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2018年06月20日

(詩) 海 山 街  2018


「三月さくら」の、
幸せのキーワード、
「海、山、街」を折り込んだ詩。
さて、彼らの愛はどこで実るのでしょうか★

港のスズメはおねだり上手。



「 海 山 街 」



運命の女神が
耳元で ささやく

やっとここまで来た
満足ではないけれど

待っていて 僕らが
契りを交わすその日まで

俯かないで 君の瞳を
みつめて話したい

約束はきっといつか
守ってみせるから

まじめに言うよ 君に
誓ってもいい 本当だよ

嘘はなし もちろん
見得もいらない

安売りも 賭けも必要ない
負けも勝ちもない

まっすぐに 君の心に
近づいて行きたい


     海と山と街で
       うんと
       やっぱり
       待って

     海と山と街で
       うんと
       やっぱり
       待ってる…

運命の女神が 
見せてくれた 夢

やっとこれからは
間違えないで行ける

待っていて 僕らが
契りを交わすその日まで




数年前、2日間で強引に仕上げた詩ですが
いかがでしょうか。
「うみ・やま・まち」の折句の繰り返しです。
一か所間違っているところがあって
折句を壊していたので、修正しました。

「海、山、街」というのは
小説の章のタイトルですし、
「三月さくら」の一つの大切なキーワード的な
ものでもありますね。
海や山という自然とともに
街と3つがそろえば、
確かにデートスポットも
網羅しそうです。




よいい一日 よい夢を

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写真は:港のスズメはおねだり上手。
by (C)芥川千景さん
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小説の連載は、次の記事より
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下は小説の目次一覧です

  

 [THE PAST POST]
▼△時の追いかけっこ△▼

こちら からどうぞ



京都と関東のとある海沿いの町を舞台にした物語
 雪洗YOU禅物語 
 ↑ こちらから


シャボン玉飛んだ
映り込みの家庭
(いえ)

目次は こちら


小説 ▼△あの人は
広い傘をもっている△▼

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忘れられた零地点(ゼロポイント)
こちらからどうぞ


「ひのくに物語」全59話完結!




プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
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「季節の詩 愛の詩2018」一覧

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2018年05月24日

2 《海、山、街'18》 〜待ちびと暮らしの達人たちへ  【三月さくらX1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
赤ずきんちゃん洗顔中。


葉摘の弟、初樹の
さりげない行動に注目。
そういえば、星矢はなぜここに?★


 初樹は星矢にそっと言った。「星矢兄、この後予定あるの?」
「別にないけど」
「うちの姉貴はいつも畑に出るくらいしか趣味がないから、どこか連れて行ったげてくれない?」
「どこかって?」
「海、山、街。どこでも。俺はもう少し寝るね、昨日バイト遅かったから。じゃあ、ごゆっくり」
 そして、台所にいる葉摘のところにも声を掛けた。「星矢兄はオムライス好きだよ、確か。姉さん得意だろ」ボショボショと星矢には聞こえないように、何気に配慮するのも忘れずに。
 星矢はダイニングと繋がっている居間を見回した。彼らの母の生前の家族写真が飾ってあった。葉摘の七五三の時なのだろう。葉摘が三歳、初樹が一歳、葉奈はまだ入院する前かもしれない。次の年の夏には帰らぬ人になったのだ。

 星矢は朝の両親の会話を思い出していた。
「男手一つと言ってもさ、あそこは祖父母もそろってるんだし」と父の星一が言うと
「そうだけど、片親がいない淋しさはあなたも知ってるでしょう。あの子たちはあんな小さい頃からなのよ」と、母みどりは言った。
「心配しても仕方がないだろう」
「でもね…」
 そしてみどりは星矢を見ながら何かひらめいたように、「これを持ってすぐに行って来て」と言い、半ば押し出されるように彼は青山家に来たのだった。

