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2017年05月12日

65 《三月さくら》 デジャブ5 〜空&初樹5  【X-3】2017

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今日は、デジャブの最終話まで
一挙3話どうぞ!
小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼

晴れた日は外へ出よう!!


しばらく会話の中だけにしか
空は登場していませんが、
今日はもしや!のお話が聞けそう。
父たちの会話の続きから★


「桃も誰か付き合ってるの?」と治郎が聞いた。
「大学の同級生でさ」と、星一。
「じゃあ、もう時間の問題か」
「女の子は、つまらんさ」
「いいよ、未来だったら誰でも連れて行ってほしい」
「誰でもよくないから、心配してたんじゃないのか」
「はー」治朗は溜息のような声を出した。「そして、麗美が初樹か?」
「麗美はどう思ってるかわからないよ。初樹が一方的に好きなだけで」と、一朗。
「そうか。麗美も初樹なら、弟のようにしか考えてないはずだよな。未来の連れて来るようなどこの馬の骨かもわからない男に比べたら」
「初樹なら安心だ」と星一。
「そうかな。最近の学生は進んでるから」心を落ち着け始めたかと思った治郎は、まだそんなことを言った。
「それは昔からだろう」と、星一。
「俺の息子を疑うのか?」と、一朗。
「イチさんの息子がどうのって言わないさ。初樹を嫌ってるわけでもないし…」
「初樹は、昔からお前の店が好きだっただろ?今もよく行ってるみたいだよ。麗美も演ってるんだろう?」
「そうだけど」
「空と仲がいいのも前からだよ。だから、美和との仲を一所懸命取り持ってやってるんだ」


 葉摘は初樹に向かって、とっておきのネタを話し始めた。
「あの笑顔よねぇ」 空のことを言っているのだった。
「なるほど。あの人のはね、天然だよ。かっこつけたり、何か意図がある笑顔じゃないんだ。表裏のない人だから」
「コロってきてそうな人が近くにいるんだけど」
「え、嘘、美和ちゃん?!だったら逆転だよ!本当にそう?」
「間違いないって思う。『最近どう?』って訊いたらね、なんか嬉しそうっていうか、もじもじって感じで、これはって思ったの。
 いろいろ聞き出しちゃったわよ。最近メールは毎日交換してるんだけど、ちょっと会えてないみたい。自分からは会いたいって言えないみたいなのね。
 そもそも初めて会った時に、空兄の笑顔にけっこドキってきてたみたいなんだけど、口を開いたら軽薄男に見えてきちゃって、敬遠しただけみたい」
9

またもや今日も
空は、会話の中だけの登場でしたが、
いよいよ、空を満載した
クライマックスが近づきます★
↓引き続き次の回も、お楽しみください。






彼岸花群落。


片思いで
通じてなさそうな
空の恋心でしたが、
え、もしかして、違うとしたら?!
初樹と葉摘の会話の続きから★


「そういう意味だったんだ。初デートの後、美和ちゃんが、空兄の微笑みが本当だったとか、なんとか言ってたんだよね。なんだ。お互い一目惚れってこと」と、初樹。
「そうかも」と、葉摘。
「いつもは、なんでもはっきりしてる美和ちゃんがめずらしいよね」
「こういうことは、誰もそうでしょ」
「でもよかった。やったね、空兄」初樹は心から嬉しそうだった。「空兄と美和ちゃんか…。ねぇ、やっぱり、運命ってあるのかなぁ?」
「私たちが、お父さんとお母さんから生まれたってことが、運命でしょ」
「うん、そうだね。父さんと母さんは、運命の出会いだよな」
「お父さんを見てるとね、お母さんはいないのに、いないという気がしないの。運命って、出会ってからが肝心って気がする」


 いつの間にか秋も深まってきた。物想いにふさわしい季節だった。空は、今までと全然違ってしまった自分に驚いていた。
 今までは周囲が上手に収まっていれば、彼自身はそれほど求めるものもなかった。それなのに今は、自分のできることがあれば積極的にやりたい気持ちだった。その反面、ものすごくマイナス的な彼もいた。
 外側は普段と変わらない明るい空、に見えたかもしれない。しかし、彼の内面は全然変わってしまった。
 空は今度美和と会う時のことを考えた。
 内心、いつまで会ってもらえるか不安だった。
 今度はもう会えないと言われたらどうしようと、いつも心配が胸にあった。会いたいけれど、いずれ内容のなさが露見して、彼女に見限られるんじゃないか。自分でも、こんなに臆病なのかと、あきれるくらいだった。

 ある日(それは葉摘、初樹姉弟の会話の翌日だった)、初樹が、美和を伴って“Jiro's home”にやって来た。空は突然のことに喜びを隠せないようだった。
 改装を終わったばかりの支店のライブハウスへ行っていて、志道はいなかったし、空は今日はピアノ演奏と接客で忙しかった。
 その日演奏した曲の中には、両親の馴れ初めの曲、ショパンの“ノクターン”と、Jiro(治郎)の“告白”などがあり、彼の心は彼女への思いで満ちていた。最高の演奏が出来たと思った。
 美和が帰る際、空はその完璧な笑顔を浮かべながら言った。「送れないのが、残念なんだけど、来てくれて本当に嬉しかった」
「お店に来てって言っていたでしょう、前。いきなり来てごめんなさい」
「謝らないでよ。今日はピアニストが休みでさ。でも、だから君に演奏を聞かせられてよかった。終わったら電話するから」
10

