時には、人が言った言葉に、はっとしたり…。でも、自分の思いじゃなくて葉奈の言葉だって、なんかわかるんだ。俺の思い込みではないと思うが、口では説明しにくいな。
 例えば心の中で、葉奈に『これこれこうでいいんだよな』って言った直後に、側にたまたまいた誰かが、『その通りよ』と言うのが聞こえたり。
 だから、いつも葉奈に話し掛けるんだ。そして、答えをじっと待つ。大概は葉摘や初樹がにこにこ話し掛けてきてくれたりね、飛び切り上等な返事があるんだよ」
 一朗は、普段は寂しいやもめ男にしか見えないが、秘密の宝物を持って生きてきたように、志道には幸せにも見えるのだった。
「さちさんに、そのことを教えてあげてくださいね。僕が死んでからでいいから。子どもたちにも。お願いします」
「わかったよ。ただ、あんまり亡くなった人のことに未練を持ち過ぎてもどうかと思うから」
「ええ。落ち着いてからでいいですから」
3

一朗の貴重な体験談は
まだまだ続きます。
引き続き、↓次の回もご覧ください。






一朗と志道の会話の続きです。
あの世にいく心の準備は
できたということでしょうか★


「葉奈おばさんへの伝言を僕が預かれそうですね」と、志道。
「志道、お前は忘れてるだろうな。小さい頃、お前がよく言ってくれた。『僕がおばさんに知らせるよ』ってさ」と、一朗。
「おばさんのこと、大好きだったんですよ」
「星矢と張り合ってたんだろ?」
「そうですね。星矢兄は何ていってもお気に入りだったし、おばさんの。葉摘が星矢兄とくっついた時、実はマジでがっかりしたんですよ。これは、おばさんが導いたに違いないって、母たちが言ってました。やっぱり、星矢兄かってね、羨ましいというか、ちょっと妬ましいというか。まだ、僕も奥さんに会う前だったから、先を越されたことが悔しかったのかもしれないけど」
「お前が、人のことを羨んだり、先を越されて悔しく思うとはな、意外だね」
「僕だってそうですよ。じゃあ、兄弟姉妹(きょうだい)たちの中で、僕があの世には一番乗りだ。僕に任せてもらえますか、伝言?」
「頼むよ」
「ひとつ、張り合いが出来ました、あっちへ行く目的が」と、志道は笑顔を見せた。
「葉奈の時とおんなじだ。お前も覚悟が出来てるんだな」
「かえって、覚悟決められるんですよ。いきなりあの世に連れて行かれるより。次は、お前がまな板に乗る番だって、予告されてるんですから。逃げるわけには行かないし…。不思議と、落ち着いてるんですよね」
「俺たちはみんな、生けすの中の鯉みたいなもんだ。遅かれ早かれ、まな板に乗せられる日は来るさ」
「それを見てる方が、やっぱり辛いですよね。両親には申し訳ないし、さちさんや子供たちのことを思うと…」
「きっと大丈夫だよ。パパは長く仕事でいない、ってそういう感覚だよ。ただ、電話も通じないし、電車や飛行機でも会いに行けない場所っていうだけで」
「いつか、また会えるんですね」
「俺も信じて、待ってる。どうせだから、葉奈が見れなかった分、いろいろ見てからあっちに行こうかなと。孫も見たし、出来るなら今度はひ孫もね。土産話が増えるだろ。
それに、これは星矢も知らない話だ。死に別れても、会えることもあるんだ」
「?」
「あの世からは、特別便があるみたいでね。いつ、どんな時っていうのが今イチわからないが、俺は死んだ後も、葉奈と会ったことがあるんだ。最初は四十九日だったな」
 志道はまさかという顔をして、恐る恐る尋ねた。
「あの、幽霊ってことですか?」
「うん。でもまるで生きているような感じなんだ。もちろん怖くもないし。ほんの何度かだけど、いつかはね…」と、一朗は微笑みを浮かべて、葉奈が亡くなってからの忘れられない思い出を語った。
4

一朗の体験した内容は ↓ こちらを
夢の残り香(前編)

前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次
登場人物の確認は家系図で→ 《17年後》 三月さくら家系図 6




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