「さぁどうぞ」と、葉摘が湯気の立つオムライスを持って来た。「ブランチよ」
 星矢をダイニングテーブルに招いて、葉摘は言った。「“星の家”のみたいにおいしくないかもしれないけど。父の好物なの」
「俺も大好きだよ」
 星矢は葉摘の手作りをおいしそうに食べ、「うん。うまい。うちの店にも充分出せるよ」と言った。
 食べ終わる頃に、橘家から今度は叔母がやって来た。「星矢君が来てるって聞いたから」常葉が、行く時にわざわざ伝えて行ったのだろう。
「まぁ、星矢君、立派になって。どこに勤めてるんだっけ?」
 もう、4回目ともなると、質問を想定して、まとめて近況を報告したのだが、とにかく彼と話すことが嬉しいらしい叔母は、更にひとしきり質問を浴びせてから言った。「おそうめん食べる?」
 こうして、星矢の胃袋はすっかり満足した。
「ご馳走さま。お礼と言ってはなんだけど、これから出掛けない?」と星矢は、葉摘に言った。
 朝からどこかに行っていた一朗はちょうど家の近くの路地から、星矢の車に乗り込んで出掛ける葉摘の姿を見掛けた。


そうめんどうぞ。

3

ほぉ これが星矢の母の意図なのか、
初樹のちょっとした働きかけが
あったからなのか…。
二人は出かけていきましたね。
「海、山、街」これ
最初は初樹の言葉なのですが。。。

引き続き、↓次の回もご覧ください。






水平線から虹が・・ (3)


二人で出かけた
星矢と葉摘…。
どんな感じなんでしょうか★


 一朗が家に戻ると、ダイニングテーブルにラップの掛けたオムライスと、星矢が持って来た果物の包みが置いてあり、「おそうめんが冷蔵庫に入ってます」という葉摘のメモ書きがあった。

 星矢と葉摘は海辺に出掛け、水族館を訪れていた。「海、山、街」という星矢の出した選択肢に、「今から山は無理よね。じゃあ海」と、葉摘が言って決まった。
「子供の頃、家族で来た以来だなぁ」と、水族館の大きな水槽の前で星矢が言った。
 葉摘がクスッと笑いながら言った。「星矢兄は幾つ?」
「ん?葉摘はえっと碧斗より一つ上だっけ?今年二十歳(はたち)?」
「今、二十歳、もうすぐ二十一よ」
「七つ違いかな」
「じゃあ二十七?八?」
「早生まれなんだ。学年で八つ違うわけだね」
「ふーん」
「ふーん、ってなんだよ」
「子供の頃から来てないの?デートとかしないの?」
 近くを仲良く寄り添って歩く恋人たちが一組通って行った。
「俺は街育ちの山好きだから…」と、星矢は言った。
「ふーん」と、また葉摘は言った。

 その日の夕方、一朗が再び家に戻ると、ダイニングで葉摘と初樹が言い合っていた。
「だって、何も食べ物がなかったんだから」
「オムライスとおそうめんがあったでしょ」
「オムライス?」と、初樹が怪訝な顔をしているところに一朗が入って行った。
「お父さんが、オムライスとそうめんは食ったぞ」
「パパ、お昼に帰ってきたの?それにしてもあんなにたくさんあったのに、初樹も全部食べることないでしょ。お祖父ちゃんお祖母ちゃんも、誰も食べてないのよ」
「そんなになかったぜ、みんなで食うほどには。叔母ちゃんとこに行って、そうめん食べさせてもらったからいいけどさ」
 一朗は冷蔵庫の野菜室から星矢が持って来たさくらんぼの包みを出して言った。
「これだろ、今日もらったのは。冷やした方がうまいから入れておいたんだ。初樹が食ったのは、昨日父さんが“星の家”で、少しもらって来たやつじゃないか?」
「ああ、これで俺の濡れ衣が全て晴れたよ!」初樹は大げさに言った。
「そういえば父さん、今日はどこに行ってたの?」
 突然葉摘が思い出して言った。「あっ、ママの月命日」
「そうか!」と、初樹も言った。
「今日は休みの日だから、色々行って来たよ。母さんと行った事のある場所とかね」と、一朗は微笑んで言った。
「そうか。来月は平日だよね。でも、朝の墓参りは行くよ。声を掛けてよ」と、初樹が言った。
「今日も声を掛けたんだぞ」
「そうだった?」
「お前は朝弱いからな」
「ごめん。ゆうべバイトが遅かったんだ」
「じゃあ今度は起こしてあげる、皆一緒に行こう」と、葉摘が言った。
4

