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2016年10月31日

2 NEW!《最終章》 治郎 志道 志郎2 “星の家”に棲む妖精  【三月さくらZ-4-1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼

2015.04.28 山手 エリスマン邸 居間


父・志道を亡くし
母・さちはどのように
過ごしてきたのか、
そして今の心配事は、
末っ子、志郎のこと★


 志道が亡くなって、もう二十一年が経った。
 今年三回忌をした青山家の一朗(いちろう)が亡くなった時、さちは臨終の床(とこ)に呼ばれて「志道に何か言付けはないか」と言われた。
 親戚としては遠い立場の自分がま近くに行くのを心苦しく思うさちに、一朗は言った。実際は一朗の言葉を代弁して、ほとんど息子の初樹(はつき)が語っていた。
「志道が亡くなる時、奥さんに伝言を持って行ってくれた。そのお返しだよ」
 人生の大半、やもめ暮らしを通した一朗は、生前も、さちによく貴重な話をしてくれた。
 元気だった頃、最後に会った時も、志郎を見ながら、「治郎にそっくりだと思っていたが、ピアニストになった頃の、志道に似てきたな。男が見ても、惚れ惚れするようないい男だったよな」と、一郎は言った。
 そして、「死んだ人間は、よく家族と一緒にいて、時には悪ふざけするようなことがある。もしかして、これは葉奈(はな)が乗り移ってるんじゃないかと、俺も葉摘(はつみ)を見ながらよく思ったものだが…。
 でも、あんまり志道の言葉を聞こうとするなよ、さちさん。夫と、息子は違うんだから。子供たちには、それぞれ連れ合う相手がいる」

 そんな一朗の言葉を思い起こしながら、さちは呟いた。
「もう、潮時よね。あの子の方から離れないなら、私が思い切るしかないわね」
 その時、志郎の弾くピアノは新たな曲に移った。
 志道が、初めてさちに聴かせてくれた「愛(ひらめき)」という曲だった。
 この曲は、さちをいつもせつない気持ちにさせる。子供たちがそれぞれに家庭を持ち、可愛い孫が何人もいる幸せなお祖母ちゃんとなった今でも。
「この曲は弾くなって、言ってるのに…」と、さちは呟いた。独り言はさちの癖だ。志道を亡くしてからは、もう直せなくなった。
「どうしよう。志郎は私の手に負えないし」
 もうすでに一朗が亡くなる前に、舅と姑を相次いで亡くしていたし、さちの両親も他界していた。夫の弟妹たちは、いつでも話せる相手ではあったが…。

 さちは、ある明るい午後、槇原(まきはら)のみどりを訪ねた。星の家ファミリー≠フ中で、一世たちは、みどりを除けば皆この世を去っていたから、さちにとっても、親のような大切な存在だった。
 すっかり高齢となったみどりは、それでも木や花を愛しながら、身の回りもこぎれいにして過ごしていた。
 さちから志郎の話を聞いたみどりは、ゆっくり口を開いた。
「志郎君は、あの子は、孫たちの中でも、一番下だから。でも、もう、そろそろ、親離れする時期よね。…そのためには、親も、子離れしなければね」
「ええ」と、さちが言った。「私もよくわかっているんです。つい、私の方が、あの子に依存しちゃうというか。
 それに、あの子は、結婚のことをなかなか考えようとしないし、お兄ちゃんたちは、あの子の年ではみんな親になってたのに」
1

亡くなった人は
生きている人のところに
現れることがあるのでしょうか。
生きている者たちは
どのようにして過ごしたら
いいのでしょうか・・・

                        

よい一日 よい夢を

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前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次
  登場人物の確認は家系図で→ [三月さくら 家系図]

  治郎が亡くなった頃の家系図です
   物語は21年後になります



プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に小説を書き始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
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こちらから→幽霊っているんでしょうか



2016年10月30日

(詩) も み じ 《折句》 2016



秋が深まり、
そろそろ紅葉(もみじ)もきれいに色づく頃でしょうか。
もうひとつ紅葉の詩をどうぞ★

モミジ〜桃色〜



「 も み じ 」



もしもその言葉を
耳元で囁かれたら
じっと動けなくなる

もう少しで赤くなる
耳の先まで熱くなる
じっとみつめないで


もみじ もみじ もみじ…


もしかして私のことを
見透かして笑っているの
上手に気づかせたい

もっと側に寄ってみようか
見え隠れする本心が
じれったく くすぐったい

もうちょっと背伸びして
みつからないように
じっと隠れていたいけれど

もみじが紅葉する時
見違えるような鮮やかさを
自分すら誤魔化せなくて


もみじ もみじ もみじ…

問題は?
未来は?
自由は?

        自信のほどは?



もうこんなにも紅いって
みんな気づいてて
自分だけ知らなかった?!

