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2017年11月15日

(詩) 紅葉(もみじ)がすっかり色づく前に 2017 男女バージョン


秋の深まりと、
愛の深まり… 
秋のこうよう(紅葉)と 
愛のこうよう(高揚)… 
女性・男性バージョンを一気に掲載!★

十和田の紅葉


〜女性バージョン〜
「 紅葉(もみじ)がすっかり色づく前に 」



紅葉(もみじ)が色づくその前に
私の気持ちもすっかり染まってしまう
夕陽が空を焼け尽くす前に
私の心は焦げるくらいに熱くなっていく

風がそよげば 木の葉のように揺れ
花が咲けば あなたを思い微笑む

吹く風は日ごと冷たく変わり
顔だけはほてるけれど
愛は つかめない

まだ固いこの実が
徐々に秋の色になって
黄金(こがね)に輝きだすように

誰かが私の頬の色に気づく前に
あなたから声を掛けて
最後の葉が舞い落ちるその前に
あなたがこの手を取って

木の実が熟せば 小鳥がやってきて
花が散れば 少女が涙をこぼす

まだ青いこの葉が
指の先まで染まっていき
見事な錦(にしき)になるように

紅葉(もみじ)がすっかり色づく前に
私は少しだけ大人になるだろう

紅葉(もみじ)がすっかり色づく前に

紅葉(もみじ)がすっかり色づく前に…


十和田の紅葉 (3)


紅葉前線というのはあるのでしょうか。
秋も深まりを見せていますが
今年の紅葉はどうでしょうか。
まだ、色づくには早いかもしれませんね。

秋の深まりと
愛の深まり…
もみじが徐々に紅葉するように
愛もこうよう(昂揚)していきます
秋の深まりは
ひとりの女性も成長させるようです


  




2010年・秋。



〜男性バージョン〜
「 紅葉(もみじ)がすっかり色づく前に 」



 
紅葉(もみじ)が色づくその前に 
僕の気持ちもすっかり染まってしまう 
夕陽が空を焼け尽くす前に 
僕の心は焦げるくらいに熱くなっていく 

風がそよげば 木の葉が舞っていき 
花が香れば 君の面影を偲ぶ… 

吹く風は日ごと冷たく変わり 
顔だけはほてるけれど 
愛はつかめない 

まだ固いこの実が 
徐々に秋の色になって 
黄金
(こがね)に輝きだすように 
秋の深まりは 想いも深めるのか 

僕の気持ちはもう決まっているよ
君を見つめる視線が熱すぎるのか
目を逸らして また俯いてしまう

木の実が熟せば 小鳥がついばみ
花が散れば はかない夢を嘆く

まだ青いこの葉が
指の先まで染まっていき
見事な錦
(にしき)になるように

紅葉
(もみじ)がすっかり色づく前に
君からの答えが聞けるだろうか

紅葉
(もみじ)がすっかり色づく前に
君の笑顔を僕に向けられるだろうか

紅葉
(もみじ)がすっかり色づく前に

紅葉
(もみじ)がすっかり色づく前に…


同名の女性の詩の
返歌のような形になっています。
この詩、男性でもいけるんじゃないか、
と思ったのが作るきっかけですが、
簡単なようでちょっと難しかったです。
「私」のままでいこうかとも思ったのですが、
わかりやすくするために「僕」としてみました。
女性バージョンとほぼ同じですが
微妙な変化をつけて。
ふたつ合わせれば
ふたりは両想いだとはわかりますが、
ちょっとまだるっこしいですね。
先回の詩では、
男性のアプローチが足りないのかと思ったのですが、
こちらの詩では、男性はすでに
気持ちは伝えてあるような雰囲気ですね。
少しだけ、時が進行したようです。
二人の愛の行方、
予想してみてください。




よい一日 よい夢を

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写真は:上 十和田の紅葉
中 十和田の紅葉 (3)
by (C)akemiさん
下 2010年・秋。
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プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に、書き溜めた小説を編集し始め、その後ブログをはじめました。
ヨーロッパ滞在歴≒ボランティア歴ありの、三男一女の母。

見えない世界、霊界、神様について、人生については、もう一つのブログをどうぞ。
夢を叶えたい人、カウンセリング募集中!(四柱推命鑑定も可。)
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「季節の詩 愛の詩2017」一覧


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posted by kuri-ma at 06:45| Comment(0) | ★季節の詩 愛の詩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月19日