青山家では、亡くなった母
葉奈の供養のため
特に毎月の月(つき)命日は
大切にしているようです。

最初のUPでは、星矢が持ってきた果物を
葡萄としていたのですが、
時期的に早いかなと思い、
さくらんぼに変更しています。
前後のお話 はこちらから→ 三月さくら 目次
    登場人物の確認は家系図で→ 三月さくら家系図2(「海、山、街」)



よい一日 よい夢を

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2018年05月23日

1 《海、山、街’18》 〜待ちびと暮らしの達人たちへ  【三月さくらX1】



小説 ▼△三月 さくら待つ月
四月 しあわせの始まり△▼
初夏から夏にかけての物語──

2012.05.30 和泉川 木陰


今日からの1週間は
成長した子供たちが主人公の物語
「海、山、街」をお楽しみください。
一挙連載でお送りします★



第X部 待ちびと暮らしの達人たちへ



   第一章 海、山、街
 



泣きたくなるのは夕暮れ
名もない花を見て
懐かしむ 母の面影
泣かない約束は いつでも
泣いた後で思い出す
七つの願い事が贅沢ならば
流れ星にひとつだけ託してもいい?
夏の夜の夢 
泣かずに超えたなら
夏の夜の夢 それはみんなの幸せ

内緒のはずだったよね…
仲直りが苦手な太陽が
仲良しの月と喧嘩した晩
失くしてしまったものは
泣いても 戻ってこないと知った
流れ星はいつも気まぐれだから
七つ星 私の願い叶えて
夏の夜の夢 
流した涙の分だけ
夏の夜の夢 それはあなたの幸せ

泣き疲れて 今朝は明けたのに
余波(なごり)を残さず 
凪いだ沖のように
和んだ一日
眺めのいい部屋から 夕空を見ると
泣き顔(ツラ)に 雨上がりの虹

  涙はどこから来るの?
  なんで温かいの?

七色の虹が
何かしら答えを教えてくれる
夏の夜の夢 
無しのつぶての初恋のよう
夏の夜の夢 それは私の憧れ


  

 青山家の庭は、以前と遜色なく花木が生い茂り、よく手入れされていた。斜向かいの橘(たちばな)家とお揃いの梅の木は、今も変わらず両家に立ち、更に幹を太くしていた。
 両家のお揃いは、実は梅ばかりでなく、通りから見えにくい所では、冬の山茶花、春のツツジ、そして梅雨近くなった今の季節だと、紫陽花が瑞々しく咲き始めていた。
 その気持ちよく晴れていきそうな初夏の早朝、一朗は玄関で立ち止まり、きれいな緑の葉で覆われた梅の木を見上げてから門を通って出て行った。
 一朗の愛妻、(はな)葉奈の死を契機に、橘家には別居していた葉奈の弟夫婦が両親と同居するようになり、母を亡くした幼い葉摘(はつみ)と初樹(はつき)の姉弟は、両祖父母と、叔父、叔母たちに愛されて見守られて育った。
 葉奈が愛した畑には、今も様々な野菜が栽培されていた。かつては、星一(せいいち)や治郎(じろう)の家族を呼び賑わったものだったが、子供たちが成長していき、中高生になる頃には、集まることもなくなって久しかった。

 日差しが強くなってきた頃、畑では、つばの広い農作業用の帽子を被った女性が畑仕事をしていた。そろそろ切り上げようと、彼女は腰を上げた。
「もしかして、葉摘?」青年の声が呼んだ。
 彼女は顔を上げて、声の人の方を向いた。父親似と言われ続けてきたが、年頃になってどこか亡き母の面影を持ち始めた葉摘だった。
「“星の家”の星矢(せいや)だよ」
「お兄ちゃん?」と葉摘は言った。星矢は、星一と一朗、治郎の子供たちの中でも年長だったので、そう言われることも多かった。彼が青山家を訪れるのは、十何年振りだろうか。
 葉奈が亡くなった時小学生だった彼は、その母が、葉奈と一朗の為にお腹の子の命に代えてもと祈って生れ落ちた、星一とみどりの最初の子だ。
 母から預かっていたものを渡し、お焼香を済ませた星矢にお茶を出しながら、葉摘の祖母は「りっぱになって…」と言いながらいろいろ話し掛けた。
 しかし、チャイムに一呼吸置いて、斜向かいのもう一人の葉摘の祖母、常葉(とこは)が呼ぶ声が聞こえるので、「残念だけど、老人会の集まりがあって出掛けるの。ゆっくりしていってね」と、言って腰を上げた。
「いえ、僕はもう…」と、星矢が言うのも耳には届かないらしく、「お祖父さん、常葉さんがもう迎えに来られたよ。行きますよ」と、大声で呼びながら行ってしまった。
「祖母さん、お客じゃなかったのか?」と、言いながら入れ替わりにやって来た祖父が、玄関脇の居間を覗いた。
「いらっしゃい」
「ご無沙汰しています、星矢です」
「おお、星矢君か。立派になって。お父さんに似てきたか」葉摘の祖父は目を細めて言った。
1