空は知らないうちに、
別人に変えられてしまったようです。
明日は感動の最終話です🎵






2012.09.29 和泉川 ヒガンバナ


秋の空、のなんとやら…
毎朝鏡で笑顔をチェックする、
ナルシスト系かとも思える空。
彼のデジャブで始まった恋は、
愛として形をもてるか?
クライマックスです★


 その晩、空は仕事が明けるなり、美和に電話した。
「本当に今日は嬉しかったんだ。とても、会いたかったし、それが君から会いに来てくれて」
「忙しかったのに…」
「また、謝ったりしないでよね。確かに忙しかったんだけど、本当は人に任せて抜けることも出来たし、早仕舞いすることも出来たんだ。でも、あえてしたくなかった。君のためにそんなことすると、君が嫌だろうと思って」
「そうね。しっかり仕事している姿が見れてよかったわ」
「そう?俺が真面目にやってたから、意外?」
 ふふふと、美和は笑って、「頑張ってて、いい感じだった」
「惚れてくれた?」
「…」
「俺は、今日会って胸がいっぱいだった。とっても好きだよ、美和さんが。さっき言いたかったんだけど、初樹もいたから。いいよ、あいつに引っ張られて来てくれたんでも、十分嬉しい」
「好きじゃない人の所に、わざわざ行かないわ、私は」
「…なんて言ったの?聞き違いかな」
「つまり…。…今度会った時言うわ」
「気になって今夜眠れなくなるから、今言ってくれない?」
「…私はあなたが好き。…これでいい?」
「ありがとう。今度会った時も、また言ってくれる?」
「わかったわ。気が変わってなければね」
「うん。日曜日は時間が取れると思うから、また連絡するよ。
 …美和さん」
「何?」
「うん。本当はもう今すぐ会いたいくらいだ。やっぱり眠れそうにないな」
「まだ、お店なんでしょ、早く帰って休んで」
「わかった。冷たい言い方だけど、優しいんだよね、美和さんは」
 空はその晩はとても眠れそうにないと思ったのだが、労働の成果の肉体的な疲れもあって、幸せな気持ちのまま寝付いた。

 朝は夢にまで美和が現れて、なかなか目覚めたくなかった。夢の中で、自分がどれだけ彼女が好きなのか、説明しようとしていた。
 どんなに説明しようとしてもし尽くせなかったし、言えば言うほど、湧き上がる泉の水を手ですくおうとして、指のすきまからこぼれていくように、思いを取りこぼしていく気がした。言葉では表現しきれないものがあるのだと、夢の中で悟らされた。黙っているだけで心が満たされた。
 目覚めて、彼はいつものように鏡の前に立った。鏡の中の空は、この上なく幸せな微笑をしていた。
「よ、色男、にやけ過ぎだよ」と、自分と生き写しの男に向かって彼は声を掛けた。
 もしかしたら、出会う前も美和に夢で会っていたのだろうか?夢の中で大事な約束をしていたのかもしれない、と空は思った。


時代から取り残されても 今
じっと君だけをみつめていたい
時間がたっても 残るものはあるはず


準備出来ていなかった 突然のときめき
自由気ままに生きてきた これまでの日々

次回はないことも
自分が一人だということも
   ただ 自身と
      人生と 
      条件だけ求めて
   それが独りよがりだと考えもつかず
実験だけで 終わりたくない


自立したいと思っていた 心の自立
自分を探し出したかった 本当の私

人脈もなく
自信もなく
   ただ 自由と
      時間と
      自意識だけがあって 
饒舌に語るものが真実ではない!
 

事件が起きてから ようやく
事実に気が付く

「時期が来たら さよならするのね」
「人生を どう切り開いていくの?」

   ただ 純粋な 
      純白な 
      柔軟な思いだけ  

冗談ですべてを済ませたくない 


時代から取り残されても 今
じっと君だけをみつめていたい
時間が徐々に 育むものもあるはず

十分過ぎる 君一人と、
自分がこだわってきたもの全てとを 
   もう比べられない
   もう計ることはない
人生を天秤にかけてたわけじゃない

                    「 じっと君だけをみつめていたい 」



「デジャブ」完

11

毎日鏡を見ているとはいえ、
空はナルシスト系とは違うようです。
本当は、自分のことより、
相手が幸せならいい、という人であります。

これで、「デジャブ」は終わりますが、
次の章も、空は大切なキーパーソンです。
次章のタイトル「微笑みの法則」は、
空のためにつけられたようなタイトルですが
主人公は、初樹かなぁ。
来週に続きます。
どうぞお楽しみに!
登場人物の確認は家系図をどうぞ。
    橘家家系図も参考にどうぞ
「三月さくら」シリーズ前後のお話は こちらから。



よい一日、よい夢を

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写真は:晴れた日は外へ出よう!!
彼岸花群落。
by (C)芥川千景さん
ヒガンバナ
by (C)ひでわくさん
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