19 《ひのくに物語'17》 仮面の犯した罪、そして愛?! 2  B面〜仮面(マスク)の章



架空の王国を舞台にした
愛と夢の一大ロマン
「ひのくに物語」──
ゆーらゆら。


ケインの、罪を償おうとする生活に、
入り込んできたもの、
それは、簡単には
排除できないようです。
それを人は愛と呼ぶのかもしれません。
印象的なシーンあり★


 罪人の立場というのは、辛いものだ。
 何が辛いかというと、丁重に扱われているため、暇があり過ぎることだった。
 その分、考える時間があまりにたくさんある単調な日々だったから。否が応でも、自分の罪の日々のことを振り返りらざるを得ず、それは辛いことだった。時間がある分、私はその痛みにさらされ続けた。
 自分の罪による呵責を忘れるためには、本を読むことぐらいしか、私にはすることがなかった。
「こもって体を動かさないでいるのはよくないわ。父に何か仕事をさせるように言うわ」と、蘭が言って、私には翻訳の仕事が回ってきて、更には曜日ごとにスポーツのインストラクターがやってくるようになった。
 乗馬、フェンシング、空手、そして水泳。必ず蘭が共にやってくるのが、困惑することだった。私としては一人で黙々とできる水泳が好きだったが、蘭の水着姿が目に入るので、また違った意味で困惑した。
 スポーツマンというのは清々しい人間が多いものだ。インストラクターたちと接するのも、体を動かして汗を流すのも気持ちがよかった。私はようやく人間らしさを取り戻したようだった。
 毎日の運動と翻訳の仕事は、私の心身を健康にしていった。
 私は長い期間、女には不自由しない生活をしていた。愛を求める女もいたが、いつしか夜毎に金で女を変えるようになった。乱れきった生活。心も冷え切って、女に愛を与えるのは苦痛だった。私の愛はからからで、何も与えるものはなかったから。
 愛なしで過ごすのは、それまで当たり前だった。
 蘭と時間を過ごすうち、私の心には何かが流れ始めていた。涸れ果てたと思っていた私の心が、潤い始めていた。
 このままではいけないと思った。このままでは、私は彼女を放したくなくなる。
 でも、もう少しは大丈夫だろう。心に言い聞かせて、会いに来る蘭を拒めないでいた。
 それにきっと遅かれ早かれ、私から離れていくに違いない、そうに違いないではないか。

 ある時、蘭は言った。「私、パリに留学するかもしれないの。デザインの勉強をしたいと思っていたから」
 迷っているようだった。私は、是非行ったらいいと留学を進めた。これは、彼女が私から離れるいい機会だ。
 蘭は言った。「引き止めてくれないから、行くのをやめようかな。私と会えなくなっても寂しくない?」
「寂しいですよ。でもインストラクターとの鍛錬を邪魔されなくてすみますし…」と、私が言う言葉を遮るように、彼女はいきなりキスしてきた。
 驚いた瞬間の次の瞬間、私は目を閉じてそのまま陶酔したくなった。しかし、それを振り切って、その体を放した。
 閉じていた目を開く時、蘭の長いまつげが揺れ、その瞳はまっすぐ私を見つめた。その様子はまるでスローモーションのように私の目に焼きついた。口付けの感触と共に。
37

印象的な…
キスシーンでした。
大罪人である自分の存在を悔やむケインは
蘭の愛情表現に惹かれながら
断ち切ろうという思いが強いようです。
愛する資格がない、と考えているのでしょうか。
引き続き、↓次の回もご覧ください。






シベシズク。


まっすぐな愛情表現をする蘭を、
ケインは心から追い出そうとします。
さて、どうやって?!
また、できるのでしょうか★


「留学して、いろいろ学んで来たらいいですね。国の外に出れば、若くて優秀で、魅力的な男はいくらでもいる」と、私は言った。
「私と、どれくらい前に出会ってたらよかったと思う?」と、蘭は言った。「お姉ちゃんに出会う前?」
「…まだ君は子供だったな」と、私は笑顔を浮かべようとした。
「出会おうとして出会ったんじゃないでしょ、私たち、最初は」
「偶然か、じゃなかったら、誰かが僕たちを会わせたって言うんですか?」
「きっと、神様じゃない?」と、蘭は笑顔で言った。「その次にはあなたが会いに来てくれた。だから、その後は私が私の意志で会いに来たのよ。偶然なのか、神様が会わせてくれたのか、確かめたいじゃない?」
 彼女を突き離さなければならないと思った。たとえ怒らせても、嫌われたとしても。今だ、もう今、はっきりと言うしかない、と心に固く決意した。
 私はできるだけ冷たく言った。「静かに過ごしていたいのに、君のお喋りに付き合うのは、疲れました。お嬢様の気まぐれで、大罪人にお情けを掛けてくれるのはありがた迷惑というものです。もう、会いに来るのはやめてください」
 言い切った後も、彼女を見送りもしなかった。
 断腸の思いというのが、あるとしたらこういうことを言うのだろうか。私は、自分が言い放った言葉に、自分で打ちのめされたような気分になった。