これが、星矢の登場場面です。

冒頭に挿入した詩は、
詩の中に「懐かしむ母の面影」とあるように
母・葉奈を亡くしている葉摘を
念頭に置き、作りました。

引き続き、↓次の回もご覧ください。






2012.06.01 山手 山下公園 銀杏の中のイチョウ


星矢はお祖母ちゃんたちに大人気。
そして今日は
一朗の息子、初樹も登場です★


 すると、玄関で聞きつけた常葉も上がってきた。「あの星矢君?!久し振りね。立派な青年になって…」と始まり、星矢は今日三度目の勤め先と仕事の説明をした。
 もう一人の祖父、肇(はじめ)は、橘家の前で待っていて、気付かなかったのが幸いだった。
「葉摘の所は、お祖父さんとお祖母さんが二人ずついるんだね。俺の所は一人ずつしかいないから、その点は羨ましいな」と、星矢は言った。
「そう。皆して構ってくれるから、うるさいくらいよ。お陰でママがいなくても、忘れていられた。でも、みんな溺愛で甘すぎるから困るの。
 私はまだいいんだけど、初樹はね。今年大学に入りはしたんだけど、甘やかされてるから、大丈夫かな。将来、お嫁さんの来てがあるかなって。マザコンってあるけど、初樹の場合は橘のお祖母ちゃんと、叔母ちゃんにべったりなの」
 葉摘は、母の葉奈がこの地に再び戻って来た頃と同じ年回りになっていた。亡くなった母のことをほとんど知らないのに、あの頃の母親と同じようなことを言うと、父親たちに言われるようになった。
 と、そこへ当の弟の初樹が顔を出した。
「ねぇ、姉さん、今日のお昼って…」と言い掛けて星矢に気付いた。
「こんちは」と星矢に挨拶し、「めずらしいねー、姉さんが男連れてくるなんて」
「違うわよ、“星の家”の」
「初樹、久し振り。見違えたよ、でかくなったな」と、星矢が言った。
「星矢兄(にい)?」 
「球場で会って以来か?イチおじさんと応援に来てくれたろ、碧斗(あおと)の」
 碧斗は星矢の弟で、高校野球の予選のいいところまでいった時、応援に行ったことがあった。二年前のことだ。結局その試合は負けて、これに勝てば総出で応援しようといういう計画は流れてしまい、その後皆で集まる機会はなかった。
「祖母ちゃんたちは?」と、初樹は姉に尋ねた。
「出掛けたわよ」
「俺の昼は?…あ、まぁいいや。祖母ちゃんたちがいないなら叔母ちゃんに作ってもらうから」
「ほら、こんな調子なのよ」と、葉摘が星矢に言った。
「甘え上手なんだね、初樹は。羨ましいな」と星矢。
「俺が?」と初樹。
「そう、みーんな、あんたには甘いものね」と葉摘。
 初樹は気にしている様子もなく言った。「星矢兄、朝飯食べてきたの?」
「それがさ、コーヒーを飲んでたらさ、お袋に早く行って来いって、お昼に掛かっちゃうと失礼だからって、食べずに来たんだ」
「じゃあ、姉さん何か用意したげなよ」と、初樹は言った。
「わかったわ」と、葉摘は言って、カウンターで仕切られた台所に向かった。
2

葉摘は気づいていませんが、
母、葉奈と同じような
台詞を言っています。
不思議なことに、親子とは似るもの。
そして、この初樹は…。
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   登場人物の確認は家系図で→ 三月さくら家系図2(「海、山、街」)



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銀杏の中のイチョウ
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