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2016年05月31日

1 《空&初樹》 デジャブ1  【三月さくら・X-3】

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小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
2012.09.24 和泉川 ヒガンバナ 蕾


今日からの再連載は
「三月さくら」シリーズから
「空の物語」をお送りします。
始まりは一朗の見た不思議な夢からです。
さて、どんなキャラクターが動き出しますか…!★



第X部 待ちびと暮らしの達人たちへ
 


 第三章 デジャブ
 


「この子達の魂が引き合ってるわ」
 久し振りに葉奈の夢を見た。それは命日の朝のことだった。
 一朗自身も忘れていた、まだ葉奈が元気な頃の昔の場面と重なるが、記憶にはない内容だった。
 一、二歳の男の子と赤ちゃんが同じ部屋で寝ていて、葉奈が二人を愛おしそうな目をして見ながら言ったのだ。「この子達の未来が見える」と。
 一郎は目覚めると呟いた。「葉奈、何を言いたいんだ?」

 葉奈が残したものは、彼女が亡くなって十七年経ってみると、消えていきそうなのに、逆に絶対無くならない気がする。
 葉摘(はつみ)と初樹(はつき)の成長を見ていると、葉奈の生きた証として、それ以上に大きいものはなかった。
 それなのに、彼女のいない現実というのは、なんだか果てしなく巨大で、一朗は広い砂漠の真ん中に一人取り残されたような気がすることがある。
「私には見えるの。葉摘や初樹が幸せになる姿が。みんな大人になってるけど、面影は残ってるわ」
 葉奈が亡くなる前に何か幻を見るように言っていた言葉を、一朗は思い出していた。
「本当に面影があるわ」と言う声が不意に耳に入って来た。
 みどりと陽子が、年頃になった姪の美和(みわ)のことを言っているのだった。よく葉奈に似てきたからに違いない。
 命日の数日後のこの日曜日は、葉奈のためにいつもになく多くの人が集まっていた。特別な法事をしたわけではないが、通常集まる青山と橘(たちばな)の家族の他に、槙原(まきはら)家と丹野(にわの)家から、親だけでなく子供たちもみな参加したのだった。
 丹野家の次男、空(そら)も家族と共にその場にいた。今まで責任を持つということを知らなかった彼が、大変革をもたらされるきっかけが、この日から始まった。
 橘家は葉奈の弟が後を継いで、二人の娘を持っていた。姉の美和は、亡くなった伯母の葉奈に、実の娘の葉摘よりも顔が似ていると言われるが、背はすらっと高く、話し始めるとその雰囲気はなかった。
 背丈と、話す雰囲気は、やはり娘の葉摘がよく似ていて、小柄な後ろ姿や、俯いて話している姿などに、家族がはっとさせられることがあった。
 先日の星の家≠ナの集まり以降、葉摘の傍らにはいつも星矢がいた。
 それを、父親の一朗は満足そうに眺めた。そして、そんな父の姿を微笑んで見ていた息子の初樹は、その場を離れ、空の横に座った。
 今は昼食も済み、皆が歓談していた。
「初樹、麗美(れみ)の隣に行かないのか?」と、空。
「うん。ここから、ちょっと遠目に見ているのもいいよ。せっかく楽しそうなのに、割って入ることもないし。後で話すよ」
「ふーん。…ところで初樹、あそこにいるのは誰?」
「美和ちゃんと美久(みく)ちゃんのこと?従姉だよ」
「どっちが美和で、どっちが美久だ?」
「手前の髪の長い方が美和ちゃんで…」
「…初樹、俺、彼女と会ったことあるのかな?」
「えっ?」
「直接当たってみるか」と、空は言って、初樹の従姉の処にすっと歩み寄った。この懐かしいような思いは何なんだろう?
 口元が軽妙な彼は、そう思った時には、既に彼女に向かって言っていた。
「あの、前にどこかで会ったことある?初めて会った気がしないんだけど」
 空は、どんな女性であったとしても、悪く思わせることのない完璧な笑顔を浮かべていた。
 しかし、残念ながら、彼の滑らか過ぎる口が災いして、彼の言葉は、いつもの軽い台詞と同じようにしか聞こえなかった。
 美和は空を見ると、平然と言った。
「さあ。伯母さんのお葬式とか、法事の時じゃないですか?」
 そっけない返事だった。
 十三回忌の時、空は参加しなかった。それより前というと、ほんの子供だったはずだ。彼はピンと来なかった。
 彼女を見ながら感じる何か予感のようなものは、うまく口では説明できなかった。説明するには彼の口は回り過ぎて、大切なことはかえって取りこぼしてしまうのだった。
 空は美和の許から退散したが、その説明できない何かをつかむために、ずっと彼女を観察した。彼女が自分の方を見ると、慌てて視線をずらした。
『これは…』空は自分の中に起こっていることを整理できなかった。
 整理は彼の苦手な分野だった。散らかったままにしておいて、来るもの拒まずで、その時その時を過ごしていく。何をいつ誰としたとしても、大きな違いはない、また何か退屈しのぎの楽しみが訪れるだろう、そんな風に日々を過ごしてきたのだった。
 初樹がそんな空に声を掛けた。
「空兄、どうかした?もしかして美和ちゃんのことが気になるの?」
「初樹、デジャブって、あるのかな?」
「デジャブ?」
「なんか、どっかで会った気がして…」
「母さんの法事の時じゃないの?」
「ガキの時だろ。そうじゃないんだ」
「やっぱり気になるんだね」
「ああ、気になりすぎだよ。どうしよう」
「美和ちゃんはいい人だよ。見た目は冷たく見えたりするかもしれないけど、とっても優しいんだ。姉御肌っていうのか、ちょっと当たりがね、辛口っていうか」
「ああ、それもちょっと面食らったかな」
「空兄、女の子に冷たくされたことないんじゃない?」
「かも」空はニッと笑った。
「よし。考えてても仕方ないから、とにかく機会を作ろう。初樹、お前もフォローしてよ」と、初樹を引っ張って、美和の元に行った。
 空の口説き文句は、彼女には通じなくて機会≠ヘ、なかなか出来そうになかった。とうとう空は、来月ある敬老の日の集まりに、美和たち姉妹を誘った。
「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんのためにも来てよ。うちは兄弟少ないからさ。孫がみんなで行けば、もっと喜んでくれると思うんだ。ね?」と、初樹がしっかりフォローの役目を果たし、妹の美久も乗り気だったので、美和からようやくYesをもらうことが出来た。
「三週間も先だよ」と、空はぼやいてはいたが。
 三週間ぼやき続けてその日をようやく迎えた。
1