もう逃げたりはしない
見渡す限りの秋色の中で
時間を止めてしまいたい

もっと一緒にいたい でも
みんなには知らせないで
じきに噂になるから

もみじが紅葉する時
見え透いた嘘は効かない
自己満足で終わりたくもない


もみじ もみじ もみじ…

もはや
味方は
自分だけ?

     時間だけ?



もう一度 言ってみて
耳許で囁くあなたの声に
じっと動けなくなった

もうすでに秋は深まって
見つめ合ったまんまで
じきに冬がやってくる




「もみじ」の折句。

季節がやってくるのを誰も止められません。
自然に気持ちが高まって
気持ちが通じ合うことも。
もみじが紅葉するのを、
誰も止めるのができないように。
急激な気温の変化が
きれいな紅葉となるのだとか。
今年の紅葉はどうでしょうか。

「秋がいつの間にかやってきたように」
「紅葉(もみじ)がすっかり色づく前に」
と同じテーマの詩になったようです。
秋がすっかり深まって
愛もやはり
深まったでしょうか。




よいい一日 よい夢を

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2016年10月29日

1 NEW!《最終章》 治郎 志道 志郎1 “星の家”に棲む妖精  【三月さくらZ-4-1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼

2015.06.28 山手 ベーリック・ホール 庭 薔薇のツリー


三月さくらの最終章、
何年もお待たせしましたが、
満を持してスタートです!
用意はいいでしょうか?
まず、「治郎、志道、志郎」
10回続けて言ってみましょう!
……(笑)★

「 三月 さくら待つ月 四月 しあわせの始まり 」



第Z部 涙の女王(クィーン)と笑顔の王(キング)



  第四章 “星の家”に棲む妖精



    第一節 治郎 志道 志郎



 さちの助産院には、柔らかな木洩れ陽が差して、患者の手が空いたほんのひととき、彼女は何かに思いを馳せるように、窓の外を眺めた。初秋の晴れあがった空が、気持ちのいい午後だった。
 さちにとって、季節の移ろう様が、亡き夫、志道(しどう)を連想する元となった。からっと青い空からは、志道の笑った顔をなぜか連想する。爽やかな白い歯が覗くような。
「さちさん、あなたが助産院を開いたら、僕はそこに一部屋もらって、ピアノを弾いていたいな」いつかの志道の言葉が、蘇ってきた。
 先程からずっと、ピアノの音が聞こえていた。末っ子の志郎(しろう)が弾いているのだった。小さい頃からここに入り浸っていた彼は、成人した今でも、家より過ごすことが多いくらいだった。
 志道が亡くなってから、やっぱり夫の言った通り、仕事を辞めることなく、また、この助産院を開いておいてよかった、とさちはつくづく思うことがある。
 死んでも、ここにいるような気がするし、実際代わりのように志郎がピアノを弾いていてくれる。

 志道の四人の息子たちは、まるで彼の分身のようだ、とさちは思う。
 長男の志幸(しこう)はピアニストとして志道の残した音楽を演奏し続けている。彼の真面目さは、父親そっくりという人もいた。
 次男の志貴(しき)は俳優として油が乗ってきて、誰にも愛されるような明るい人柄で、一見父とは似ていないが、志道の茶目っ気のある陽の部分を受け継いでいるとも言えた。
 三男の志音(しおん)は、その音楽家としての感性では秀でていて、彼が曲を思いつく時の様子をもし目撃することがあったら、彼こそ志道の分身と思うことだろう。
 世間の人がよくこう言う。長男と三男が両極端だね、足して二で割ったらいいね、と。志幸は現実的で、志音は超人間的というのだろうか、浮世離れしていたから。
 そして、父、志道のことをよく知る人たちは、次男の志貴も入れて、三人の息子それぞれに志道の分身を見るのだった。しかし、生き写しと言うほどよく似ている者はいなかった。
 しいていえば、志郎が最も父によく似ていると言えた。
 志道そのものではなく、別人なのにも関わらず、志道が志郎に乗り移っているのではないかと思うような気配が、身振り素振りや話し振りの中で一瞬、あるいは連続して表れることがあった。
 さちが一番、それを感じる頻度が高かった。志郎の笑顔の中に、つい志道の笑顔を見てしまったり、会話の端々に、志道の口調ではないのに、彼と同じ考え、同じユーモア、同じ視点を感じてはっとするのだった。
 さちと末息子の志郎は、他の子どもたちよりも、結び付きが強いかもしれなかった。志郎の存在は、さちにとっても慰めだし、支えだった。
 志道の葬式の頃、亡祖父・治郎(じろう)の兄弟たちから、治郎そっくりだと言われた志郎だった。
 成長すると、志道によく似ていると人にも言われたが、顔はやはり父より祖父・治郎の若い頃に、兄弟や従兄の誰よりも似ているようだった。
1

治郎、志道、志郎
早口言葉ではありませんが、
かんでしまう人も多いのでは?
ともあれ、
この血のつながりはすごいのです。


                        
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  治郎が亡くなった頃の家系図です
   物語は21年後になります



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ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に小説を書き始め、その後ブログをはじめました。
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