 次の日から蘭は姿を見せなかった。
 覚悟はしていたはずだが、簡単過ぎるような気がした。しかし、これでいいのだ。こんなに、あっけなく、終わるべき関係だったのだ。昨日までの彼女の笑い声が残っているような気配を感じてしまい、私はその雰囲気にまだ馴染めなかった。
 翌日の柔道の稽古が終わる頃、主税叔父が現われた。
「蘭は来ないよ」と、彼は言った。
「そうですか」と、私は言って顔を上げた。「もし、まだ来るようなら、私から叔父さんに言うつもりでした、ここには来させないようにと」
「娘というのは親の思う通りにはならないものだ。あんなに行きたがっていた留学に行かないと言い出している。前はどんなに反対しても行くと言い張っていたんだ。どうやって、あの娘(こ)の気持ちを変えさせたんだ?」
「留学に行けと言ったのに」
「頑固なところは、あの娘の姉も母も同じだ。事情があったとはいえ、薔子(しきこ)が結婚してくれるまで、二十年以上掛かった。菫ときたら、愛する男のプロポーズを受けることはとうとうなかったんだ。蘭の場合はどうだと思う?」
「何としても、留学に行くべきだ」
「行けと言うほど、頑なになるはずだ」
「…どうして行かないと言っているのか、知っているんですか?」
「お前に会いたいからだろう。一人でここに置いて行けないと言っていたよ」
「わかりました。私が、なんとかします」
「どうするつもりだ」
「伊達にプレイボーイと言われてきたわけではありませんよ。彼女には下手な芝居は通用しません。この間は、失策でした。大丈夫ですよ。私に任せてください」私は言った。「叔父さん、ありがとうございます。罪人の私を、こんな風に扱ってくれて。安心してください。一ヵ月後には蘭さんはパリに行っていることになりますよ。一、二年したら私のことなど、麻疹(はしか)に掛かってたように跡形もなく忘れてしまうでしょう」
「お前は、それでいいのか?」
「もちろん。寂しくなるのは確かですが、彼女といたら罪を償う心境にはなれなくなるんですよ。寂しいくらいがいいんです」と、私は笑って答えた。
38

ケインは
蘭を遠ざける
つもりのようです。
さてどうするのでしょうか?!★

登場人物の確認は→ 《B面の主な登場人物》
(2017版にリニューアルしました!)

 ※ ネタバレがありますので、A面をお読みでない方は、
 必ずこちら→ (解説・ひのくにWORLD) をご覧ください。





よい一日 よい夢を

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プロフィール
ほんままゆみ(本名:栗原まゆみ)
物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に小説を書き始め、その後ブログをはじめました。
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posted by kuri-ma at 06:11| Comment(0) | 小説 (再UPなど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

18 《ひのくに物語'17》 取れない仮面、そして贖えない罪3・仮面の犯した罪、そして愛?!1  B面〜仮面(マスク)の章



架空の王国を舞台にした
愛と夢の一大ロマン
「ひのくに物語」──
月夜?の一輪


この節の最終話。
国王馨と、
罪人となったケインの会話の
続きから★


「お前たちは愛し合ってたじゃないか」
「そうだよ。でもわからなくなるんだ。菫の口から、私のことを愛していると聞いたことがなかったから。兄貴ならひょっとして聞いたことがあるかなと」
「愛していたよ。お前をかばって亡くなったんだろう?」
「うん。でもね、菫は絶対に言わなかった。…ねぇ、兄さんも婚約者を亡くした時、悲しかった?」
 馨は私の胸で泣いた。私は思いつく限りの言葉と態度で彼を慰めた。
「どうして、私の所に来たんだ?顔も見たくないほど憎まれてもおかしくないのに」
「王になる男が泣ける場所なんてないんだよ。兄貴も、もう、私を殺しても仕方がないでしょ」
「丸腰ではお前に勝てないしな」と、私は笑った。「一対一でたとえ勝っても、どうせ取り押さえられる。お前には支えてくれる人が大勢いるじゃないか」
「うん。みんなに心配掛けたくないからね。兄貴には貸しがいっぱいあるから、今日くらいいいだろう?」
 私は精一杯にっこり笑った。この男を妬ましいと思っていた自分自身が、愚かに感じた。
「母さんはどうしている?お前のためならなんでもしてくれるだろう」
「平和(ひらなぎ)の母さんは、泣かせたくないからね。兄貴に会いたがっているよ。叔母さんも、私には実の母だけど、私の妃候補を探している。一番たくましいよ」
「菫の妹には会ったことがある?」
「遠目に見たことはあるよ。菫によく似ているから、会いたくないな、逆に」
 その日、私は馨に謝罪した。
 最後に私は言った。「私の罪は、大きすぎる。許してもらえるとは思わないよ」
 馨はにっこり笑った。「私が許すとか許さないとか、関係ないだろう。私が許しても、神が許しても、後は兄貴自身が自分を許せるかどうかだろう?」
 確かに、私が苦しんでいるのは、自分自身が許せないからだ。
「済んだことを悔やんでも仕方がない。今から何を残せるかだ」と、馨は自分に言い聞かせるように言った。「思うんだけどね。兄貴がしなかったとしても、元王妃は誰か他の者を使って、同じようなことをしたと思うんだ。仲間にならなければ兄貴も殺されていたかもしれない。私が命を狙われるのは変らなかっただろうし、だから私のために菫が死ぬことも、やはり避けられなかったはずだよ」
「私が殺されればよかったな」
「無理だよ。それが、運命なのかな。兄貴は守られている。きっと父さんが生きていても、絶対兄貴を守ろうと庇ったはずだよ、命に換えてもね。
 調べてるうちに解ったんだけど、実際父さんは、元王妃派が刺客を送ったことを知っていたようなんだ。だから、兄貴に疑いが掛からないように最後までいろいろ手を尽くしたんだよ。兄貴のアリバイを整えてから、自分から殺されに行ったんだ、きっと」
 主税叔父に知らされていたことではあったが、馨からそう言われると、更にそれが真実だとわかった。
 馨を慰めていたはずの私が、結局は彼に慰労されていた。罪が消えるはずのない私だが、その気持ちはずいぶん楽になった。
35