治郎の次男、空は
きっと見た目以上にいい男に成長するはずです。
初樹の愛の行方も徐々に入ってきます。
空と初樹については、ペアのように
物語が進行しますので
「空の物語」に続いて
「初樹の物語」を再UPします。
「空と初樹の物語」としては、1ヵ月ほど
お付き合いください。
今後をお楽しみに!
↓引き続き次の回もどうぞ






2010.09.23 和泉川 曼珠沙華


仲の良い家族同士が
集まります。
年頃の男女にとっては
お祖父ちゃん、お祖母ちゃん孝行も
別の意図もあったりして。
さて、空の、デジャブを感じるその出会いは
なかなか「運命」の出逢い
というようには進みません。
彼を応援しつつ、
“星の家”を覗いてみてください★


 その日の敬老の日の集いというのは、“星の家”の集まりが持たれるようになって、誰が提案したのか、いいんじゃないかとトントン拍子に決まったのだが、まだ詳細は何も決まっていなかった。
 この時は、これが毎年欠かされない年中行事になっていくことは、誰も予想もしていなかった。
 単純に計算しても、祖父母は一家庭に両親の二倍いるので、三家庭で十二人いることになる。亡くなった人がいるので、十人ほど。そこにそれぞれのいとこや親戚なども来れるようにしたいということで、かなりの人数で星の家≠ヘ埋め尽くされるかもしれなかった。
 当日、招待した十人の祖父母は全員参加したし、それ以外にも先回来なかった顔ぶれが集まった。星一たちの長女、茜(あかね)も夫と二人の子供を連れてやって来たし、橘家の姉妹の他にも、何人かのいとこや、おじ・おばなどが、送迎のどちらかを兼ねて顔を出した。

