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2017年05月03日

2 《海、山、街'17》 〜待ちびと暮らしの達人たちへ  【三月さくらX1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
赤ずきんちゃん洗顔中。


葉摘の弟、初樹の
さりげない行動に注目。
そういえば、星矢はなぜここに?★


 初樹は星矢にそっと言った。「星矢兄、この後予定あるの?」
「別にないけど」
「うちの姉貴はいつも畑に出るくらいしか趣味がないから、どこか連れて行ったげてくれない?」
「どこかって?」
「海、山、街。どこでも。俺はもう少し寝るね、昨日バイト遅かったから。じゃあ、ごゆっくり」
 そして、台所にいる葉摘のところにも声を掛けた。「星矢兄はオムライス好きだよ、確か。姉さん得意だろ」ボショボショと星矢には聞こえないように、何気に配慮するのも忘れずに。
 星矢はダイニングと繋がっている居間を見回した。彼らの母の生前の家族写真が飾ってあった。葉摘の七五三の時なのだろう。葉摘が三歳、初樹が一歳、葉奈はまだ入院する前かもしれない。次の年の夏には帰らぬ人になったのだ。

 星矢は朝の両親の会話を思い出していた。
「男手一つと言ってもさ、あそこは祖父母もそろってるんだし」と父の星一が言うと
「そうだけど、片親がいない淋しさはあなたも知ってるでしょう。あの子たちはあんな小さい頃からなのよ」と、母みどりは言った。
「心配しても仕方がないだろう」
「でもね…」
 そしてみどりは星矢を見ながら何かひらめいたように、「これを持ってすぐに行って来て」と言い、半ば押し出されるように彼は青山家に来たのだった。

「さぁどうぞ」と、葉摘が湯気の立つオムライスを持って来た。「ブランチよ」
 星矢をダイニングテーブルに招いて、葉摘は言った。「“星の家”のみたいにおいしくないかもしれないけど。父の好物なの」
「俺も大好きだよ」
 星矢は葉摘の手作りをおいしそうに食べ、「うん。うまい。うちの店にも充分出せるよ」と言った。
 食べ終わる頃に、橘家から今度は叔母がやって来た。「星矢君が来てるって聞いたから」常葉が、行く時にわざわざ伝えて行ったのだろう。
「まぁ、星矢君、立派になって。どこに勤めてるんだっけ?」
 もう、4回目ともなると、質問を想定して、まとめて近況を報告したのだが、とにかく彼と話すことが嬉しいらしい叔母は、更にひとしきり質問を浴びせてから言った。「おそうめん食べる?」
 こうして、星矢の胃袋はすっかり満足した。
「ご馳走さま。お礼と言ってはなんだけど、これから出掛けない?」と星矢は、葉摘に言った。
 朝からどこかに行っていた一朗はちょうど家の近くの路地から、星矢の車に乗り込んで出掛ける葉摘の姿を見掛けた。


そうめんどうぞ。

3

ほぉ これが星矢の母の意図なのか、
初樹のちょっとした働きかけが
あったからなのか…。
二人は出かけていきましたね。
「海、山、街」これ
最初は初樹の言葉なのですが。。。

引き続き、↓次の回もご覧ください。






水平線から虹が・・ (3)


二人で出かけた
星矢と葉摘…。
どんな感じなんでしょうか★


 一朗が家に戻ると、ダイニングテーブルにラップの掛けたオムライスと、星矢が持って来た果物の包みが置いてあり、「おそうめんが冷蔵庫に入ってます」という葉摘のメモ書きがあった。

 星矢と葉摘は海辺に出掛け、水族館を訪れていた。「海、山、街」という星矢の出した選択肢に、「今から山は無理よね。じゃあ海」と、葉摘が言って決まった。
「子供の頃、家族で来た以来だなぁ」と、水族館の大きな水槽の前で星矢が言った。
 葉摘がクスッと笑いながら言った。「星矢兄は幾つ?」
「ん?葉摘はえっと碧斗より一つ上だっけ?今年二十歳(はたち)?」
「今、二十歳、もうすぐ二十一よ」
「七つ違いかな」
「じゃあ二十七?八?」
「早生まれなんだ。学年で八つ違うわけだね」
「ふーん」
「ふーん、ってなんだよ」
「子供の頃から来てないの?デートとかしないの?」
 近くを仲良く寄り添って歩く恋人たちが一組通って行った。
「俺は街育ちの山好きだから…」と、星矢は言った。
「ふーん」と、また葉摘は言った。

 その日の夕方、一朗が再び家に戻ると、ダイニングで葉摘と初樹が言い合っていた。
「だって、何も食べ物がなかったんだから」
「オムライスとおそうめんがあったでしょ」
「オムライス?」と、初樹が怪訝な顔をしているところに一朗が入って行った。
「お父さんが、オムライスとそうめんは食ったぞ」
「パパ、お昼に帰ってきたの?それにしてもあんなにたくさんあったのに、初樹も全部食べることないでしょ。お祖父ちゃんお祖母ちゃんも、誰も食べてないのよ」
「そんなになかったぜ、みんなで食うほどには。叔母ちゃんとこに行って、そうめん食べさせてもらったからいいけどさ」
 一朗は冷蔵庫の野菜室から星矢が持って来たさくらんぼの包みを出して言った。
「これだろ、今日もらったのは。冷やした方がうまいから入れておいたんだ。初樹が食ったのは、昨日父さんが“星の家”で、少しもらって来たやつじゃないか?」
「ああ、これで俺の濡れ衣が全て晴れたよ!」初樹は大げさに言った。
「そういえば父さん、今日はどこに行ってたの?」
 突然葉摘が思い出して言った。「あっ、ママの月命日」
「そうか!」と、初樹も言った。
「今日は休みの日だから、色々行って来たよ。母さんと行った事のある場所とかね」と、一朗は微笑んで言った。
「そうか。来月は平日だよね。でも、朝の墓参りは行くよ。声を掛けてよ」と、初樹が言った。
「今日も声を掛けたんだぞ」
「そうだった?」
「お前は朝弱いからな」
「ごめん。ゆうべバイトが遅かったんだ」
「じゃあ今度は起こしてあげる、皆一緒に行こう」と、葉摘が言った。
4

青山家では、亡くなった母
葉奈の供養のため
特に毎月の月(つき)命日は
大切にしているようです。

最初のUPでは、星矢が持ってきた果物を
葡萄としていたのですが、
時期的に早いかなと思い、
さくらんぼに変更しています。
前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次
    登場人物の確認は家系図で→ 三月さくら家系図2(「海、山、街」)



よい一日 よい夢を

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写真は:3上 赤ずきんちゃん洗顔中。
by (C)芥川千景さん
下 そうめんどうぞ。
by (C)akemiさん
4 水平線から虹が・・ (3)
by (C)akemiさん
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プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
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