菫から
「愛している」という言葉を
聞いたことがなかったと、
馨は嘆きます。
なんだか、いい兄と弟の関係ですが…。
引き続き、↓次の回もご覧ください。






美容柳。


ケインは
馨との関係を
完全に修復したようです。
彼の心に温かい愛情が息を
吹き返しました。
そして…★


仮面の犯した罪、そして愛?!



 菫を亡くして、ダメージを受けている馨の様子が心から離れなかった。不幸のまま死なせてしまったと、彼は嘆いていた。
 菫はあんなに馨だけを一途に愛していたのに、「愛している」という言葉を言ったことがなかったのだという。幸せな恋人同士にすらなれなかった二人だった。
 私は、馨のためにあることを思いつき、やむを得ず蘭と会う機会を作った。それまで、彼女に会うのは許されないことだと、避けていたのだが。
 彼女に会うなり、聞きたい用件に入った。
 蘭は菫から手紙をもらっていたはずだ。その中に、馨を愛していると書かれている部分があるのではないかと思ったのだ。
 手紙の中の「愛」の言葉を見つけたら、連絡をくれると思ったが、ついにその連絡はなく、翌日蘭は、なんと私の住む館を、直接訪れてきた。
 もちろん空手ではなく、菫の手紙を数通手にしていた。案の定、その手紙の中には、どれも必ず馨について触れる文章があった。彼を愛しているという言葉もその手紙には残されていた。私は、馨にそれを渡して欲しいと蘭に頼んだ。彼女は、手紙を添えてそれを馨の元に送った。
 馨は喜んで、すぐに私に連絡してきた。
 蘭が再び私の元に来た時、尋ねてみた。「馨がとても喜んでいたよ。菫の手紙もだけど、君の手紙も。なんて書いたんですか?」
 蘭は笑って言った。「私が知っている姉のことを書いただけよ」
「そうですか?」それだけではないような気がした。「私のことを何か書いたでしょう?」
「いいお兄さんですねって」
「冗談を。…君は私が奴にしてきたことを知らないわけじゃないでしょう」
「お返事を頂いたわ」
 手渡されて読んでみた。

──貴重な手紙を送って頂いて感謝している。君のお姉さんは、私にはなくてはならない人だった。私には一度も愛していると言ってくれなかったから、こんな風に思い掛けなく、彼女の言葉に触れられて嬉しい。
 私の兄は、君が言うように、いい兄だ。世界で一番の兄だよ。云々…


 そして最後にこう綴られていた。
──僕の兄をよろしく

「何か他に書いたんでしょう?」と、私は蘭に訊いた。
「内緒よ」と、彼女は言った。
 私はその後も、蘭を避けるようにしたが、主税の別邸に身を寄せている立場の私には、その場所がわかってしまった以上、逃げることも隠れることも出来なかった。蘭は、何かにつけ、私の元にやって来た。
36

これは…。
避けているのか、
近づいているのか…。
さて、離れられるのでしょうか。

「ひのくに物語」を楽しむために 
登場人物の確認は→ 《B面の主な登場人物》
(2017版にリニューアルしました!)

 ※ ネタバレがありますので、A面をお読みでない方は、
 必ずこちら→ (解説・ひのくにWORLD) をご覧ください。




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物心ついた時には、何かを読んでいました。物語は小学生、詩作は中学生から始めるも、世界平和と結婚の夢の前に、一物書きになる夢は横に置いて、気づけば元文学少女に過ぎない、おばさんになっていました。子の乳離れを期に小説を書き始め、その後ブログをはじめました。
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