 さて、空は、美和を前にして、舞い上がっていたので、何を話したか覚えていないほどだった。ただほとんどその口が回り続けていたのは確かだった。
 美和・美久の姉妹を笑わせ続け、一息つくように空は初樹に彼女たちを任せると、それまで父の治郎(じろう)が弾いていたピアノを、替わって弾き始めた。誰もが知っているような曲ばかりを、彼は軽やかに弾き、そのうちに昔懐かしい口ずさめるような曲や、祖父母が喜びそうな、若かりし頃の思い出の一ページにありそうな曲を弾き始めた。
 そして、彼はそれに合わせて歌い始めた。妹の麗美が、横に来てハーモニーを付けてくれた。いつの間にかピアノの周りにみなが集まった。
 そして、空は兄の志道(しどう)を、ピアノに導いて座らせると、自分の後を弾かせた。
 志道がピアノを弾くのを見るのは、ずいぶん久し振りだった。彼が音大に行かなかった時からだから、もう七、八年になるかもしれなかった。
 空はそのまましばらく席を外して、裏から外に出た。初樹がそれを追って出て来た。
「美和ちゃんたちは、姉貴と一緒だから大丈夫だよ。ピアノも歌もよかったよ、空兄(にい)」と、初樹は言った。
「俺のは三流だよ」
「ご謙遜を。好きな子の前でやるなんて、自信がなきゃ」
「違うんだ」
「違うって?」
「どんな舞台でもあがったことなかったのに、もう何を話しているかわからないくらいだった。ちょっと、ピアノ弾いたら落ち着いた」
「そうだね。あまり空兄っぽくないというか、ハイかなぁとは、思ってたけど」
「ハイに見えるよな。俺、どう思われてるんだろ」空はフーッと息を吐いた。「今度はダダッと落ち込んでしまいそうなんだ。だって、これ以上何を話す?馬鹿みたいだよ」
「美和ちゃんにデート誘ってみる?」
「『うん』って言ってくれるだろうか?」
「助けるから」
「ありがとう」
 空は、店の隅の席に腰を掛け、初樹が美和を連れて来てくれた。
 しかし、さっきまでの饒舌さが嘘のように空の口はなかなか開かず、ようやく話し始めたと思えば、本題には遥かに届きそうになかった。
 見かねた初樹が空を代弁して話し始めた。
「つまり、空兄は、美和ちゃんともっと話をしてみたいんだ」
 必死の空の思いは届かず、美和は即答で「No」と言ったのを、逆転させたのは初樹の力だった。
2

今まで抜群の笑顔で
落とせない女性は
いないかと思えた空ですが、
今回は初樹に助けてもらってばかり…。
さて、どうなるでしょうか。


登場人物の確認は家系図をどうぞ。
橘家家系図も参考にどうぞ
「三月さくら」シリーズ
前後のお話は こちらから。




よい一日、よい夢を

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写真は:ヒガンバナ 蕾
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2016年05月30日

〈終〉6 《海、山、街》 〜待ちびと暮らしの達人たちへ  【三月さくらX1】

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小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
シベシズク。


クライマックスが近づいてきました。
星矢と葉摘の様子は
一気に恋人という雰囲気の
「ふたり」になりました。
頑固親父・星一VS息子・星矢の会話から。
星矢の傍らには葉摘がいます★


「どうして二人は付き合いたいんだ?」
「…」
「お互いのことが真剣に好きなのか?」
 二人は顔を見合わせた。
「どうなんだ、星矢?」
「好きだよ」
「よーし」星一は言った。
「OKせざるを得ないよな、葉摘ちゃんにそんな目で見られたらさ。それに他のうるさい奴らに何て言われるか分らないからな」
 いつの間にかすぐ後ろに、一朗、治郎、みどりたちが来ていたし、若者たちもその後ろから様子を窺っていた。
 治郎が言った。「思いがけずこういう場に立ち会えて光栄だな。思い出すよな、もう三十年近くも前になるんだ」
 治郎はピアノに向かい、演奏し始めた。
「よかったよ。あいつがここで告白した時の話を始めたらどうしようかと思った。長くなるし」と、一朗が言った。
 治郎の生ピアノの中、皆に口々に祝福され、葉摘の目は潤んでいた。
 皆がピアノ寄りに離れていき、二人残されると、一朗が星一に言った。「マスターも人が悪いよ。以前と違ってオヤジくさくなったね。俺は星矢にいろいろマスターに訊けって言っといたのにさ。俺の時には随分親身になってくれたのに。年取ると人も変わるの?」
「星矢が本気かどうか、ちょっと試してみたんだ」と星一は言った。
「本当に?怪しいけどな」
「俺の深い思いを疑うのか?」
「まあいいよ、マスターのお陰で、二人には却っていい出発になったみたいだし」
「息子に対してとなると厳しくなるのさ。こういうことを、いい加減にさせるわけにはいかない。それに相手は葉摘ちゃんだ。とりわけ幸せになってほしいと思ってるからさ。
 未だに忘れられないんだよ。小学生頃までは、毎週土曜の昼前からここにお前と来てたよな。初樹とは治郎の店で泊まってさ、家に帰ると葉摘ちゃんが離れないって言ってさ」
「うん。葉摘は、ここに来るのを楽しみにしてた。父親を独占してさ。不憫だったけど、幸せだったよ、あの頃も」

 治郎の二人の息子、志道と空は、目の前で誕生したフレッシュなカップルを遠めに見ながらボソボソ話していた。
「星矢兄もやりますね」と志道。
 志道はこのような丁寧な口調で話すのが常だった。その話し方は、治郎の母方の祖父、つまり彼の曽祖父に似ていると言われていた。
「しまったな。こんなことなら、もっと早くアタックしておけばよかった」と、空。
 空はルックスでは兄よりも父親似で、その笑顔に魅了されるのは、若い女性ばかりではなかった。
「その気はなかったんでしょう?」
「今更横恋慕なんて出来ないよな」
「さっき口説いてたつもりだったんでしょうけど、全然なびいてなかったですよね」
「なんだか、すごく悔しくなってきた」
「その気だったんですか」
「あー、悔しいし、羨ましい」
「でも、似合ってますね、二人」
「まぁね、だから悔しいんだ。淋しい独り身は、兄貴もおんなじなのに、余裕だね」
 志道は最後は、フッと笑って、何も言わなかった。
11

志道と空の会話は
若き日の
一朗と治郎の会話の再現のようです。
次回は感動の(?)最終話です!!

引き続き、↓次の回もご覧ください。






2012.06.01 山手 港の見える丘公園 アリウム・ギガンチウムにキタテハ


主な登場人物、フル出演!
この章はおしまいですが
新たな出発を感じさせる
最終話です★


「俺たち、女縁薄いのかな」と、空がぼやいた。かつて父親たちも、この店で何度となくそんな会話を交わしたのだということを、彼らは思ってもいなかった。
 出会いの始まりはいつもわからないものだ。この二人の男性が、街を歩くとすれば、女性たちが振り向くような華を持っているというのに、意外な気がする兄弟の会話だった。

 “星の家”は、そこここで話の花が咲いていた。治郎のピアノは優しく楽しげに、また幸福を感じさせるメロディーで三つの家族を包んだ。
 みどりと陽子、星一と一朗、そして若者たちでそれぞれ話が盛り上がっていた。
 輪になった若者たちの中心にいるのは、丹野家の女の子たちだった。
 後にシンガーソングライターとしてデビューする長女の麗美、そして末娘の未来。タイプこそ全然違うが、どこか似たような雰囲気があるのは、同じ親から出た姉妹だからだろう。麗美は、その名の通り優雅な雰囲気を持ち、未来は生来の愛嬌を持ち、美しさではここにいるどの女性をも抜きんでるものがあった。
 若者たちのグループから、まず分離したのが空と初樹だった。
 空はいつもなら接客で培った社交術で、若い女性に笑顔とお世辞を振り撒くところだったが、今日は彼の妹たちが話の輪の中心にいた。彼は場所を移し、母親たちを喜ばせることにした。
 その横にいるのは初樹だった。彼は取り合えず心配していた姉と星矢とのことが解決したのでホッとして、前から気が合い兄と慕う空とペアを組んで、あちこち渡り歩いては、おば様やお姉様たちのご機嫌取りを、やはり気楽そうにしていた。
 蒔原家の桃と、末っ子の碧斗は、結局は丹野家の姉妹のお喋りの中に最後まで残されていた。
 志道は、皆の中間にいて穏やかに観察していた。未来はいつになく楽しそうだった。父の心配がよく理解できる彼は、これはいい滑り出しかもしれない、と思っていた。
 こうして、治郎がピアノを弾き終えた時、星矢と葉摘は既に二人で出掛けていたし、他の皆も帰り支度を始めていた。治郎が最愛の妻に告白した昔話の聞き役は、車で一緒に帰った家族だけだった。
 上機嫌な治郎の様子からして、若いカップルから得たインスピレーションを基に、新しい曲を作るのに違いなかった。
 丹野家の車が出るのを初樹が表まで見送って戻って来た。
「じゃあ、俺たちも帰るか」と、一朗は言った。皆の楽しげな姿を見られた一朗は満ち足りていた。この淋しいはずの男は、周囲の幸せを喜びにして今までのやもめ生活を過ごして来たのだ。
 一朗父子が帰ると、星一は、みどりと残った子供たち──桃と碧斗──に向かって言った。「今日は集まれてよかったな。イチと葉奈ちゃんの為にも、これからも続けよう」
 この日の“星の家”には、笑いが溢れていた。それは、これからも果てることがないに違いなかった。


運命の女神が
耳元で ささやく

やっとここまで来た
満足ではないけれど

待っていて 僕らが
契りを交わすその日まで

上を向いて 互いを
みつめて話したい

約束はきっといつか
守ってみせるから

まじめに言うよ 君に
誓ってもいい 本当だよ

嘘はなし もちろん
見得もいらない

安売りも 賭けも必要ない
負けも勝ちもない

まっすぐに 君の心に
近づいて行きたい


          海と山と街で
           うんと
           やっぱり
           待って

          海と山と街で
           うんと
           やっぱり
           待ってる…

運命の女神が 
見せてくれた 夢

やっとこれからは
間違えないで行ける

待っていて 僕らが
契りを交わすその日まで

「 海 山 街 」

12
「三月さくら待つ月 四月幸せの始まり」
第[部「待ちびと暮らしの達人たち」
第1章「海、山、街」 
− 完 −


一挙再連載でお送りした
「待ちびと暮らしの達人たちへ」
第1章 「海、山、街」に
お付き合い頂きまして、ありがとうございます。
この第X部「待ちびと暮らしの達人たちへ」は
親の世代のお話から、次の世代に移りまして、
特に志道がメインとなる前の
橋渡し的なお話として、
実は後になって、
ふむふむと思える場面もあったんです。
さて、登場人物の中で
誰がお気に入りですか。

明日からは、この続きの物語
第3章第4章に始まる「空と初樹の物語」を
まとめて再連載します。

前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次
   登場人物の確認は家系図で→ 三月さくら家系図2(「海、山、街」)




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2016年05月29日

(詩) 何度雨が降ったら 本当の緑になるのだろう 2016


新緑の季節から
気がつけば初夏へと
移ろっていく頃…。
一雨ごとに深まるもの 
ってなんでしょうか★

2011.08.31 和泉川 朝露



「 何度雨が降ったら 本当の緑になるのだろう 」



 一雨ごとに…  
 雨が緑の色を濃くするように 
 一雨ごとに 涙が愛の思いを深めていく 

 何度雨が降ったら  
 本当の緑になるのだろう 
 何度涙に濡れる夜を越えたら  
 本物の愛に出遭えるだろう 

 甘やかされて育ってきたから 
 うまくいかなければ泣くしかなかった 
 泣いてもしかたがないこと わかった今でも 
 わがままな子どもの私が顔を出す 

 雨は平等に誰にも降りそそぐけど 
 虹を見られる人は 限られている 

 何度雨が降ったら  
 本当の緑になるのだろう 
 何度涙に濡れる夜を越えたら  
 本物の愛に出遭えるだろう 

 あきらめちゃいけないと 教わってきたから 
 意地とプライドだけが高くなった 
 あきらめることも強さと 気がついた今でも 
 往生際が悪いその癖が首を出す 

 蝶よ花よと 大切に育てられても 
 本当のプリンセスになれるわけではない 

 何度雨が降ったら  
 本当の緑になるのだろう 
 何度涙に濡れる夜を越えたら  
 本物の愛に出遭えるだろう 

 今度の雨の日は、
 傘を持たずに出かけよう 
 濡れても雨が滴っても構わない 
 そして何もかも洗い流して 
 涙もついでに流し切ったら 
 本当の私に出遭えるだろう
 
 雨は平等に誰にも降りそそぐけど 
 虹を見られる人は 限られている 

 何度雨が降ったら  
 本当の緑になるのだろう 
 何度涙に濡れる夜を越えたら  
 本物の愛に出遭えるだろう 

 何度雨が降ったら  
 本当の緑になるのだろう 
 何度涙に濡れる夜を越えたら  
 本当のあなたに行き着けるだろう 

 一雨ごとに 雨が緑の色を濃くするように 
 一雨ごとに 涙が愛の思いを深めていく  




緑が爽やかな季節です。
「一雨ごとに緑色濃くなる頃」とは
時候の挨拶に使いますが
よく言い表わしたものだなぁと思います。
とても好きな表現です。
雨とともに
深まり
育つものがあるとしたら…。
この季節にちなんで
愛情の器が成長していく
女性の想いを描いてみました。



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posted by kuri-ma at 07:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ★季節の詩 愛の詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする